見出し画像

特撮ヴィラン語り ~その375 仮面ライダーアークゼロ~

現在東映特撮ファンクラブにて制作・公開されている「仮面ライダーアウトサイダーズ」。
歴代シリーズに登場する悪の仮面ライダーが中心になった一大クロスオーバー作品で、ある意味「アベンジャーズ」などのMCUシリーズみたいな展開を見せつつあります。中にはこの作品で初めて新しいパワーアップ形態が用意されるキャラなんかもいたりして、色んな意味で先の読めないストーリーです。

そんなわけで歴代悪役キャラが集結するこの作品に登場する中で、今回取り上げたいのはこの仮面ライダーアークゼロ
元々は令和最初の作品「仮面ライダーゼロワン」に登場したヴィランで、作中で人間社会に普及している高性能アンドロイド:ヒューマギアの暴走を引き起こしている黒幕的存在でした。
何とその正体は、超高性能AIを搭載した人工知能アーク。人間の様々な悪意を学習したアークはそれを元にしてヒューマギアの大量暴走事故「デイブレイク」を引き起こし、それによって地下深くに封印されていたのです。
その残党のヒューマギアたちによって構成された「滅亡迅雷.net」というテロ組織を裏から操り、やがてアークは十分な準備が整ったことによりヒューマギアのボディを乗っ取る形で復活。新たに製造した変身ベルト:アークドライバーを使って仮面ライダーアークゼロとして実体を手に入れるのでした。

大まかな設定はこんなところですが、まず語っておきたいのはこのビジュアルですよ。大体のシルエットとしては「黒い仮面ライダーゼロワン」とも言えるんですが、ところどころ装甲がひび割れていたり、内部のケーブルやパーツが露出しているというこの歪さ。

ボロボロのメカって男の子いつまでも好きなんですよね!(力説)

しかもマスク部分のひび割れについては、敢えて狙ったのか牙の生えた悪魔の口みたいな感じで。真っ赤に見開かれた左目といいとても禍々しくて好き。
そして声を演じるのは、「BLEACH」の藍染惣右介などでお馴染み速水奨さん。低音で威厳あるイケボの持ち主として女子をきゃんきゃん言わせてしまうベテラン声優様です。悪のボスとしてこれ以上相応しい配役はないでしょう。
そう、ボスなんです。AI由縁の超高速演算能力によって相手の動きを読んでの無駄のない戦法、蓄積されたデータを元にしていくらでも武器を量産できる圧倒的な火力、はっきり言ってヤバいんです。
なのに、それなのに、

どうして「アウトサイダーズ」では毎回噛ませ犬なのか!!(涙)

毎回のエピソードで新しいパワーアップ形態を手に入れたアウトサイダーズの仮面ライダーたちの姿を見て「データにない新しい姿だと…!?」と狼狽え、その未知のパワーの前にあっさり毎回返り討ちに遭うのが定番化しちゃって、なんか「ゼロワン」の時の怖さが薄れちゃってるんですよね。
いやまあ結局「ゼロワン」でも最後まで生き残ったわけではないし、最終回はアークの力を宿した別の仮面ライダーが敵として立ちはだかりましたけども、だとしても存在感はちゃんと怖かったのに。
そろそろ1回華持たせて欲しいですね個人的には。せっかくの「アウトサイダーズ」なんだから。

matthew

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?