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特撮ヴィラン語り ~その400 アナザーディケイド/スウォルツ~

平成仮面ライダーシリーズの最後を締めくくった、通算20作目の「仮面ライダージオウ」。
歴代平成ライダーを模した怪人:アナザーライダーを次々と生み出し、仮面ライダーの歴史全てを書き換えようとしたのが、タイムジャッカーと呼ばれる別時空の未来人たちでした。

無邪気な少年のような風貌のウール、プライドが高く残酷な少女オーラ、そしてリーダー格のスウォルツの3人組。しかし彼らは信頼関係で結ばれた仲間というわけではなく、むしろ隙あらば互いを出し抜こうとするピリピリムードのトリオであり、特にスウォルツは他2人のことを見下す節が強めでした。
やがてスウォルツはその中で仮面ライダーディケイド/門矢士(かどやつかさ)からディケイドの力を奪い取り、最強とされるアナザーライダー:アナザーディケイドに変身して最後の敵として立ちはだかりました。

そこは主役のジオウのアナザーライダーじゃないのかって俺も思いましたよ
でもアナザージオウがさ、あんまりな扱いでスウォルツに使い捨てられちゃったもんだからさ…

さて、このアナザーディケイドは一体何が強いのか。
確かに見た目は強そうです。逞しい手足による格闘はもちろんパワフル。しかし最大の能力は何かというと、異次元から歴代ライダーの宿敵怪人たちをいくらでも呼び出せるというもの。この能力によりTVシリーズの終盤では地球上に様々な作品の怪人達がうろつき回るカオスっぷりに。
秘策によりわずかに残してあったディケイドの力で変身能力を取り戻した士は、その惨状を見て決意します――「この世界を破壊する」と。

お気づきでしょうか、ここまで主役である仮面ライダージオウの話をほとんどしていないことに

ディケイドは様々な仮面ライダー作品の並行世界を自由に行き来でき、そのチート性能もあってか「世界の破壊者」という物騒な異名を持っております。でもいいよね中二病っぽくてカッコいい。好き(何)
その力を使って生き残った人々を別の並行世界に飛ばし、ジオウの世界を見捨ててでも人々を救おうというのが「この世界を破壊する」という言葉の真意だったのです。
アナザーディケイドとなったスウォルツは、そうして歴代ライダーの並行世界をジオウの世界を中心として融合させ、自分がその頂点に立つことが目的。いつの間にやら時代を股にかけたタイムスリップモノと、並行世界を渡り歩くパラレルワールドモノがごっちゃになってまいりました
ともあれ最終、最終決戦に向けてボスクラスの怪人達を軍勢に揃えるアナザーディケイドを前に、全ての仮面ライダーの力を手にしたジオウが立ち向かう様はまさに平成仮面ライダーシリーズの集大成。一見の価値ありです。

matthew

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