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20230317 清凉寺(嵯峨釈迦堂)のお松明式(涅槃会法要と嵯峨狂言まで)

 令和5年(2023年)3月15日に執り行われた京都の清凉寺(嵯峨釈迦堂)のお松明式をみてきました。今回は,その概要について書いてみたいと思います。
 清凉寺(嵯峨釈迦堂)の基本情報は公式HPをご覧ください。


 まず,地域に配られた協賛のお願いの文章に由来と行事日程の情報があったのでそちらを文字起こしして以下に引用させていただきます。

【祭の由来】
 春を告げる嵯峨釈迦堂のお松明式は、毎年三月十五日の『涅槃会(ねはんえ)』に厳修され、大文字送り火、鞍馬の火祭と並んで京都三大火祭として受け継がれ、峨野の歴史と共に住民の心の中に生き続けてきた郷土の伝統行事です。
 元来、この行事はお釈迦さまを荼毘(だび)に付したことが始まりで、境内に立てられた三基の大松明(二・一丈、ニ丈、一・九丈)が燃える炎の勢いにより、その年の稲作の豊凶を占い、また同時に、本堂前に並んだ十三本の高張り提灯の高低によって江戸時代には米相場を、近世では株価の趨勢を判じるなど、庶民の幸せと諸々の願いを託して、この日の夜八時三十分に一斉点火いたします。この炎上する様相は壮観・神秘的で筆舌に尽くしがたいものがあります。
 しかしながら、このような由緒ある京都の年中行事も、お松明作りの資材集め難、後継技術者や財源の不足などで一時は断絶の危機に遭遇しましたが、『伝統の火を消すな』との住民の強い声から保存会が結成され、以降毎年、地域ぐるみの善意と京都府、京都市からの伝統行事補助金に支えられ、今日へと継承されてまいりました。

【行事日程】
午前十時 護摩木厄除祈願  ・詠歌献納 大念仏講
 十一時 お松明立柱式
午後三時 護摩木厄除祈願 ・「おみくじ」高張提灯の高低を決める
  六時 涅槃会法要(例年より縮小して行います)
  八時 お松明式おねり〔 西門 → 山門 → 本堂前 〕
八時三十分 お松明に点火
九時三十分 終了

 お松明は結構形状が独特で,「松明」というよりかはそれ自体に神々しさというか異形のもののようなイメージがあるように思えました。
 
 この日は本堂などの拝観料が無料になり,釈迦堂の縁起図や大きな涅槃図などをみることができてよかったです。そして午後六時から執り行われる涅槃会法要の様子も見学することができました。
 本堂の中は撮影禁止だったのでその様子の写真はありませんが,十名程度の僧による読経や護摩木の読み上げなどが行われていました。
 
その後点火まで時間があったので清凉寺の境内にある狂言堂で午後六時半から始まる狂言を見に行きました。これについても先ほどの協賛の案内より概要を引用します。

重要無形民族文化財嵯峨狂言特別公演
 地域の皆様の深いご理解と多大なご協力を賜り、おかげさまで関係者一同、郷土芸能の保存と振興、後継者の育成等に精進しております。つきましては「釈迦堂涅槃会』の行事に協賛して、清凉寺境内の狂言堂で次のとおり演技を公演いたします。是非、ご観覧くださいますようご案内申しあげます。(嵯峨第念仏狂言保存会,嵯峨狂言保存協賛会)
午後三時三十分 船弁慶
午後五時 釈迦如来
午後六時三十分 土蜘蛛

 狂言堂の前には百席くらいパイプ椅子が並べられていましたが満席で,さらに取り囲むように多くの人がみていて盛況でした。

 観客はやはり年配の方々が多かったですが,おそらく中学生らしい子どもも結構長い演題を飽きずにいろいろ写真や動画を撮りながら見ていました。嵯峨狂言は後継者を募集しているようなのであの若い子が継承してくれたらなあなどと思ったりしました。

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