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③金融資産運用 ポートフォリオ 標準偏差 FP1級 投資

◎2資産ポートフォリオの標準偏差

ポートフォリオとは
金融商品の組み合わせのこと。特に具体的な運用商品の詳細な組み合わせを指す。
(大まかな資産配分はアセットアロケーション)
「ポートフォリオを組む」ということは、どのような投資信託を購入しようか、株はどの銘柄で何株ほど持つか、などの検討をするという意味。

ポートフォリオのリスクには
①アンシステマティックリスク(非市場リスク)
②システマティックリスク(市場リスク)
:β(ベータ)値
個別株価と市場の連動性を示す指標
市場ポートフォリオの収益率が1%変化したとき、
個別証券の収益率が何%変化したかを表す

・トレイナーの測度


超過収益率をポートフォリオのリスクであるβ(ベータ)で除して、リスク1単位当たりの超過収益率を算出するもの。
トレイナーの測度=(ポートフォリオの収益率-安全資産利子率)÷β

・インフォメーション・レシオ(情報比)

:ベンチマークに対するポートフォリオの超過収益率をトラッキングエラー(ベンチマークのリスクに対するポートフォリオのリスクのかい離)で除して算出。
(リスクに見合った超過リターンが得られたかを検証できるため、主にアクティブ・ファンドの運用成績を測る場合に用いられる(数値が大きいほど超過収益が大きい)。)。


◯資本資産評価モデル(CAPM)


:市場が均衡していれば、リスクを負った分、それに見合うリターンを得られることを明らかにした理論。
数式
ポートフォリオの期待収益率=安全資産利子率+(市場全体の期待収益率-安全資産利子率)×β


・ジェンセンのアルファ(ジェンセンの測度)


CAPMで算出される超過収益率を上回った部分(アルファ(α))を測るもの。で、市場で形成される証券価格の歪みを表す尺度として利用される。
ジェンセンのアルファ=ポートフォリオの収益率-(安全資産利子率+β×(市場全体の収益率-安全資産利子率))

標準偏差

データの「ばらつき」を表す値=リスク

=分散の平方根

分散=[生起確率×{(各シナリオの収益率-ポートフォリオの期待収益率)の2乗}]の総和

(ABの標準偏差)2
=(Aの標準偏差×Aの投資比率)2
+(Bの標準偏差×Bの投資比率)2
+2×Aの投資比率×Bの投資比率×Aの標準偏差×Bの標準偏差×相関係数

※相関係数
=AとBの共分散/Aの標準偏差×Bの標準偏差

FP1級2021/1問56②


YファンドとZファンドをそれぞれ6:4の割合で購入した場合のポートフォリオの標準偏差
(YとZの標準偏差)2
=(4.5×0.6)2+(8.5×0.4)2+2×4.5×0.6×8.5×0.4
×△0.5=9.67
√9.67=3.11%


FP1級2020/1問56②

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《設例》の〈Yファンド・Zファンドの予想収益率〉に基づいて、YファンドとZファンドをそれぞれ6:4の割合で購入した場合の①ポートフォリオの期待収益率と②ポートフォリオの標準偏差を、それぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。

解答解説

①そのまま計算

0.4×(0.6×15%+0.4×△5%)
+0.4×(0.6×10%+0.4×15%)
+0.2×(0.6×△5%+0.4×10%)
=7.80%

A.7.80(%)


②標準偏差
標準偏差=「分散」の平方根
∴まず分散を求める。
分散=[生起確率×{(各シナリオの収益率-ポートフォリオの期待収益率)の2乗}]の総和

まず各シナリオの収益率は、
シナリオ1の収益率=15%×0.6+(-5%)×0.4=7%
シナリオ2の収益率=10%×0.6+15%×0.4=12%
シナリオ3の収益率=(-5%)×0.6+10%×0.4=1%

分散=0.4×(7%-7.80%)2+0.4×(12%-7.80%)2+0.2×(1%-7.80%)2
  =0.256+7.056+9.248=16.56
分散16.56の平方根=4.069…→ 4.07%

A.4.07(%)

FP1級2019/9㉒

国内ポートフォリオ運用におけるパフォーマンス評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 資本資産評価モデル(CAPM)におけるβ(ベータ)値は、市場全体に対するポートフォリオのアンシステマティック・リスクを測定した値である。

2) トレイナーの測度は、資本資産評価モデル(CAPM)により算出される収益率に対するポートフォリオの超過収益率により、ポートフォリオの運用成果を評価する手法である。

3) ジェンセンの測度は、安全資産の収益率に対するポートフォリオの超過収益率をポートフォリオの標準偏差で除したものにより、ポートフォリオの運用成果を評価する手法である。

4) インフォメーション・レシオ(情報比)は、ベンチマークの収益率に対するポートフォリオの超過収益率をトラッキングエラー(超過収益率の標準偏差)で除したものにより、ポートフォリオの運用成果を評価する手法である。

解答解説

A.4

(1)❌
やらない
ポートフォリオのリスクにはアンシステマティックリスク(非市場リスク)とシステマティックリスク(市場リスク)がありますが、β(ベータ)値は市場ポートフォリオの収益率が1%変化したとき、個別証券の収益率が何%変化したかを表しており、個別株価と市場の連動性を示す、システマティックリスクの指標です。
なお、最適ポートフォリオを組んだとしても、システマティックリスク(市場リスク)をゼロには出来ません。つまり、ほぼ全ての証券に影響を及ぼすような価格変動要因については、分散投資でも消去できないわけです。
※資本資産評価モデル(CAPM)とは、市場が均衡していれば、リスクを負った分、それに見合うリターンを得られることを明らかにした理論で、数式は以下の通りです。
ポートフォリオの期待収益率=安全資産利子率+(市場全体の期待収益率-安全資産利子率)×β


2) ❌★★★
トレイナーの測度は、超過収益率をポートフォリオのリスクであるβ(ベータ)で除して、リスク1単位当たりの超過収益率を算出するものです。
トレイナーの測度=(ポートフォリオの収益率-安全資産利子率)÷β
問題文の、CAPM(資本資産評価モデル)で算出される超過収益率を上回った部分(アルファ(α))を測るのは、ジェンセンのアルファ(ジェンセンの測度)で、市場で形成される証券価格の歪みを表す尺度として利用。
ジェンセンのアルファ=ポートフォリオの収益率-(安全資産利子率+β×(市場全体の収益率-安全資産利子率))

3) ❌★★★
ジェンセンのアルファ(ジェンセンの測度)は、CAPM(資本資産評価モデル)で算出される超過収益率を上回った部分(アルファ(α))を測るもので、市場で形成される証券価格の歪みを表す尺度として利用される。
ジェンセンのアルファ=ポートフォリオの収益率-(安全資産利子率+β×(市場全体の収益率-安全資産利子率))
問題文の、安全資産の収益率に対するポートフォリオの超過収益率をポートフォリオの標準偏差で除して算出するのは、シャープ・レシオ。
シャープ・レシオは、標準偏差で測ったリスク1単位に対して、超過収益率がどれだけあったかを示すもの。
シャープ・レシオ=(ポートフォリオの収益率-安全資産利子率)÷標準偏差

4) ⭕★★★
インフォメーション・レシオ(情報比)は、ベンチマークに対するポートフォリオの超過収益率をトラッキングエラー(ベンチマークのリスクに対するポートフォリオのリスクのかい離)で除して算出。
(リスクに見合った超過リターンが得られたかを検証できるため、主にアクティブ・ファンドの運用成績を測る場合に用いられる(数値が大きいほど超過収益が大きい)。)。


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