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20240312 湯布院映画祭の公共施設での成人映画の上映について

 昨日に引き続き祭と世代性に関連した文献をCiNiiで検索していると…すごい興味を引くタイトルの学会発表を発見しました。

田伏夏基 2023 公共施設における成人映画の上映と観客の経験. 日本地理学会発表要旨集, 2023a, 94.

 最近、和歌山で開かれた自民党青年局の懇親会に「露出の多い衣装を着た女性ダンサー」が招かれていたニュースが流れていた記憶があったのでそれ系の事件だったのかな?と思って要旨を読んでみると全然違ったのですが、予想より興味深い出来事だと分かったので記録のために要旨より面白かったところを引用させていただきます。

 大分県の湯布院では,1976年の第1回から,公共施設において日活ロマンポルノを上映する映画祭が開催されており,性差を問わず開かれた空間で成人映画を観ることができる特異な空間性が構築されてきた.

 映画祭の主なプログラムとしては,まず初日の前夜祭で,駅前広場での無料野外上映と伝統芸能である神楽が披露される.

 第1回湯布院映画祭での日活ロマンポルノ特集上映に対しては,地域住民から公共施設での上映に対する抗議を受けた.しかし,作品選定については,映画祭実行委員に一任されていたため,最終的に公民館ではなく,町立体育館で上映するということで実施された.映画祭開催後も町議会で議題となるなど,町内からの問題視は続いた.これを受け映画祭実行委員側も,第2回以降,上映を自粛していたが,第6回から日活ロマンポルノ作品の上映が再開される.その後湯布院映画祭において日活ロマンポルノ上映は,それまで出会い得なかった人びとを結びつける空間性をも獲得していく.

 で、湯布院映画祭の公式HPを確認すると2023年の第48回でも確かに8月25日に上映されているのを確認できました。


 主催は湯布院映画祭実行委員会ですが、後援として由布市、由布市商工会、大分合同新聞社、NHK大分放送局、OBS大分放送、TOSテレビ大分等が入るし前夜祭で神楽も舞われるかなり公的な映画祭だと思われます。
 そのような映画祭で成人映画を上映する場合、その理由や経緯や意図などについて力説されているだろうと思い湯布院映画祭の公式HPの「湯布院映画祭とは…」という説明のページを読んでみましたがそれに関する記載はありませんでした。

 歴史的文脈については要旨にその詳細は載ってませんでしたが調査はなされているようですので、こちらの学会発表が論文とか書籍になったら読みたいな~と思いました。

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