茶ゴケだらけの超小型水槽リニューアル大作戦!
こんにちは。イラストレーターであり新米アクアリストでもある松峰です。
今回は初めて取り組んだ超小型水槽の紆余曲折を、備忘録として書き留めておこうと思います!
ボトルアクアは成功したけど…超小型水槽の難しい滑り出し
ボトルアクアと同じように…はいかなかった
今回挑戦したのはグラステリア フィット200H。容量は約4L。
10×20×20の超小型水槽です。容量としてはボトルアクアリウムでおなじみのグラスアクアティアーやスフィアが4Lくらいなので、すでに挑戦していたボトルアクアリウム(こちらの記事)と同じ要領でいけるかな…と試したのが始まりでした。
初めは水草もいい感じにたくさん入れて、ライトを点け、水替えを行い、うまくいきそうだと思っていたのですが…
夏場、ミナミヌマエビが次々鼻上げをし次第に落ちるようになり、夜間酸欠になってしまっているようだったので、ボトルアクアリウムと同じ管理は諦め、はじめにエアレーション、そして投げ込み式のフィルターを導入しました。
この頃は少し茶ゴケが出ていましたが、少しして生物ろ過がまわればおさまるだろうと様子見をしていたのですが‥‥
今や、水草という水草にコケがつき、フィルターの中にも苔がみっちり詰まっている状態。
取っても取っても茶ゴケがなくならず、トリミングしてもすぐまたコケに覆われてしまいます。フィルターにも苔が入り込んでいるのでろ過どころではありません…
茶ゴケは生物ろ過が十分でない立ち上げ当初に出るものですが、これがずっと出っぱなしで、さらにフィルターに入り込んだコケが水流で拡散されてまたコケが増える…という悪循環に陥ってしまいました。
そしてコケのせいか水草の成長もあまりよくなく、トリミングを繰り返すうちにだんだん草が減ってきました…。
コケブロックも規定の回数(4週間に1回)入れていたのですが効果が出ず…そこで今回のリニューアルを考えました。
水槽のリニューアルを計画
今回は3つの柱を軸に、段階を踏んで水槽内の環境を改善していこうと思いました。
・メンテナンスがしやすい外掛け式フィルターを導入すること
・コケ抑制剤とバクテリアを上手く使い、コケの発生しにくい水質にすること
・水草の植栽を増やし、苔の要因となる富栄養化を防ぎ生物ろ過を回すこと
これらを踏まえて、時間をかけて水槽に手を入れ、その様子を記録していきます。
リニューアル前の水槽の装備おさらい
ちなみに水槽のリニューアル前のポテンシャルはこんな感じです。
ここから少しずつ水槽を整えていきます。
リニューアル1週目
フィルターを外掛け式へ変更
手始めに、現在の投げ込み式フィルターをお掃除しました。
フィルターを変えるとバクテリアなどの環境が急激に変わってしまうので、1週間くらいは同時に二つのフィルターを使って様子を見るためです。
見てください!上の写真と見比べるとめちゃめちゃ綺麗になりました!
エアーの勢いも気泡の大きさも全然違います。
ちなみにろ材自体の汚れは少なく、素材もしっかりしていたので、コケばかりがろ過装置内に詰まっていたようです…
(余談ですが、エイトコアを取り出すために手を入れたところ、手の甲をエビにツマツマされました。私の手に食べるものはあるのかい…?)
そしていよいよ、はじめての外掛け式フィルターを導入。
投げ込み式のものは取り出して清掃する手間がかかり、また水槽内でもスペースを圧迫したり、ライトを遮ったりしてしまうため、外掛け式の「GEX スリムフィルターSS」を新たに導入しました。
存在感はありますが、水槽の短辺にぴったりはまる大きさで、水槽内も広く見えます!(浮いているのは急激な水質変化を防ぐために入れている前のエイトコアのフィルターです💦)
こちらは水流が穏やかで、手を汚さずにフィルター交換ができ、水に手を入れずに取り出して分解掃除もでき、水草水槽にも向いているそうなので選びました。水に手を入れなくていいというメリットは大きいです。
水替えも、水に手を入れなくてよいポンプ(水作 プロホースエクストラS)を普段使っているので、手間や衛生面を考えればなるべく水に手を入れずにメンテナンスできる環境を整えたいと考えました。
調べてみると、小型水槽には外掛け式フィルターを使っている方がけっこういるみたいです。
従来のエイトコアは、水合わせやブラインシュリンプを沸かす必要が出てきた時のために取っておきます。
(じつはボトルアクアリウムのアカヒレに稚魚が生まれたんです!なので新しくボトルアクアリウムを立ち上げるつもりでいます)
メンテナンス性を高めるための各種機材の変更
今回はいずれも水槽内外をすっきりさせ、維持管理の手間を減らす目的で、フィルターのほか、ライトも変更することにしました。
新しいライトは、クリアLED ピテラ コンパクト(小型水槽用LED) です。
リーフグローも優秀なのですが、イラストの仕事をする作業机のうえという狭さの関係上、微妙に幅を取るんですね…
その点ピテラは、水槽のフレームに直接取り付けることができ、水槽周りの空間を広く使えます。
こんな感じに取り付けてみました。
リーフグローに比べると若干暗く、白みが強い感じがしますが、コケを出にくくすることを考えるとこのくらいがちょうどいいのかもしれません。公式サイトの使用例でもこのグラステリア200Hに取り付けている例があったので、間違いはないのかなと思います。
リーフグローは、新しく立ち上げる予定のボトルアクアリウムに使おうと思います。
水替えのたびにコケブロック
ここから先は4週間くらい、週に2回水替えを行い、そのたびにテトラの「コケブロック」を「対策時」の量入れていきます。
コケ抑制剤はいろいろありますが、この水槽にはエビがいるためこの商品一択でした。
