③金融資産運用 自己資本当期順利益率、PER、PBR、サステナブル成長率、配当性向 インタレストがバレッジレシオ 配当性向 ROA 投資の基本 FP1級応用第2問
◎自己資本当期純利益率(ROE)
FP1級2021/1問55
会社が自己資本を使って、どれだけ効率的に利益をあげたのかを見る投資指標。
ROE:Return on Equity→自己資本
(1)ROE=当期純利益/自己資本(純資産−新株予約権−非支配株主持分)×100
(2)2指標分解⇒PBR,PERの2指標に分解
PBR×1/PER
=株価/1株当たり純資産(自己資本)
×1株当たり純利益/株価
PBR:株価純資産倍率
(Price to Book-value Ratio)
⇒株価が1株当たり純資産の何倍か
⇒企業の解散価値の何倍まで買われているかを見る指標
=株価/1株当たり純資産(自己資本)
PER:株価収益率(Price to Earnings Ratio)
⇒株価が1株当たり利益の何倍まで買われているか。
=株価/1株当たり純利益(EPS)
(3)3指標分解
①売上高当期純利益率
=当期純利益/売上高×100
②使用総資本回転率
=売上高/総資産×100
③財務レバレッジ
=総資産/自己資本=1/自己資本比率
ROE=①×②×③
=当期純利益/売上高×売上高/総資産×総資産×自己資本
◎サステナブル成長率
:理論上の成長率(企業が安定的な成長をする場合に達成できる)
→企業が内部留保した資金を事業に再投資することによって、どれだけ安定的に成長できるかを見る指標。
=ROE×内部留保(再投資率)
=ROE×(1−配当性向)
FP1級2021/1問21
FP1級2020/1問20
FP1級2019/1問19
◎配当性向
:税引き後利益(純利益)のうち、どれだけの配当金を支払ったかの割合
→企業が株主に対してとのくらい利益を還元しているかを示す指標。
→利益をいくら配当に回したか
=配当金総額/当期純利益
◎インタレストカバレッジレシオ
=企業の借入金の利息の支払余力を測る指標
計算式
(営業利益+受取利息・配当金+有価証券利息)=(事業利益)
÷
(支払利息・割引料+社債利息)
因みに
営業利益(他人資本に対して支払う金融資産を控除する前の利益)+金融収益(受取利息・配当金、有価証券利息)
=
事業利益
◎使用総資本事業利益率
:企業が所有している財産である総資産を使って、どれだけ利益を上げられているかを示す指標。
これが高いと、資産を効率的に使って利益を上げる経営が行われていると判断される。
計算式
=営業利益+受取利息・配当金+有価証券利息(事業利益)
÷
総資本(総資産)
×100
2019/5問55,2018/9問55
◎配当性向
:税引き後利益(純利益)のうち、どれだけの配当金を支払ったかの割合
→企業が株主に対してとのくらい利益を還元しているかを示す指標。
→利益をいくら配当に回したか
=配当金総額/当期純利益
FP級2021/1問20
下記の〈財務指標〉から算出されるサスティナブル成長率として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
〈財務指標〉
売上高純利益率 :5.25%
使用総資本回転率:1.20回
自己資本比率 :40.00%
配当性向 :25.00%
1) 3.94%
2) 8.20%
3) 11.81%
4) 15.75%
解答解説
A.(3)
ROE×(1-配当性向)
ROE
=自己資本当期純利益率
=当期純利益率/自己資本
=売上高純利益率×使用総資本回転率×1/自己資本比率
(当期純利益/売上高×売上高/総資本×総資本/自己資本)
=5.25%×1.2回×1/40%
=15.75
15.75×(1−25%)
=11.8125
FP1級2020/1問54
W社・X社の財務データ等 (単位:百万円)
《設例》の〈W社・X社の財務データ等〉に基づき、Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄(1)~(8)に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
I 「 W社とX社を自己資本当期純利益率で比較すると、W社の値が( 1 )%、X社の値が□□□%であり、W社の値のほうが上回っています。この自己資本当期純利益率について、売上高当期純利益率、使用総資本回転率、( 2 )の3指標に分解して、その要因分析を行うと、W社の使用総資本回転率は( 3 )回、( 2 )は( 4 )倍で、いずれもX社の値を上回っており、W社のほうが資本効率性が高いと評価することができます」
