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特撮ヴィラン語り ~その127 宇宙格闘家グレゴール人/ニセウルトラマンダイナ~

ヒーローの偽物が出てくる目的って、まぁある程度のパターンがありますよね。

一つは、敢えてヒーローの姿で悪事を働いたり仲間たちを騙すことでその信用を台無しにしてしまおうという卑劣な作戦。
もう一つは、ヒーローと同じ能力を獲得することで単純に相手を苦戦させるというバトルメイン。
この辺がやっぱりスタンダードかなという。

ただ、時たま全然どちらにも該当しないヤツももちろんいて。
その1体がこのニセウルトラマンダイナです。もちろん登場したのは「ウルトラマンダイナ」。
ある日突然街に現れた怪獣モンスアーガー。それを迎え撃とうとしたアスカ隊員がダイナに変身しようとしたところ、なんと目の前にダイナが出現。モンスアーガーを圧倒的な格闘術で叩きのめします。
その正体は宇宙を渡り歩く格闘家のグレゴール人。実はモンスアーガーも彼が自分で呼び寄せた怪獣で、デモンストレーションとして戦いぶりを見せたのでした。
目的は2つ。敢えてダイナの姿に化けることで、本物のダイナを挑発して勝負に誘い込むこと。
そして本来の姿のままだと地球人に侵略目的だと勘違いされるだろうから、そんな無用な疑いを向けられないようにするというのもありました。

やり方がもうプロレスラーですよね
演出に力を入れてる辺り海外のプロレスが好きなのかな?

そう、全ては自らがダイナを倒すためのお膳立て。
負けん気が強いアスカ隊員が黙って無視出来るはずもなく、計画通りダイナvsニセダイナの一騎討ちが成立します。
ニセダイナは4本の巨大な剣のオブジェを突き立て、その間にリングロープのように電流を発生。即席で巨大な電流爆破マッチのリングを街のど真ん中に作ります。

やっぱりプロレス好きなんかお前は

かくして始まるダイナ同士の戦い。光線技も完全に本物をコピーしているので必殺技は互角。後は本人の格闘スキルがものを言います。
勢い重視で戦いかたが少し粗雑な本物と違ってグレゴール人は格闘家なのでそこが強い。まるでカンフーの達人のように華麗な蹴りを繰り出し、流れるような動きでダイナの攻撃をひらりひらりとかわしていきます。

ってプロレスしねえのかよ!
投げたり関節極めたりしろよそこは!

あっという間にボロボロに追いつめられるダイナ。プロレスで言えばレフェリーがカウントを入れるところでしょう。
しかしそこで街の人々は気付きます。どちらが本物のダイナなのか。強いかどうかではない、戦いながらも人々に被害が及ばないように庇ってくれていたその行動が本物の証だと。
そしてそんな人々の応援が、限界ギリギリのダイナを奮い立たせーーど根性の逆転劇が始まります。この一見古くさいような、しかし直球の熱血ドラマが「ダイナ」らしさなんですよ。とにかく熱さとノリでシンプルに楽しめるっていうね。

勝負に破れたニセダイナは、決着の果てに本来のグレゴール人の姿を人々の前に晒してしまいます。
しかし彼はそれ以上の戦意を示しはしませんでした。「人々の想いを力にして戦うことがウルトラマンの本当の強さ」だと悟ると、潔く負けを認めてダイナに降伏し、地球から立ち去ったのでした。
まぁ侵略目的ではなく、最初からただウルトラマンダイナと勝負がしたかっただけですから。そこで目的は果たしたとも言えますよね。
そういう意味では決して悪いヤツではなかったんだと思います。あくまでやり方が悪役レスラーっぽいだけでね。パフォーマンスですから。悪役レスラーだって本当に悪い人ではないじゃないですか。
あれです、スイーツ大好きな真壁刀義さんみたいなもんですよ。あんなイカツイ見た目だけど実は金属アレルギーが酷いんで、首にいつも巻いてるチェーンは本物のチェーンじゃないらしいですよ?それに結構なビビりだと「アメトーク」でもバレてるしね?

ごめんなんかずっとプロレスの話ばっかりだわ今回

matthew

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