これを定期的に水槽に入れ、茶ゴケが変化するか様子を見ていきます。
規定では4週間ごとに予防量を入れるのですが、調べていくうちに水替えのたびに対策量を入れる対処法もあると知ったので、このやり方に則ることにしました。
茶ゴケは立ち上げ初期時に発生しやすいため、早めにバクテリアを定着させるため、バクテリア剤も水替えのたびに入れていきます。私はGEXのcycle高濃度バクテリアを使用しています。
リニューアル2週目
水草の植え替え・新しい水草の追加
2週目に入った水槽はこんな感じ。
少々トリミングと差し戻しをしたこともありますが、目に見える茶ゴケは明らかに減っています。集中的に水替え&コケブロックすることは効果があるようです。
ここから、水草の植え替えと新しい水草を植えていきます。
今回水草も新しくすることにした理由は、「侘び草」の培地に施されている肥料がコケの養分となってしまいコケが大繁殖するという事例をネットで見たからです。
侘び草は早く根張りし生物ろ過がまわるというメリットがあるそうですが、この水槽の場合は土台の施肥が裏目に出て、生物ろ過が回るまえにコケの養分となってしまったようなのです。思えばコケが爆発的に増えたのは侘び草の導入後でした。
今回は侘び草からトリミングした水草の差し戻しと、新たに購入した水草の植栽を行いました。
この状態で、水替えとコケブロック、バクテリアを入れて、もう2週間ほど様子を見ます。
そして、この水槽だけでは全部は植えきれなかったので、新しく立ち上げるボトルアクアリウムにも植栽しました。
「ボトルアクアリウム用」の水草を選んだ理由
今回新しく植えるために選んだ水草は、SONOアクアプランツファーム様で販売されている水草セット。
本来はボトルアクアリウム用の水草セットです。
このセットを選んだ理由は、水流のあるフィルターを使用しているため、なるべく水中のCO2が逃げても問題なく育つ水草がほしかったからです。
この水槽では酸欠を防ぐためになるべくフィルターを稼働させておきたく、でも水草は育てたい…
そんなときに、エアレーションやフィルターがあるとCO2の要求が多い水草は育てにくいですが、このセットは添加がなくても育ちやすい水草を多く入れてくれているので、フィルターを稼働させつつ水草育成も楽しみたい私にはピッタリだと思いました。
また、施肥なしでもグングン根張りするという謳い文句だったので、水草に養分を吸収してもらって、コケに回る養分を減らしたいという目的にもマッチします。
リニューアル3週目
水草が根張りしてきた
水草の植栽をおこなってから約1週間。
曲がっていた有茎草もまっすぐに伸び、かなり水草水槽らしくなってきました。
(2週目の写真と見比べていただくと、違いがわかると思います)
時期として朝晩が冷え込むのでヒーターを付けていますが、そのおかげもあってか発根も確認でき、順調に水槽を育てられている気がします。
ただ、フィルターをしていてもまだ環境安定の途上なのか、ときどきエビが落ちるのが悩みどころです。元気な個体は元気なのですが…
いなくなって苔取り生体がいなくなってしまうのも困るので、先日数匹追加で水合わせをして入れました。
エビが落ちるのは脱皮不全?
小型水槽で、水草の生育がいまのところ順調でも時々エビが落ちることに頭を悩ませていましたが、あるとき手掛かりになりそうな決定的場面を目撃しました。
一部だけ脱げた脱皮殻のそばで、横たわり足をジタバタさせているエビを一匹見つけたのです。
脱皮を人間が手伝うことはできないので、見守るしかありませんでした。
脱皮不全は、カルシウムなどの栄養不足で起こるとされています。いつも魚のエサやりと一緒にヌマエビ専用のエサも与えていたのですが、コケ抑制剤のためもあるのかコケもあまりなく、食べ物がそのエサかウィローモスだけしかない状況だったのかもしれません。しばらくはエビにエサを与える頻度を増やして様子を見てみたいと思います。
リニューアル4週目
外掛けフィルター内部を掃除
4週目に入り、外掛けフィルターのろ材を交換したのですが、ここでどうやら流量が少なくなっていることに気づきました。
なのでリニューアルし外掛け式フィルターを導入してから初めてのフィルター掃除を実施。
専用ブラシを使って詰まった汚れを落としました。
掃除前の流量はこんな感じでしたが…
掃除して水流が復活!水音も再び聞こえるようになりました。
諦めかけていた稚エビを発見…!
そして水替えをしていたとあるとき、じつはこの超小型水槽で稚エビを発見したのです…!
このまま同居するアカヒレに食べられず生き延びていけるかは定かではありませんが、繁殖ができる環境が整ってきたとわかったとことはとても嬉しいことです。
リニューアルを終えて
水槽の環境がだいぶ安定してきたので、これをもって茶ゴケだらけの超小型水槽リニューアルは完了とします。
今後はこの環境を維持してけるよう、水替えやフィルターのメンテナンスを定期的に行っていきます。
今後の課題は、水草の維持とエビの生存率のアップです。
水草は水流もあるのかどうしてもある程度抜けてしまい、フィルターがあるので生物ろ過は問題ないかと思いますが、ガス交換不足の生育の鈍りとエビの隠れ家の減少が懸念です。水草を追加で植えるか、隠れ家としてなら人工プランツで補うことも検討中です。
また、エビが多く落ちた関係で現在メスのミナミヌマエビが見当たらないため、稚エビがうまく成長しなかった場合はメスを追加することも考えています。水槽の状態を観ながら、臨機応変に対応していきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
私の経験が、超小型水槽にチャレンジしている人のヒントになったり、アクアリウムに挑戦する人の手助けになれれば嬉しいです。