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特撮ヴィラン語り ~その189 エスケイプ~

2022年の新スーパー戦隊は「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」。
桃太郎をモチーフにした姿は「アバターチェンジ」によって変身した姿で、SD体形や足長の非人間的シルエットなど、今までの等身大ヒーローのフォーマットをさらにはみ出したデザインにあしらわれています。

そんな「アバター」で思い出すのが、ちょうど10年前に放映されていた「特命戦隊ゴーバスターズ」。人間世界への侵攻を企む悪のデータ生命体:メサイアが率いるヴァグラスに立ち向かうサイバー戦隊の物語で、その幹部たちがまさにアバターとして人間世界に姿を現すわけなんです。
主な中心は男性幹部のエンター。厄介な知能犯で、雑魚たちがゴーバスターズにやられてもしっかり作戦のノルマは果たし成果を持ち帰るしたたかな悪役でした。
しかしメサイアはただ人間世界への侵攻を行うだけでは足らず、やがて人間たちをもっと苦しめることに喜びを見出だすようになり、その結果新たな女性幹部のアバターを誕生させます。
彼女の名はエスケイプ。エンターとは正反対に肉体派で享楽的なセクシー女戦士です。

メサイア、お前そういう性癖なのか(ヲイ)

いやしかし真面目に言ってエロカッコいい女幹部なんですよこれが。
谷間の見えるトップスの上にシースルーの袖無しコートを羽織り、デカめの二挺銃剣でスタイリッシュなアクションをぶちかます。
その銃剣には「ゴク」と「マゴク」という名前をつけてて、柄のところにぶら下げた犬のキーホルダーにキスして可愛がり。
強いヤツを見つけると「いいモノ」と呼んで戦いを楽しむ戦闘狂だけどメサイアへの忠誠心が深く、「パパ」と呼ぶセクシーなお姉さん。

メサイア、お前そういう……(2回目のドン引き)

しかしその忠誠心故に、あくまでも作戦の効率重視でメサイアの指示をたまに無視したりするエンターとは折り合いが悪くて。ゴーバスターズにメサイアが一度倒された後、そのデータの一部を取り込んだエンターがパワーアップしたのを知ると対抗するように自らのデータを改造した強化形態:エスケイプ・エボルブに進化。
あくまでもメサイアのために終始尽くそうと、メサイアのデータを取り込まずに自分が消えるリスクも承知で自力強化を果たす健気さがまたいいんですよ。エロカッコよくて従順なスタイリッシュ美女幹部。
でもメサイアにとってはあくまでも捨て駒なんで、再生復活のために吸収されちゃうんですよ最後は。

メサイアお前……!(3回目のドン引き)

最終決戦ではちゃっかり生き延びて新たなメサイアになろうとするエンターによって再生させられ、エンターを「パパ」と呼ぶようになるんですが、その末路もどこか哀れさを感じさせるもので。
エンター共々憎めない悪役キャラとして物語を引っ張ってくれた立役者だと思いますね。

matthew

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