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特撮ヴィラン語り ~その295 アナザーオーズ/檀黎斗王~

平成仮面ライダーシリーズには様々な人気キャラがいるものですが、その中でも恐らく随一の人気を誇るキャラがいます。

仮面ライダーエグゼイド」に登場。
天才ゲームクリエイターとして会社を経営しながら、裏では人間の命を危険に晒す未知のデータウィルス:バグスターウィルスを開発し社会を大混乱に陥れた全ての元凶。
紆余曲折を経て主人公たちに協力することになったものの、自らの過去の行いを一切悔いることなく相変わらずの態度のデカさと悪辣っぷりで周りから白い目を向けられながらもまるで意に介そうとしなかったザ・悪役。

その名を檀黎斗。またの名は仮面ライダーゲンム。
エスカレートした自尊心から自らを「神」と名乗る狂気の天才です

まーホント清々しいくらいの狂気の天才っぷりでした。
演じる岩永徹也さんが演技プランを膨らませ過ぎた結果、構想当初は端正かつ怜悧な頭脳を持つ天才クリエイターだったはずの人物像が、頭のネジをダイナマイトか何かで脳ミソごと派手にブッ飛ばしたんじゃないかという狂人になり。その結果脚本の方がそれに合わせて修正を余儀なくされたというね。
変身する時に白目は剥くし、ゾンビのごとくグネグネ体をくねらせるし、高笑いがもう「ヴェハハハハハ!!」っていう音割れしたマイクみたいな感じになってるし。

もうずっと何やってるの岩永さんっていう感じでした

そんな強烈キャラの檀黎斗は後年の作品にもちらほら登場するんですが、平成最後の仮面ライダー作品「仮面ライダージオウ」ではちょっと変則的な登場の仕方をしました。
歴史を歪め平成仮面ライダーを消し去ろうと企むタイムジャッカーによって、檀黎斗は「エグゼイド」本編前の時間軸で怪人:アナザーオーズへと変貌。軽いスランプに陥っていたゲーム開発の道をあっさり断念し、肥大した自己顕示欲によって会社の運営方針を独立国家建立に強引に変更。自らを「」と名乗り世界の支配に乗り出します。

うん待ってそれ神よりもランク下がってね?
いいの?それでいいの檀黎斗?

これね、ずっと当時気になってたんですよ。
だって次々ヒット作のゲームを飛ばしまくってさ、調子こいて「やはり私は神…!」なんて言ってたんですよ。いくらスランプだっつっても「神である私に不可能などなァい!」なんつって本業のゲームクリエイターを頑張ってたんですよ。一応仕事には真面目だからさ。仕事に真面目な悪役って割と手に負えねぇなよく考えたら。
それが怪人の力を手に入れて人間辞められるわけじゃん。それこそイキって「神」を名乗ればいいじゃん。何でそこで神より下の「王」で満足しちゃったかな。アンタそんな妥協する人ちゃうやん。
ちょっとここは何か当時腑に落ちなかったところではありましたねー。

そんな檀黎斗。実は「エグゼイド」本編では人間としては死んでしまっていて、自らがバグスターウィルスと化した形で復活を遂げているんです。
そしてまあ色々あって現在は「仮面ライダーゼロワン」の世界にて高性能アンドロイド:ヒューマギアの肉体に宿る形でまたも復活。現在は悪役キャラを中心とした歴代ライダーのクロスオーバー作品「仮面ライダーアウトサイダーズ」シリーズの主要キャラとして登場しております。
現在は配信限定で公開されているシリーズですが、今後も「神」として我々が予想もつかないような存在感を発揮してくれることでしょう…

matthew

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