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最高の休日と・・・。

3連休の最終日。
いつも通り近くの手稲山にロードバイクでヒルクライム。
3日間で5回登った。ロードバイクに乗り始めて15年。ほぼ同じルートだけを走っている。

朝一番に走って一度家に戻ってシャワーを浴びた後、妻と家の前でカフェで朝食を食べてから2回目の手稲山へ。今日の札幌は最高気温12度、最低気温2度。今年もあと何回登れるか分からない。今日が最後かもしれない。雪がふると、来年4月まで冬眠することになる。

先月ロードバイクを乗り換えてからずっとどこかから軋み音がしていてペダル、クランク、ハンドルを外してはグリスを塗って組みなおしてもなおらない。フレームにヒビでも入っているのかなと思っていたけれど昨日ようやく原因を突き止めた。前輪のホイールのハブの部品が緩んでいてそこを締めなおしたらぴたりと軋み音がおさまった。ホイールは前のロードバイクから付け替えたのでそれが原因だと思い至らなかった。前のロードバイクはあちこちガタが来ていて軋み音がしていることさえ気が付かなかった。

異音がしないロードバイクに乗るのは本当に気持ちがいい。タイムを計らずに自分のペースで手稲山に登る。オープンイヤーのイヤホンでラジコから流れるColdplay特集を聴きながら落ち葉の中を走る。夏場はヒルクライムは暑さとの闘いなのだけれど、秋は体から発する熱を外気が冷やしてくれてちょうどいい。


ひとつ前のnoteでも書いたけれど、プロジェクトも半年を過ぎて若手が仕事で成果を上げてくれるようになってきた。若手メンバーを中心にチームとしてもまとまりつつあって雰囲気も良くなってきた。

先週末は若手の一人に技術的な質問をされて1時間ほど話をした。「一緒に聞いてもいいですか」と一番の若手も一緒に聞いてくれて3人で話をしたのだけれど、考えてみると、そういう風に若手に技術的な話をする時間を持つことも無くなっていた。社長やら役員やら支店長やら顧客のトップやら、そういう人たちへの説明に追われて、今まさに成長するために悪戦苦闘している若者たちに目が向いていなかったかもしれない。若手と技術的な話をしていると、自分の本来の仕事に立ち返ることができる。

ということで本屋に行って先週末若手に説明した内容に関連する技術書を若手の勉強用に購入。以前同じ本を持っていたはずなんだけれど誰かにあげてしまったのか、手元になくなっていた。

値段は5400円。 た、高い。まあそれで若手が成長するなら安いものだし、前の日に酔っぱらって地下鉄で寝過ごして終着駅から帰ってきたタクシー代と同じだと思えば、まあ安いものだろう。

そんな風にしていろいろなことがうまくいきそうな気がする休みの日は本当に気持ちがよい。


でも私は知っている。現実はそんな風にうまくいかないということを。

完璧に整備されたロードバイクはまたあちこちから軋み音が出始め、職場の組織からも、どこからか分からない軋み音がかすかに聞こえたかかと思えばあっという間にギシギシと仕事にならないくらいの大きな音になる。成果を上げてくれそうだと期待していた若手たちも初歩的なミスを繰り返して、そのうちのいくつかはフォローするのも大変な大きな失敗につながる。私が渡した技術書は彼らの机の片隅でほこりをかぶり、読まれた形跡もない。

・・・そんな現実を前に、私はどうすればよいのだろうか。
絶望に机に突っ伏して涙をながせばいいのか。うまく成果を上げられない若手たちを突き上げて怒鳴り散らせばいいのか。

私ができること。

私ができることは、その現実を前にして、その現実を受け入れて、我慢強く、ひとつずつ、一歩ずつ物事を前に進めることだけだ。私は今までそうやって生きてきて、そうやって働いて来た。これからもそんなやり方しかできない。

私にとって生きるということは、まあそういうことだ。
秋の日の休日に、私は理想的な世界を生きていると最高の気持ちになる。
そして、月曜日からは冬に向かう厳しい現実に直面して、それでも前を向いて一歩ずつ進む。

そんな人生を、私は心から楽しみたい。
それ以上に素晴らしい人生なんて多分ないと、私は思う。


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