見出し画像

ジュピターになりたかった幼少期、自分の名前が嫌だった


小さい頃からボーイッシュで
かっこいい女性に憧れがあった。

幼稚園生の頃セーラームーンごっこで
周りがヴィーナスやマーキュリーを取り合う中
私は絶対にジュピターが良かった。


必殺技の“シュープリームサンダー”を
“シュークリームサンダー”と大声で叫ぶ女児



ちなみに、ご想像の通り
その後登場してきたウラヌスにお熱。

はああ…かっこいい…


そして大人になってからは、
「天海祐希」がその対象。

今ももちろん素敵なのだが、
宝塚時代の写真を眺めてはため息。

恋心というよりは、私も「なりたい」。

美しすぎて言葉が出ない…


一度でいいからウラヌスや
天海祐希になって可愛い女の子を
たぶらかしてみたいものだ。

(実際のジュピターは乙女な一面もあるが
この妄想では割愛する)

私自身は心も身体も女性であり
恋愛対象も男性なのだがどうも昔から
“プレイボーイな雰囲気“に憧れる。



話を戻して…

なりたかったのはいつでも
背が高くて強くてかっこいい
パンツルックが似合う女性。

でも実際の自分は子供の頃から小柄で
背の順に並ばされると決まって一番先頭。
当時は体型も痩せっぽち。

それでいて早生まれだったこともあり、
周りにはいつも世話を焼く友人。


名前なんて「マイ」だ。

やれやれ、
なんて愛らしい名前だろう…。


かっこよさに憧れのあった
私にとって「マイ」という名前は
ややコンプレックスであった。

チアキ、アキラ、などの
カラッとした響の名前に憧れたものだ。


幸い、幼少期は実際の名前とは
関係のないあだ名で呼ばれており、
コンプレックスと対峙することもなかった。

が、高校、大学に進学するにつれ、
名前で呼ばれることも増えていった。


かっこよくありたい自分と、
その逆を行く響の名前と容姿。

自分自身のアンバランスさを
日々黙認しながら過ごした思春期。


社会人になってからも
その違和感は変わらずあった。


そんな中でも大人になるにつれ
自分の中のかっこよさの定義も
少しずつ変わってきて。

サバサバしながらもテキパキと
スマートに仕事をこなす女性に
かっこよさを感じるようになった。

アルバイトを始めたくらいから
背の高さや男っぽさに関わらず
「仕事ができる女性はかっこいい」という
価値観が私の中に根付き始めた。

ということで、
私はとにかく仕事を頑張った。



が、仕事ができない。

残念ながら、
私は要領が悪かった。


どうやら私は人の何倍も
努力しないとできないタイプだった。

学生時代から薄々気付いてはいた。


しかし、
どうしてもかっこよくなりたい。

こう、奮闘していることこそが
スマートの逆を行っているという皮肉…。


どの職種でも自宅で“こそ勉”し、
なんとか仕事のできる自分像に近付けるよう
「カッコイイ自分」にしがみついていた。


だが、
現在の職場でその限界を感じた。

努力と根性で「仕事できる感じ」を
演出できていた職場もあったのだが、
どう足掻いても苦手分野は苦手なのだと
現実を突きつけられたのであった。

分からないものは、分からない。
できないものは、できない。


絶望。


とはならず、
同時にその逆もあることを知った。


どうやら私は
息をするように接客ができるらしい。

というのも、
今まで様々な店で接客の仕事を
してきたが難しいと感じたことは
一度もなくむしろ得意であった。

自分の得意には気付きにくいものだ。


気付いたきっかけというのが、
私がこっそりとかっこいいと
憧れを抱いていた職場の方が
「どうしても接客だけは苦手だ」と
こぼしており自分の得意に気が付けた。



あんなに色んな仕事をテキパキ
完璧にこなすあの人でも
苦手なものがあったのか、と。

そして、私それ、得意。

楽しく、楽にこなせる。


雲の切れ間からの光というか、
世界が明るくなった。


それからというもの、
私は、苦手なものを苦手なものと
認めることができるようになった。

自分にとって難しいことも、
得意な人のようになれないとダメだ
と無理に思わなくなった。

と、同時に「かっこよくなりたい」と
強ばっていた心がほろほろと解けていった。


そこでようやく気が付いた。
私は良くも悪くも「ダサい」のだ。

ジュピター改め「木野まこと」ではなく、
私は「月野うさぎ」なのだ。


うさぎちゃんのファッションとお部屋はいつも可愛い


有難いことに今の職場の人は
温かく優しく人ばかり。

苦手なことはサポートしてもらい、
その分私は得意なことを率先してやる。

適材適所。役割分担。
みんな毎日元気に仕事をこなしている。


そう自覚し始めてからだろうか、
自分の名前にしっくりきた。

私はチアキでもアキラでもなく、
「マイ」なのだ。

大好きな人達から呼ばれる、
「まいちゃん」「まいさん」が
くすぐったくて嬉しい。


私はうさぎちゃんかあ…

あんな純粋で心優しいプリンセスにも
それはそれでなれる気がしないけど、

ジュピターやウラヌスから可愛がられてる
うさぎちゃん…悪くないよね。



仲良くして頂いている大好きな人達、
お一人お一人の笑顔を思い浮かべると
名前を呼ばれた瞬間を思い出す。

どれもこれも嬉しい思い出。
こんなことを思い、書いてみた。


自分の名前が好きって嬉しいね。

皆さんは自分のお名前好きですか?


※トップ画像は先日友人から頂いた
べらぼうに美味しいeaseのクッキー。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?