伊予の文学同好会
活動の議事録です。 不定期にまとめています。
概要 日時 2023年9月24日 参加者 3名 内容 ブックトーク(最近の読書についてのフリートーク) ラディカリズム研究会さん 「ウクライナ戦争」小泉悠 ☆前回の課題図書「ウクライナ戦争」について、読書会後のレジュメを作成してきてくださいました。 〈レジュメ概要〉 ○ウクライナ戦争は突然始まった戦争ではない ○開戦に至るまでの経緯 ○ウクライナの善戦 ・なぜウクライナはロシアの猛攻に持ちこたえたのか? ○この戦争をどう捉えるか? ・戦争を捉える「特徴」と「性質」
本なんか読むな!? (はじめに) 今回はショーペンハウアー『読書について』を課題図書に、読書会を行いました。「『本を読むな!』といっていると思ったんだけど、『でも、そういうあなたは相当本を読まれてますよね…?』とおもって衝撃だった!」という感想から始まった今回の読書会。読書とは何か、その意義とは何か?をお互いに掘り下げていきました。随時更新、という形をとって議事録をまとめていきます。ご意見、ご感想お待ちしております。 読むとはどういうことか? 「読書とはコミュニケーショ
隆慶一郎作『一夢庵風流記』は、漫画『花の慶次』の原作で、グッとくる言葉がたくさんあるのだが、なかでも「虎や狼が日々錬磨などするかね」という台詞は私の大のお気に入りである。慶次の大胆不敵さに対して、というよりは、なんだか万物の理をあまりに簡単にネタ晴らしされてしまったような感じがして、目を丸くして笑ったのを覚えている。虎や狼は、常に生と死が迫られる虚飾の無い世界に生きているのであって、そこで鍛錬に行きつく間はない。一回爪を振り下ろす練習をする間に、彼らはその爪を獲物に振り下ろ
初めて『徒然草』を読んだ時、私は兼好という作者があまりに卑近で、触れられないとおもった。距離がある人ほど、笑顔を振りまいている。 20世紀を代表する批評家小林秀雄は、「徒然草」というエッセイの中で、兼好法師という空前絶後の批評家を見つめている。 兼好は、徒然なる儘に、徒然草を書いたのであって、徒然わぶるまゝにかいたのではないのだから、書いたところで彼の心が紛れたわけではない。紛れるどころか、目が冴え返へつて、いよいよ物が見え過ぎ、物が解り過ぎる辛さを、「怪しうこそ物狂ほし
現在、松山文学研究会では初の機関紙「識空」の制作を、複数のサークルと共同して行っています。作成の意図をnoteにまとめようか、と思ったのですが、それよりは本会が機関紙に載せる予定の拙稿を端書きとした方が良いと感じたため、宣伝の意味を込めて掲載します。もし興味を持たれた方等がいらっしゃれば連絡くださると嬉しいです。 メールアドレス matsuyamabungakudsk@gmail.com ことばの価値を探る意味『この世界で、「知っていること」と「知らないこと」のどちらが多い
第三回読書会で挙がった論点・考察をまとめます。 考察(1) グレーゴルのまなざし第三回で主に注目したのは、グレーゴルが最期を迎える際の描写です。(引用は、新潮文庫「変身×カフカ(高橋義孝訳)」に照らし合わせての記載です。) P104「…(前略) 感動と愛情とをもって家の人たちのことを思い返す。自分が消えてなくならなければならないということに対する彼自身の意見は、妹の似たような意見よりもひょっとするともっともっと強いものだったのだ。こういう空虚な、そして安らかな瞑想状態のう
5月25日現在までにフランツカフカ著の「変身」を課題図書とした読書会を三回開いています。以下、第二回に読書会で挙がった論点と考察をまとめます。 第二回 グレーゴルと他者の関係性第二回で主に注目したのは グレーゴル(虫)は他者(家族を含む)の『言葉』が理解できるが、他者(家族を含む)はグレーゴルの『言葉』を理解できない という構造です。(読書会で読んだ部分ではグレーゴル以外に出てきた人物がほとんど父・母・妹であったので、第二回で他者として捉えている対象は主に父・母・妹にな
初めに こんにちは。松山文学読書会です。最近、活動の幅を広げるためにSNS、noteを利用して活動内容を発信することにしました。正直まだこのnoteの利用の仕方もはっきりとはわかっていませんが、積極的に発信していこうと思っています。興味を持たれた方はtwitter(@cRn5TucniZ8XdX8)の方に連絡をいただけるとありがたいです。もしこのnoteの方にも連絡手段があればそちらからの連絡も待っています。(まだ詳しくわかっていないので。) 概要 本会は、昨年の十月に