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【 初心者向け 】マーケティング論 Part.2 マツタケはなぜ高い?

前回はマーケティングとはなんぞやというところについて言及しました。

まとめると
「市場を理解し、そこに必要なサービスをポンと置くだけで勝手に購買活動が始まる。」状態の仕組みを作ることです。

営業がいなくても、然るべきタイミングで目にし、然るべきタイミングで意思決定し、購入してくれる状態です。

なんとも素敵な状態なんでしょうか。

そして、顧客となる人は「自ら顧客となろうとしてくださった」方々です。
つまり、自らサービスを見つけ、判断し、購入(体験)してくださった時点で初めて顧客になります。

我々が勝手に都合よく想像している顧客は顧客ではないのです。
使ってもない人を、勝手に良いように想像し顧客に仕立て上げるなんてなんてとんだ迷惑です。ここを勘違いしているマーケッターが非常に多いです。

だからこそ、これらを強く意識するだけで周りに比べて1歩も2歩も優位に進めていけます。

では早速やっていきましょう!

本日の献立はコチラ
1. マーケティングで大事な考え方
2. きのことマーケティングの関係性は?
3. やってほしいこと

1. マーケティングで大事な考え方

なるほど。仕組みを作るのか!
そして、サービスを使ってくれた人が顧客になるのか!

ん?じゃあ、マーケッターてなにをする人なの?
ってことになると思います。

マーケッターとは実は「調整をする人」です

物事に定石という物はあったとしても、世の中全く同じサービスはありません。牛丼チェーンでも「松屋」「吉野家」「なか卯」「すき家」など様々ありますよね。そういった様々なサービスに合った仕組みに調整することがあなた達の仕事です。

全く新しいものを作る必要はありません。
同じプラモデルを作っても個性は出せます。
同じ料理を作っても美味しさは違います。

ベースとなる考え方にちょっとしたエッセンスを足し引きするだけで大丈夫。一旦肩の力を抜いてみましょう。

マーケティングとは基本的にどこの会社でも1−2番めに大きい予算を持つことになります。そうすると新しいことをやらないと!であったり、お金を使うことにばかり目が行きます。

あなたの仕事はなんでしょう?
「お金をできるだけかけずに、お金を稼ぐ仕組みを作ること」です。

世の中にはお金をかけない仕組みはたくさんあります。
それをあなたの会社にフィットした形に「調整」するのです。
それだけで十分成果が出ます。

世の中全く新しいものというのはほぼ存在しないと言っていいです。

そこで本題です。
マーケティングで大事な考え方とは?

それは、マーケティングとはそもそも「失敗を前提とした仕事である」ということです。

多くの人は、マーケッターというかっこいい言葉に惹かれて、かっこよくあろう、爆発的な成果を生んでやろう、大成功してやろうと思います。
その気持ちがせっかくの目を曇らせます。

すでに何回も言っている

顧客となる人は「自ら顧客となろうとしてくださった」方々

だということ。

つまりこちらでコントロールできることは限られます。
心理学や行動経済学、マーケティング理論など、体系化されたある程度の傾向はわかりますが、時代が大きくそして早く変化していってる中で正解はないのです。

特に一昔前はバナー広告がメインでしたが、今やバナーブラインドネスという概念があります。

バナーブラインドネスとは、Webページ上に掲示されているバナー広告、もしくはバナー広告のような体裁で表示されている画像情報を、ユーザーが半ば無意識のうちに無視して閲覧するという傾向のことである。

さらにはSNSブラインドネスといった、あからさまなPRを打っているインフルエンサーは効果が出ず、衰退していってます。

つまり、その施策を「試してみて」、顧客に受け入れられたら良くなるように「調整する」、受け入れられなければ改善できるよう「調整する」、時代が変われば手法を「調整する」

ということです。

一発で上手く言ったら調整とはいいません。
仮設を立て、狙いにいって、前回とはなにが変わったのか、どういう反応があったのかを見極め、いい部分だけ残して、また仮設を立てて調整していく。※ 仮設の立て方はまた今度

そういう行動が最も必要になるのがマーケティングです。
何度もいいます。マーケッターはどれだけ失敗したのかが重要です。

失敗したときの商材、魅せ方、市場、顧客層を自分の中に蓄積することで
だんだん市場の解像度が上がってきます。
そして、ここからは調整のスピードや質が上がります。

それが経験であり、市場理解です。
そしてマーケッターは成長していきます。

少しがっかりされた方がいるかもしれませんがこれが事実です。
ぶっちゃけ予算が莫大にあればなんとでもなる部門ですw
でもお金に頼った施策は結局お金がないと続きません。

