ミカン花付きの良し悪し
桜が散って1ヶ月ほど経つと、ミカンの花が咲き始めます。
ちょうど、ゴールデンウィークが見頃です。
ミカン畑に入ると、花の香りが漂います。
青空の下でミカンの花付きを見回ります。
これがミカン栽培で最も楽しい作業です。
なぜなら、木の健康状態や剪定への反応がわかり、今年の作柄を予測できるからです。
花付きの良いミカンの木
花付きの良いミカンは花と新芽の両方が着いた木です。
花と新芽の両方がある木がいいミカンの木です。
ミカン栽培では花と葉のバランスが大切なのです。
ミカンは2年目の枝に結実します。
今年花が付いている枝は前年の新芽(または未結果枝)だったものです。
花が多く付いた翌年は新芽ばかりになり、逆に新芽が多く付いた翌年は花ばかりになります。
このように、果実が多い年とその翌年は少ないという現象を1年おきに繰り返す現象を「隔年結果」といいます。
隔年結果をいかに避けるかがミカン農家の課題なのです。
花が付き過ぎたミカンの木
花がびっしりで観賞にはいいのですが、いい果実にはなりません。
このような木には小粒の果実がたくさんなります。
当たり前ですが、1つの果実を収穫するのに、1回はハサミを入れます。
花が多すぎる木では小粒ミカンのため、ハサミを入れた回数は多くても収穫された果実はなかなかコンテナに貯まりません。
小粒な上に収穫労力もかかるのです。
花が付いていないミカンの木
前年に花が付き過ぎると翌年は新芽ばかりで花がほとんど付きません。
わずかに付いた花は過剰に成長し、拳くらいの巨大な果実になります。
巨大な果実は皮が厚く、味もボケてしまいます。
ミカンの果実は小さ過ぎても、大き過ぎてもダメなので、いかに花の量を制御できるか。
品種や気象を考慮した上で、肥料や剪定、摘果でどのようにミカンの木が反応するのか、観察する日々が続きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?