II 「 W社とX社を財務的な安定性を測る指標であるインタレスト・カバレッジ・レシオで比較すると、W社の値が□□□倍、X社の値が( 5 )倍であり、X社のほうが財務的な余裕があるといえます」
III 「 W社とX社を代表的な投資指標であるPERとPBRで比較すると、W社のPERは( 6 )倍、PBRは( 7 )倍で、いずれもX社の値を上回っており、W社株式のほうが相対的に割高であるといえます。また、配当性向で比較すると、W社の値が( 8 )%、X社の値が□□□%であり、W社のほうが株主への利益還元の度合いが高いといえます」
解答解説
(1)9.26(%)
(2)財務レバレッジ
(3)0.66(回)
(4)5.03(倍)
(5)9.83(倍)
(6)32.00(倍)
(7)2.80(倍)
(8)27.14(%)
(1)
自己資本当期純利益率(ROE)
=当期純利益/自己資本×100
自己資本=純資産−非支配株主持分(少数株主持分、被支配株主持分)−新株予約権を差し引いたものです。
W社の自己資本=400,000-22,000=378,000
X社の自己資本=400,000-14,000=386,000
W社の自己資本当期純利益率=35,000÷378,000×100=9.259…→9.26%
X社の自己資本当期純利益率=32,000÷386,000×100=8.290…→8.29%
(2)
ROEの3指標分解
売上高当期純利益率
使用総資本回転率
財務レバレッジ
使用総資本回転率=売上高/総資本
財務レバレッジ=総資本/自己資本
(3)
W社の使用総資本回転率=1,250,000÷1,900,000=0.657…→0.66回
X社の総資本回転率=520,000÷1,300,000=0.40回
(4)
W社の財務レバレッジ=1,900,000÷(400,000-22,000)=5.026…→5.03倍
X社の財務レバレッジ=1,300,000÷(400,000-14,000)=3.367…→3.37倍
総資本回転率と財務レバレッジではW社が上回っています。
(5)
II インタレスト・カバレッジ・レシオ
事業利益÷金融費用
(営業利益+受取利息・配当金)/支払利息・割引料)
W社の事業利益=68,000+500+1,000=69,500、金融費用=8,000
W社のインタレスト・カバレッジ・レシオ=69,500÷8,000=8.687…倍 ⇒ 8.69倍
X社の事業利益=55,000+200+1,800=57,000、金融費用=5,800
W社のインタレスト・カバレッジ・レシオ=69,500÷8,000=8.687…倍 ⇒ 8.69倍(小数点以下第3位四捨五入)
X社のインタレスト・カバレッジ・レシオ=57,000÷5,800=9.827…倍 ⇒ 9.83倍
インタレスト・カバレッジ・レシオではX社がW社を上回っており、財務的な余裕がある。
(6)(7)
III PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)をそれぞれ計算式に表すと、以下の通りです。
PER=株価/1株当たり当期純利益=株価/(当期純利益/発行済株式総数)
PBR=株価/1株当たり純資産額=株価/(自己資本/発行済株式総数)
W社のPER=5,600円/(35,000/200)=32倍
X社のPER=2,500円/(32,000/320)=25倍
W社のPBR=5,600円/{(400,000-22,000)/200}=2.962…→2.96倍X社のPBR=2,500円/{(400,000-14,000)/320}=2.072…→2.07倍
PER・PBRともに、W社のほうがX社を上回っており、割高。
(8)
配当性向=配当金支払額÷当期純利益×100(%)W社の配当性向=9,500÷35,000×100(%)
=27.142…→27.14%
X社の配当性向=7,600÷32,000×100(%)
=23.75%
従って、配当性向ではW社がX社を上回っており、株主への利益還元の度合いが高い。
問55
《設例》の〈W社・X社の財務データ等〉に基づき、X社の使用総資本事業利益率を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること
解答解説
(55,000+200+1,800)÷1,300,000
=4.384…%
⇒ 4.38%
A.4.38%
計算式
使用総資本事業利益率=事業利益÷総資産×100
(事業利益=営業利益+受取利息・配当金)
X社の事業利益=55,000+200+1,800=57,000
総資産=1,300,000
∴使用総資本事業利益率=57,000÷1,300,000×100=4.384…%
⇒ 4.38%
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