お父さんはね、星になったんだ。
「お父さんはね、星になったんだ。」
小さい頃、父を亡くした僕に、母がかけてくれた言葉。
それ以来、夜空を見上げたときに、
どの星がお父さんなんだろうって、星を探していた。
小さい頃、たくさんのホタルを見た。すっごい綺麗だった。
お父さんと違って、ホタルは生きていた。光り輝いていた。
母に聞いてみた。
「ねぇ、どうして僕は、星になってお父さんに会えないの?
ホタルみたいに光りながら飛び回ってみたり。。
そしたらさぁ、お父さんと会って一緒に遊べるんじゃないかなぁ。」
母は答えた。
「生きている間は星にもホタルにもなれないの。
あなたが死んだらね、お父さんにも会えるのよ。
それに、お父さんはね、いつも近くにいてくれるのよ。」
母の答えに、不満だった。
死んでいるひとだけじゃなくて、
生きているひとも、
星みたいに、ホタルみたいに、
暗闇に浮かぶ、光になれたらいいのに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?