ぼくは、君のことを何も知らない。
ぼくは、君のことを何も知らない。
どんな姿をしていたのか、どんな声をしていたのか、どんな性格で、どんな親の元に生まれ、どんな環境で育ったのか、ぼくは、何も知らない。
君は、優等生だったのかな。それとも、暴れん坊、引きこもり、いや、意外とモテモテ君?
ぼくは、君のことを何も知らない。
僕が知っているのは、君が切り刻まれて、加工されて、調理されて、僕の目の前にきれいに美味しそうに盛り付けられたその姿だけ。
なんにせよ、君の一部はもうすでに僕の中にある。ぼくは君を食べた。美