そして、マーケッターの皆様であればわかると思いますが
IMPを爆発的に伸ばしてもCTRが低ければあまり効果はありません。
すべての項目を1%改善するだけで会社には数千万の利益が残ります。

花形に見えてもすごく細かいことをしないといけないということを理解して下さい。

少し長くなりましたが、まとめると

重要なのは失敗を前提とするものだということ。
(※ 失敗を推奨してるわけではありませんが笑 )
そして、自分の役割はお客様と企業のチューナーであり、仕事は調整をすること。輝かしい成功より1%の改善です。

2. きのことマーケティングの関係性は?

今回一番話したかったのはここ。
実はキノコとマーケティングってすごく関係があるんですw

マツタケという名前でやらしてもらってますが、
国産マツタケが高い理由ご存知ですか?

マツタケは今の技術を持ってしても人工栽培できないんです。
※ 実は韓国が結構頑張っていて、とんでもない金額ぶち込んで数年前に3本作れたって騒いでましたw

なので流通しているマツタケはすべて天然です。
そして、なぜその山のその地域にしかできないのかもわかってないんですね。だから高いんです。

一回キノコについて本気で語る回を準備したいのですが、、、
また今度にしますね。

そして、実はきのこという生き物は実に謎が多く、マツタケに限らずほかのきのこでもわからないことがたくさんあります。

ちなみに、しいたけなどは「木材腐朽菌」と呼ばれていて、普通に栽培されています。

それは置いといて...
昔、株式会社雪国〇〇〇〇というきのこの会社で、きのこの製造プロセスを構築した方と一緒にお仕事することがありまして、色々学ばせていただきました。

その人はすごくて、美味しいキノコがあると効いたら湿度計や日照計を持ち出し、山に入り一日中きのこのそばにいるんです。
そして、そのキノコがどういった環境で育ち、どういう要因で美味しくなるのかを考えます。すべてのデータを取り、他の場所で生育したキノコとの違う部分を見つけ研究に活かす。

この人は、菌類を育てる施設全部枯らしたことがあるくらいハチャメチャな人です。
そこで学んだのは、環境に合わせてキノコを育てるのではなく、キノコが育つ環境をいかに作れるかということ。
そのためには市場調査をし、相手を知り、最高の環境を整えることに尽力するということ。

マーケティングも同じですよね。
人を変えることなんてできないんです。
僕たちには人や時代に合わせて環境を準備してあげることしかできません。

共に働く中で、一番印象に残っているのはあえて
「失敗をするタイミングを作る」ということです。
これは皆さん初めて聞いたと思います。
僕も衝撃的でした。

具体的に言えば
例えば室度を10度にしないといけないところをあえて11度にしてみる。
それで変化を見るんです。

そうすると

1.思っていた以上に成長することがあったり(新しい発見であり、定説を覆す可能性)
2.案外今までと同じ成長をしたり(条件緩和、打ち手が広がる)
3.想定通りに全然ダメだったり(自分の仮設の実証、確信)

この3つのどれかを得られます。

成功ばかりに目を向けるのではなく、たまには失敗すると言われていることにもあえて挑戦してみると、面白い結果が得られます。

特に水物のマーケティング業界では昨日の定石が今日の悪手になることもしばしば。

そういう調整の仕方もあるんだなと、思っていただければ幸いです。

3. やってほしいこと

さて、今回の宿題は

「どうすれば失敗できるのかを考えてみる」ということをして下さい
実際にできる立場にいる人はやってみてもらえたら面白いと思います。

今までどうすれば成功できるのかばかりでした。世の中は表裏一体とはいえ、片面ばかり見ていると視野が狭くなります。

今取り組んでるものを0にするくらいの失敗をするにはどういう手段があるでしょうか?
文中の例でいくと、CTRを1%下げるにはなにをすればいいんでしょうか?

ちなみに僕はこれをプライシングでよく使います。

あえて価格を上げて、購入者を減らすことで一人あたりの利益率を上げて、
総管理コストを下げにいくという手法です。

また希望があれば解説しますが一例までに。

是非、皆様も考えてみて下さい!

次回は、「マーケティングに必要な3つの視」についてやろうかなー