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NETFLIXのコンテンツ世界征服野望

最近、映像配信サービスのNETFLIXがとてもおもしろくて興味深いです。「全裸監督」とか「サンクチュアリ -聖域-」とか、これらのオリジナルコンテンツは、どうしてこれほどまでに魅力的なのでしょう!? ・・・でもここでお伝えしたいのは、作品の感想や考察ではなく、こんなにも魅力的な作品を創り出せるNETFLIXという会社のビジネスです。創造的なイノベーションでありながら、破壊的な一面も持つそのビジネス活動は、MBAのケーススタディ教材になるくらい興味深いものだと思います。

どうして魅力的なコンテンツを創れるのか? その理由は制作費用にあります。日本の地上波ドラマ制作費は1話3000万円とか言われていますが、NETFLIXの配信ドラマは1話につき1~2億円使うのが普通です。この差は、出演している俳優のギャラはもちろん、撮影クルーの人件費や舞台セットなどにはね返ってきます。地上波では予算の都合で目をつぶらざるを得なかったディテールも、NETFLIXなら予算を気にかけず丁寧な仕事ができるわけで、そうすると志のある優秀な映像クリエイターたちは、こぞってNETFLIXに流れていきますね。「今際の国のアリス」のような派手なVFXも、NETFLIX制作ならばふんだんに活用することができます。

では、どうしてこれほど多額の制作費用をかけられるのか? それはNETFLIXが世界を股にかける映像配信プラットフォームだからです。全世界のNETFLIX会員数は2億人超えと言われ、そうするとNetflixは軽く2兆円を超える規模のビジネスをしていることになります。2兆円もの売上があるのならば、コンテンツ製作費用が何百億円のオーダーとなるのも納得です。地上波放送局のように、製作費をスポンサーの広告費で賄っているようでは、もはや到底太刀打ちできませんね。。。

HuluやAmazon Prime Videoなど、ほかの映像配信プラットフォームがコンテンツ制作とは一線を引いていたのに対し、NETFLIXは早くからオリジナルコンテンツ制作にこだわってきました。このこだわりが会員数を伸ばし、その会員数がコンテンツ製作費用を媒介して、映像クリエイターたちを呼び集めました。この正のスパイラルはどこまで続くのでしょう? いまやNETFLIXはハリウッドの映画製作会社をも脅かす存在と言われています。。。

この記事を書くきっかけになった書籍とドキュメンタリー映像をご紹介します。どちらも興味深いので、よろしければどうぞ。

かつては「目指せハリウッド!」といって、国内で活躍している俳優がハリウッド映画に出演することは、世界進出に匹敵する大きな野望と言われていました。しかしこれが、「目指せNETFLIX!」に代わる日もそう遠くないのかもしれませんね。

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