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特撮ヴィラン語り ~その217 常磐SOUGO/仮面ライダーバールクス~

時に皆さん、Twitterでこんなセリフの画像を見たことはありませんか?

「お前らの平成って、醜くないか?」

このセリフなかなかにパワーワードだと思うんですが、何のセリフかというと平成最後の仮面ライダー「仮面ライダージオウ」の劇場版にて登場した悪役:仮面ライダーバールクスに変身する常磐SOUGOの言葉なんです。
何で下の名前英語やねんって話だけどまぁそれはちゃんと理由があります。

「ジオウ」自体が平成ライダー20作品の総まとめみたいなアニバーサリー作品なんですが、劇場版では何ともメタな話でして。
平成以降の仮面ライダーってまぁみんな世界観も設定もバラバラだし、作風も違うし、こう……悪く言ってしまうと勢いでいってる感じなんですよね。
それを嘆いた常磐SOUGOは、平成に生まれた人間や建造物、果てはそれに連なる概念を全て消し去って「平成」をリセットすることを画策
彼の正体は歴史を管理・運営する謎の監視者集団クォーツァーのリーダーであり本来の魔王。主人公である高校生:常磐ソウゴはその替え玉だったという衝撃の真相が明らかになります。

替え玉のほうがまともな名前表記なのはどういうことかな?
あとその替え玉、未来だと手がつけられないガチの恐怖の化身過ぎて多分アンタ勝てんでSOUGOさん

てかそもそも

「平成だけを消す」ってよくわからんのだが?

まぁ本当にパワーワードなヤツですが、こいつの見た目って実は平成に入って作られたものながら「平成ライダー」のくくりに入っていない「仮面ライダーBLACK RX」のオマージュでして。名前も「BLACK RX」のアナグラムなんです。
クォーツァーの部下にあたる他のライダー:ゾンジスザモナスも「平成ライダー」に分類されない平成生まれのライダー作品のオマージュなので、つまりは「平成ライダー」の座を賭けた椅子取りゲームみたいなもん。

極めつけはそのラストバトル。
巨大化したバールクスに対し、ジオウ率いる平成ライダーたちが一斉にライダーキックで突っ込み、バールクスが構えたバリアをぶち抜くと、

元号を発表する政見発表の時のあの絵面のように「平成」ボードが出来上がりという

……スタッフさん、何か変な電波受信しました?

いやあ、こんなに全力で元号をイジってくる敵って本当おかしいですよね。そもそも元号をテーマにする特撮ってのがまずおかしいけど。
「ジオウ」自体が平成最後と謳うだけあって、どうしても元号イジりを避けられない部分はあったんでしょうね。そこはもう、お祭りということで一つ(え)

さて、注目はこのバールクスーーひいてはクォーツァーを演じたのが誰かです。
彼らは平成に一世を風靡し、さらに平成最後にまたドカンと一発をぶちあげたあの超人気ダンスグループ。

EXILE TRIBE?いやいや。
ジャニーズ?いやいや。

DA PUMPですよ!!
カモンベイビーアメリカですよ!!Σb

何せISSAさんは生粋のライダーファン。
平成でも「555」や「THE FIRST」「THE NEXT」といった様々なライダー作品の主題歌を担当し、「ジオウ」でも主題歌を歌うということで非常に縁深い方なんです。
この映画では他のメンバーもなんと名前そのままでクォーツァーメンバーとして役者デビュー。「USA」からの再ブレイクで波に乗りまくりの勢いを象徴するようで、映画ではDA PUMPとして主題歌「P.A.R.T.Y. ~ユニバーサル・フェスティバル~」も担当。
おかげで歌番組でDA PUMPがこの曲を歌う度に、最初に書いたあのセリフと画像がTwitterを席巻し、「今は令和じゃなく平成○○年です」と特撮ヲタたちは声を揃えるようになりました。

……多分醜いのは平成じゃなくて我々特ヲタの性分なんだと思いますマジでごめんなさいorz

matthew


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