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幽☆遊☆白米

皆さんは白米が好きだろうか?

僕は嫌いでもないし、好きでもないというくらいに嫌いだ

いつも夕飯でおかずを先に食べ終わってしまって、白米が残ってしまう

「おかずと一緒にお米も食べなさい」

幼少期より「勉強しなさい」と「悪いことをしたらごめんなさい」と同じくらいの頻度で言われてきた言葉だ

「わかったー」と素直に頷いていた幼少期も

「うっせーな」と無駄に切れていた反抗期も

「わかったよ、母さん、モリモリ食べるさ」と母の期待に応えようとしていた青年期も

やはり僕のご飯茶碗には6割くらいの白米が残っていた。お肉や油の油でテカテカして食品サンプルのようになった白米がいつも僕を見ていた

なぜお米を残してしまうか

お米がお米単体ではおいしくないからだ

結局のところ

なめ茸乗せると美味いよ

やわらぎメンマ乗せると死ぬほどうまい

おにぎりにすると、何で美味いんだろう

わかる。言いたいことはわかるがそれは白米がうまいんじゃない。なめ茸ご飯が美味いのと、やわらぎメンマご飯が美味いのと、おにぎりが美味いんだ

断じて白米が美味いわけじゃない

でも全部元は白米なのだ

素のままの白米なのだ

白米がなめ茸の力を借りてなめ茸ご飯になり、

白米がやわらぎメンマの力を借りてやわらぎメンマご飯になり、

白米が青菜や梅、鮭の力を借りておにぎりになった


つまり白米という奴は主人公なのだ


日本の食卓における主人公なのだ

はじめは何の力も持たない無垢な少年

それでも仲間を集めて日本の食卓の最前線に君臨し続けるその姿は、主人公そのものである

何にも染まらない白

何にでもなれる白

縁の下の力持ち

大黒柱

主人公

This is 白米。日本が世界に誇る和食の神髄である

今日も僕は先におかずを食べ終わってしまって、中途半端に残ってしまった白米を何で食べようかと冷蔵庫を物色する。お米をおいしく食べるためだけに存在する様々があふれる冷蔵庫を

やわらぎメンマ、なめ茸、梅干し、食べるラー油、ごはんですよ、ゴマ昆布、納豆、高菜、ゴマ塩……

やわらぎメンマを取り出して僕は冷蔵庫を占める

新しい箸を出して椅子に座り、テカテカの食品サンプルみたいになったご飯の上にやわらぎメンマを乗せる

瓶詰めを冷蔵庫に戻し、ただの白米改め、やわらぎメンマご飯を口いっぱいに頬張る

うまい、うますぎる

食卓の主人公にふさわしい、最高の仲間を得て、魔王を討ち滅ぼせる存在になった白米がそこにはいた


白米は白米だけではうまくもなんともない

水気が無くて食べにくい

いつも口に入れるがお茶か味噌汁がないと飲み込めない

やっぱり嫌いでもないし、好きでもないというくらいに嫌いである

でもやわらぎメンマが乗ると異常に美味い

つまり何が言いたいかというと

桃屋サイコー!

以上です


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