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ヘトヘトになりたくて、ヘトヘトになる私。

久しぶりの土曜日の休み、そして3連休。

休みの日はいつも通り自転車に乗る。
今日は4時間自転車に乗り、距離75km、獲得標高1000m。

転勤で札幌に戻って以来15年、いつも休みの日は同じように自転車に乗っている。貴重な休みを4時間も使ってヘトヘトに疲れている。なぜそんなことをやっているのか、それはヘトヘトに疲れたいからだ。

自転車に4時間乗って、1000mの坂を登るとヘトヘトに疲れる。

ヘトヘトに疲れる。
実はそれは簡単なことではない。

先日やっていた世界陸上で田中希実選手が5000mで8位入賞を果たした。記録は14分58秒99。走り終わった後に倒れ込みしばらく動けなくなっている田中選手が印象的だった。田中選手は15分で自分の全ての力を使い果たしたということだろう。

トレーニングを積んでいない人間は、15分で自分の力を使い果たすことは絶対にできない。

先日開催された北海道マラソン。会社の知り合いも3人ほど参加して4時間前後で完走したそうだけれど、4時間かけて走るマラソンは、毎週走ることはできないし、2日続けて走るなんて到底できないそうだ。

自転車で4時間走ってヘトヘトになる。オールアウトする感覚を味わいつつ、翌日もまた4時間走ることができる。

15分でオールアウトできるほどの肉体的な強さも、4時間かけてマラソンを走ること強さもない人間としては、4時間かけてオールアウトできるロードバイクはとても良い強度だ。

自分の中のエネルギーを使い果たす感覚。
もう動けない、もうこれ以上ペダルを回せない、もう体を動かせない。サドルにも座っていたくない、今すぐ横になりたい。

そんな気持ちになるまで体を動かす。
それが私にとっては自転車で4時間かけて山を登るという行為となる。

自転車は私のようなさほど運動が得意ではなく、中距離も長距離も走れる肉体的な強さのない人間にとって理想的な運動だと思う。

自分の体の中のエネルギーをすべて使い果たす感覚。

自分のエネルギーを使い果たすと、頭の中がとてもすっきりする。
エネルギーが枯渇して、頭の中にあったはずのモヤモヤした悩みや考え事を考えられなくなるからかもしれない。

休日。何も考えらえなくなるほど、ヘトヘトに疲れて頭をすっきりさせて、またあれやこれやの日常に、私は戻っていく。


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