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予言と占いの使い方、合気道で考える未来との向き合い方

占いなんてやってるやつはアホ、そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

板垣恵介『バキ』より

合気道をやるようになって森羅万象から学んでいくと「占い」や「予言」は上手に使えるんだなということがわかってきた。

とは言え別にオカルトな話をしたいわけではない。
占いというのがなぜ今だに強力で、それをどんな風に利用すれば、合気道的に活かすことができるか?って話だ。

みんな大好き未来予想

人類はその性質上、あり得るかも知れない未来を想像することで進歩してきた。だから占いは大好きなのだ。日本人なら誰だっておみくじを引いたことくらいあるだろう。

ネットでたまにみかける未来予想画像

現代でもわりとデカい会社の経営者にお抱えの占い師がいるって話を小耳に挟んだりする。
アンダーアーマーの日本代理店をしていた株式会社ドームの元代表取締役、安田秀一なんかもその一人だ。

参考:YouTube日経テレ東大学【起業家の闇】資本主義の本質とは?【社長も会社辞めたくなる】

未来は予測不能

株価の値動きなんかは現在でも予測不能で、過去には猿がダーツで適当に選んだ方が当たるなんて主張の研究もある。

大規模な会社の経営みたいなものも、簡単には予想できないので、別に占い師に頼ったって変わらないのかも知れない。

むしろ本来なら何の裏づけもないものを後押ししてくれるという意味では、決断を迫られる経営者にとっての占いは有用になり得るのだろう。

先が読めないから占う

そもそも占いというのは、先が読めないからこそ行われるもので、歴史をひもといてみれば情報の少ない時代ほど占いや予言に頼っていた。

古代ギリシア、スパルタの英雄レオニダスだって予言を信じて300人で数万のペルシア軍と戦ったわけだし。

日本でも室町時代には中国から伝わった易学が最先端の学問であり、戦国時代には様々な場面でこうした学問的な占いが実践された。

とにかく不確かな要素が多い時ほど占いという選択肢が効果的になる。だって、どうせ答えなんてないんだから。

占いの捉え方

日本では古くは獣の骨に入るヒビがどんな風に入るかで未来を占うという布斗麻邇フトマニや、古事記において何らかの証明のために神を産み出す誓約うけいとかからはじまる。

しかし、こうした占いをする人物というのは読み違えると簡単に処刑されていたりするので占いや予言が絶対に当たると信じられていたかというとそうでもない。

例えば『古事記』や『日本書紀』でスサノオが身の潔白を証明するためにアマテラスと行った『誓約うけい』のエピソードでも同じような事が言える。

『古事記』と『日本書紀』ではアマテラスの持ち物が男神を産んだパターンとスサノオの持ち物が男神を産んだという2つのパターンにわかれているのだが、結果的にスサノオの潔白が証明されるというのは変わらない。

つまり古事記と日本書紀のどちらの編纂者が内容を変えたのかはわからないけれど、その時代の人にとっても占いというのは別に明確な手順があったわけでもなく、結果以外はどうとでもなるものだった。

だから正式な手順を踏めば当たるものではない。結果次第でどうとでも説明できる。それが古来からの予言なのだ。当たるも八卦当たらぬも八卦って言葉もあるしね。

未来を当てるとは?

もう一つの盲点は当たらなかった占いは忘れ去られるということだ。
過去の偉人や英雄はめちゃくちゃカッコいい断言をキメているけれど、その背後には断言してたけど失敗して消えていった数多くの事例や敗者がいる。

つまり占いや予言とは別に未来を確定させるものではなく、未来を断定したという事実を確定させるのだ。

格闘家が試合前に大口を叩くのと予言は大差ない。
要するに有言実行、言った通りの事を起こす力があるかどうかで、その人の力量への評価が高まる。

何も確定していない未来をまるで知っているかのように実現させると、他人からの評価は高まっていく。これこそが予言の真の効果なのだ。

冨樫義博『HUNTER×HUNTER』より

予言のおいしいとこ取り

例えばノストラダムスの予言はめ後からどのようにでも解釈し直すことができるように曖昧になっている。

こうしておけば何も予知していなかったとしても後から当たったことにしてしまえるのだが、別に曖昧にしなくても強引に当たったことにすることは可能だ。

仮に「明日死ぬ」と予言されて生き残っても「昨日までのあなたは死んだ」と言えばある意味では当たったことにはなるだろう。

強引だと言われるかも知れないけれど、これまでに様々な宗教がこういうやり方で信者を獲得してきたし、なんなら外したことだってある。それでも予言が効果的だったからこそ使われてきている。

つまりこのギリギリ解釈を変えられるレベルで断言していけば、後から当たったように思わせることが可能であり、これこそが未来予知のおいしい使い道だ。

予言とは断言

自信のない占い師を信じる人が少ないように、未来を断定してその通りにするというのは信頼を勝ち取る手段のひとつで、上手くいけば神に愛されているかのような印象を与えられる。

しかし、実際には未来は誰にも読めない。せいぜいいつか死ぬことくらいしかわからない。

だからこそ、自分で断言したり、相手の予言や占いを自分の都合の良いように変えてしまえばいいのだ。

藤本タツキ『チェンソーマン』より

合気道も相手の力を利用する。そのためにはどんな未来が来ても先に自分のものに変えるための入身がいる。
そして常に勝つ方を選べる場所にいること、それが合気道であり読めない未来への対処だと言えるだろう。

おまけ

などとカッコいい事を言ったはいいものの、自分自身は別に占いなんてほとんど受けたこともないので、このマインドでタロットカード占いを受けてみた。

むしろとんでもない結果がでろ!くらいの気持ちで受けて立つ。どんな結果も都合良く変えてやるぜ。

さぁかかってこいや!

占ってもらったのは「合気道との相性」と「今後どうやって仲間を増やしていけばいいか?」の二点。

結果

左側、合気道との相性は『キング』
決断力と行動力、揺るがない自信、合気道との相性は抜群。
とにかくこのまま合気道を続けていくことがおれにとっての王道なのだそうだ。おれは何も間違っていなかった。

右側、今後の方針は『ハイエロファント』
伝統と教育、指導者、今後仲間を増やす上では合気道の教えを説いて広めていくことが良いらしい。
ハイエロファントが持ってる本はたぶん『武産合気』だろう。
こちらもまったくもってその通りだし、これからもおれは色んな人にそうやって教えていくだろう。やはりおれは何も間違っていなかった。

残念(?)ながら占い師が良すぎたせいか、占いは完璧に当たってしまった。特に解釈を変更する必要すらない。

はからずも最初から勝っているという合気道開祖の理念を体現してしまった。このように都合がいいときはとことん乗っかればいいのだ。

というワケで、おれが合気道をやっていくことは運命によって定められし王道であり、これからも教皇としてみなに広め伝えていくので、そこんところよろしくな!


おわり

マツリの合気道はワシが育てたって言いたくない?