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4月1日_結婚記念日と入社式

明日は4月1日。

20年前の4月1日に入籍した。ということで明日は20回目の結婚記念日だ。20回目は磁器婚式と言うらしく、陶磁器をプレゼントしようなんてホームページには書いてあるけれど、銀婚式なんかは聞くけれど、磁器婚式なんて聞いたこともなかった。どこかの焼き物が特産物の地方のプロモーションなのかなと勘ぐってしまう。一応妻に「ほしい陶磁器ありますか」と聞いたけれど「ありません」と一言。私もありません。

4月1日入籍というエープリールフール婚。エープリールフールに結婚したので結婚記念日は毎年エープリールフールだ(あたりまえ)。毎年エープリーフルールに自分が結婚記念日だと言っているので、あらぬ疑いをかけれらることもある。


結婚する2年前の2002年4月1日に、私は今の会社に入社した。
大阪の会社に就職し、まだ寒い札幌から大阪の研修寮に引っ越した。最初の年は大阪に社員が全員集まって寮に入って研修を積むという当時の価値観でもかなりのJTC。朝の7時には全員おきて寮の近くを走って近くの広場でラジオ体操をするというようななかなかの会社だった(そこで今も働いているけれど)。入社式での社長の挨拶。長々と挨拶していた内容はほとんどすべて忘れてしまったけれど、一つ強烈に覚えている言葉。それは「会社のルールを守ってください」という一言だ。

会社のルールを守れ。

経営者として当たり前の発言のような気もするし、超ブラック発言のような気もする。きっとそれは受け取る人間次第だし、時代の空気も影響するのだろう。

私はあまり褒められた社員ではないので、会社のルールを早速破り、全寮制の研修寮からはさっさと退散して近くに部屋を借りて彼女(今の妻)と暮らしていた。それは今考えればかなりリスクのある行為だと思うけれど、自分のルールと会社のルールのどちらを優先させるかは、結局のところ自分の価値観次第だ。私は法律を犯すつもりはないけれど、納得のいかないルールや会社や社会の慣習、習慣に理由もわからないままに従うつもりはない。これまでずっとそうやって生きて来たし、これからもその生き方を変えるつもりもない。

会社のルールが気に入らなければどうすればいいか。
若いころは、それに公然と批判しても誰も聞いてくれない。ただの自分勝手でわがままな言い分だといわれておわり。だから私は別に批判することもせず、ただ従わなかった。「それは違う、おかしい」と公然と言うような熱い気持ちが私にはなかったということもある。そういう性格なのだ。

そして今。
時代が大きく変わり、このままでは生き残れないのではないかという強い危機感が健全な企業であれば共有されていると思う。でもこれまでのような「会社のルールを守れ」という入社式に言われた社長の言葉を従順に守ってきた人たちは、今からこのままではだめだ、変わらないとと言われてもどうすればいいか分からない。あと10年くらいならきっと衰退しながらもなんとかなるだろうと思っている50代の社員と、このままではまずいのではと思いながらも発言力を持たない20代の若手。その断絶は想像以上に大きく、深い。

50代は逃げ切りを図るために現状維持を良しとし、優秀で先が見える若手ほどさっさと辞めていく。

でも私は思う。
さっさと辞めていった若手たちは本当に幸せになれたのだろうかと。

どこにいても世界は気に入らないことにあふれている。気に入らないから別の場所に行っても、そこにある気に入らないことにまたぶつかる。結局何も変えることができず、いつしか何が気に入らないのかもわからなくなる、もしくはすべてのことが気に入らなくなる。

私は若い人たちにはもっとクレバーに立ち回ることをお勧めする。時代はどんどん変わっていて、10年後に今の価値観とは全く違う価値観で仕事をすることになっていると私は思う。その時に自分がどういう立場でどのようなスキルをもってどこにいるのか。周りの同期の転職話やマスコミやSNSであふれかえる転職によるスキルアップの話に振り回されず、今の自分を客観的に振り返ってみることも必要だと思う。

自分のスキルは自分の時間(人生)をかけて自分で磨くしかないという当たり前の事実に向かい合うことができない人は、どこにいても何も変わらない。その残酷で救いのある事実に正面から向かい合うことができれば、5年、10年たった時に大きな力となって自分に返ってくると多くの若手を見て来た人間の実感として強く思う。

人生は一度だけ。20代もすぐに終わる。
その時間をどう使うかは自分次第。サラリーマン生活は10年なんてあっという間だけれど、その10年で残酷な程の差が付くという否定しようもない事実。


人生は時間で出来ている。
私たちは、自分の人生をかけて働いているということを忘れてはいけない。



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