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競争の戦略(読書感想)


書籍の情報

競争の戦略
マイケル・E・ポーター(著)
土岐坤,中辻万治,服部照夫(訳)
1982年10月15日 初版発行(翻訳書)
ダイヤモンド社

書籍の目次

Ⅰ 競争戦略のための分析技法
 1 業界の構造分析法
 2 競争の基本戦略
 3 競争業者分析のフレームワーク
 4 マーケット・シグナル
 5 競争行動
 6 買い手と供給業者に対する戦略
 7 業界内部の構造分析
 8 業界の進展・変化
Ⅱ 業界環境のタイプ別競争戦略
 9 多数乱戦業界の競争戦略
 10 先端業界の競争戦略
 11 成熟期へ移行する業界の競争戦略
 12 衰退業界の競争戦略
 13 グローバル業界の競争戦略
Ⅲ 戦略ディシジョンのタイプ
 14 垂直統合の戦略的分析
 15 キャパシティ拡大戦略
 16 新事業への参入戦略

感想

 企業の競争戦略において、「戦いに勝つことよりも、戦わずに優位なポジションをとることの方が重要」との指摘に学びがありました。どうしても戦うべき時以外、戦わなくて済むことを考えるのが、戦略の要諦だと思います。

参考になった箇所の引用

87ページ
競争業者の目標の分析は、決定的に重要である。その理由は、相手の目標達成能力に脅威を与え、それが原因で激しい戦いを引き起こすような戦略の採用を回避するのに役立つからである。

102ページ
ある企業が取った行動に対し、必ず競争相手が対抗行動を取るものと仮定すると、戦略上での問題点は自社にとって最も有利な競争分野はどこかということになる。最も有利な競争分野とは、競争相手の体制が整っていなかったり、戦おうという熱意が欠けていて、競争を極力避けているようなマーケット・セグメント、ないしは戦略領域のことである。(中略)
理想を言えば、競争業者が現在の状況のまま1歩も動かず、何の反応も起こさないような戦略が望ましい。

272ページ
多数乱戦制圧の基本的な方法は、まず多数乱戦の根本原因は取り除けないと認めるところから始まる。そして、どうしても多数乱戦が避けられない面の、経営に及ぼす影響を断ち切る戦略を取り、シェアが増せば有利となる面の効果だけを出すわけである。

276ページ
低コスト、製品差別化、集中、の3つの基本戦略を多数乱戦業界という得意の状況に当てはめ、検討することである。どの方法も、目指すところは、独特の性質を持ったこの業界の競争に最もうまく合うよう、自社の戦略姿勢を改めるか、あるいはこの業界では、まず避けられない熾烈な競争をうまくかいくぐるか、のいずれかである。

競争の戦略


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