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20230808 祭と住人からの反発 阿波踊りと琵琶湖花火のニュースより

  今日は8月8日で琵琶湖の花火大会がある日のようです。この花火大会については,結構前にYahoo!のニュースで地元民からの反対があることが話題になっていた記憶があったので検索してみると発見しました。
 https://news.yahoo.co.jp/articles/be45b2979a2599c4c7a27f435996fba0f84ce798

  基本的に,「有料席が拡大」され,その結果「有料席に高いフェンスが建てられた」ため,地元民がみられなくなったりしたこともあり,自治連合会(中央学区自治連合会・青木正博会長)が開催に反対する決議文を主催者側に提出したとのことです。
 確かに,有料席の近くの住人にとっては,家の近くに人がいっぱい集まってゴミとか出されるのだけで嫌だったのに,自分の家の近くに有料席が設置され,そのお金は自治体に入ることはなく,しかも高いフェンスとか建てられて自分たちもみえなくなると「ふざけるな」と思うのが当然だと思います。
 
 こうした問題は,地元の人が打ち上げに関与しない花火大会というイベントに特有の問題かと思っていたのですが,徳島の阿波踊りでも同様の問題が起きているようです。

 阿波踊りには有料演舞場が存在し,これまで藍場浜と南内町に設置されており,新たに紺屋町に実行委員会が設置を計画したところ,騒音やごみの問題などで町内会から反発が出て,実行委員会に協力金を出すように求めたところ,意見がまとまらずに紺屋町への設置を断念したとのことです。
 
 この2つの事例に共通するのは「有料席」になりますかね。近年,警備費用の拡大などで祭にかかる経費が拡大し,それにより祭の存続が難しいところなども出てきていて,そのため,「有料化による財政の見直し」を勧める意見も多くみられていると思います。
 
 しかし,有料化した場合でも,集められたお金は主催者やイベント企画会社や警備会社に巡るのみで,地元住人にくることがまずないのは確かだと思います。
 
 自分に当てはめて考えると,以前海のすぐ近くに住んでいた時,海岸には有料駐車場と海の家ができていて大勢の客でにぎわっていて,海辺にはBBQなどのゴミが散乱し,夜には花火をする人の音でうるさく,歩いて行ける範囲なのに自宅近くの海岸で泳ぐことはせず,少し離れた不便な海岸まで自転車で行って泳いでいた記憶がよみがえってきました。その時も,「あの駐車場代や海の家の家賃とかはどこに入るのだろう?」と思っていた記憶がよみがえってきました。
 
 また,福岡市の大濠公園の花火大会が開催しなくなった際の報道で,「観客に踏み荒らされた可哀相なひまわり」の写真がなんども印象的に提示されていて「地元民じゃない人たちの迷惑行為による中止」というイメージの醸成に役立っていたよなあという記憶があったので調べてみたらwikipediaにそのまま書かれていました。

 せっかくなので昔の同僚の超素敵マンションからみた大濠の花火の写真を載せようと思ったのですが古くて探せず…。・゜・(つД`)・゜・。
 
 そんなことを考えると,「警備費用などが増加するから有料化やむなし」などという世論に乗ってどんどん有料化すると,「地域の人じゃない人の迷惑行為のための有料化」と「それなのに何の恩恵も得られない地域住民」の対立構図が煽られることがより増えて,その結果中止になる祭も増えるのではないかと危惧しております。
 
 なんというか,無料で実施ているからこそ「伝統や歴史のあるものだし,“神様のもの”であるから我慢しよう」と思えていたものが,有料化することで「儲ける人がいる神事でも何でもないイベントなのになぜ我慢しないといけないのか?」と思うようになるという認知的不協和的な動きが起きて,有料化の引き金をひくことで結果として中止に追いやられる祭というのも増えるのではと思っております。特に都市祭礼などで住民の参加比率が少ない祭などがあぶないのだろうなあと。

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