【当方見聞録】福島の薄皮饅頭とゴディバ~気の利いた手土産問題~
福島県まで、温泉に入りに行ってきた。
温泉といえば温泉まんじゅうだが、福島の場合温泉に限らず、福島といえば薄皮まんじゅうである。
柏屋の薄皮まんじゅうは福島県内の大抵のところで買え、安くておいしいお土産のド定番。
その昔、お世話になった福島の会社の人がなにかにつけて薄皮まんじゅうを持ってきてくれて、「ちょっとした心遣い」の代名詞のようになっている、私にとっての柏屋薄皮まんじゅう。
気の利いた手土産って、本当に難しい。受け手によってとらえ方が全然違う。
先日友人夫妻のお宅にお呼ばれして、手料理をごちそうになった。この夫婦はお金をかけて無駄に高いものとか、ブランドとかにまったく興味がないので、家で豆挽いて淹れたコーヒーをゼラチンで固めたコーヒーゼリー(生クリームかけて食べると超うまい)を持っていったら、すこぶる好評だった。
これは、手土産セレクト成功例。しかし逆に大失敗することも。
ずいぶん昔に、彼氏の実家(地方)に遊びに行くことになった時のこと。彼のお母さんは結構なブランドもの好き、しかもチョコレートが大好きだったので、これは気合を入れて選ばなければ、、、と、悩みに悩み、当時日本にできたばかりで、かつとってもおいしい!と個人的に感動していたピエール・マルコリーニのチョコに決め、銀座の店まで買い出しに行って満を持して決行。
しかし、「チョコ大好きなのありがと」程度のレスポンスしか返ってこない。
半年後、またお邪魔する機会がやってきた。本来ならばリベンジに燃えるべき絶好の機会、時間がなくてその辺のデパートでお土産を調達せねばならず、仕方なくゴディバに。東京在住のチョコ好きなんだから、ちょっとは新しいネタ持って来いよ!っていう心の声が既に聞こえる・・・なんて覚悟しながら満を持さず決行。
しかし、「ゴディバ!超嬉しいッ!しかもこんなにたくさんっ!きゃあ~!食べたくてもなかなか食べれないもんほんと嬉しい~!ありがとうっ♡気が利くー!ほんとあなたっていい子♡アッお父さん!そんなにむしゃむしゃ食べちゃダメよっ!もっと大事に△※■〇✖△※…」程度に激アツレスポンスが返ってきた。
ピエール・マルコリーニとゴディバ…そんなに激烈に味が違うのか?いや、違ったのはおそらく、日本の地方都市における知名度。
私は彼女のチョコ好き&ブランド好きの認識を誤っていたのだ。特にブランド部分。
彼女にとってブランドとは、ついてると安心する品質保証マークみたいなもんだったのだ。
ピエールっていう知らないギリシャ人がどんなに美味しいチョコ作ってもゴディバには勝てないのだ。
久しぶりの薄皮まんじゅうをほおばりながら、無性にピエールマルコリーニのパフェが食べたくなる、月曜日の夜更け。
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