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特撮ヴィラン語り ~その6 エンター~

戦隊シリーズで悪役幹部を女性が演じる時は顔出しになるパターンが多いんだけど、男性幹部で顔出しって知る限りあんまりいないんです。
その中でも個人的にすごく印象的なのが、2012年放映の「特命戦隊ゴーバスターズ」に登場したエンター。

近未来のスパイアクションをイメージしたこの作品での敵は、電脳生命体ヴァグラス。
自我に目覚めたコンピュータープログラム「メサイア」が産み出した存在で、そのメサイアが活動するための実際の肉体を用意しようというのが主な行動目的です。

まるで「マトリックス」におけるエージェントスミスのように神出鬼没に現れるエンター。
こいつがね、めちゃくちゃ有能なんですよ。
普通ヒーロー物って悪役の作戦は大体失敗して、大ボスとかに叱咤されるイメージじゃないですか一般的なイメージでは。

しかしこいつの作戦大体うまく行くんですよ。

怪人をけしかけて時間稼ぎしてる間に、ちゃっかりメサイア復活のためのエネルギーを大量ゲットしたり。
新型ロボのデータを奪ってそれをコピーしたロボを完成させたり。めちゃくちゃ知能犯。
それをクールにこなすんですよまた。「サヴァ?(ご機嫌よう)」とか「トレビアン(素晴らしい)」とかフランス語混じりの慇懃な物腰でね。

なのにメサイアがめっちゃ短気で気性荒いから全然評価されないの。
何このかわいそうな中間管理職イケメン。

しかし、なんとそのメサイア一回中盤で負けるんですよ。
ボスが一度敗退するってなかなかないパターンなんだけど、それをきっかけにエンターはどんどん前線に出るようになって、メサイア復活を目指しながらもゴーバスターズ相手に色んな罠を張って直接挑む機会が増えるんです。
その中でメサイアのデータの一部を取り込んで、エンターユナイトという強化形態になったり、やがては敵であるゴーバスターズの能力までコピーして、ダークバスターという悪の最強戦士にまで強化を果たすという。

基本的に最後までほとんど失敗がない、最強の敵キャラ。
それも能力的な強さよりはひたすらに頭の良さで暗躍するタイプ。
宿敵として申し分のない役割でしたねこいつは……

matthew

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