注目のローカルコーヒーロースター
このnoteは「雨の日を待ちわびて。コーヒーを心ゆくまで楽しむ、アメリカ・シアトルの旅」マガジンの2記事目です。
いつもなら少し憂鬱になる雨の日も、シアトルでなら待ち遠しく思える。
今日はあのコーヒーショップでゆっくりしようかな、なんて。
| | | ☔ | | |
イタリアのエスプレッソ文化をアレンジしたコーヒーが流行した、コーヒーのセカンドウェーブ。シアトル系コーヒーと言われるように、ここシアトルでスターバックスを筆頭に盛んになったコーヒーのブームのことです。今でもその名残のあるカフェはたくさんあります。
セカンドウェーブの波は落ち着き、時代はサードウェーブへ。さらなる展開を迎えようとしています。シアトルでもサードウェーブに乗ったロースターが広がりを見せ、シアトルのコーヒーシーンを牽引している様子が伺えます。
| | | ☔ | | |
Elm Coffee Roasters
私がシアトルのコーヒーショップをおすすめするとしたら(選びきれないし、だからこうしてnoteを書いているんだけれど、)ここElmは必ず、挙げる店5本の指に入ります。
シアトルへはポートランドやバンクーバーから高速バスを使って足を運ぶことも多く、そのバスターミナルから歩いて行けるパイオニア・スクエアという地域にElm Coffee Roastersの店舗のひとつがあります。
バスで冷え切ったカラダ(夏でも冬でもバスは寒い)を、早くあたためたいと、ここでコーヒーを補給してシアトル旅をスタートするのが、私のお決まり。
その後ひとしきりコーヒーショップを回ったにも関わらず、この店にまた戻ってきてしまうことも多々あります。それほど、愛しているお店のひとつ。
見通しのいい店内、店の扉を開けると奥にある大きな焙煎機が目に飛び込んできます。
世界のトップロースターたちと同じように、良質な豆の生産者と直接契約をしたり、どのようにコーヒー栽培に取り組んでいるのかを明らかにし、良いコーヒーを届けようとする真摯な姿勢がうかがえます。
余計なものを削ぎ落とした、モダンな印象の店内。照明がなぜかいつも控えめで薄暗いのですが、大きな窓から雨の日でもたくさんの光が差し込みます。
いつもおだやかで優しいバリスタさんたちの人柄が表れているような、やさしいコーヒーを楽しむことができます。
Elm Coffee Roasters
Locations:
Pioneer Square Original Cafe & Roastery
South Lake Union Elm Coffee 9th & Thomas
Herkimer Coffee
行く先々のカフェで、その名を目にしていたけれど、実際に店舗を訪れたのは去年の夏だったかしら。
日本人の友だちと行ったからか、「旅行で来てるの?」とバリスタさんに声をかけられ、バンクーバーに住んでいることを伝えると、あそこのコーヒーショップいいよね、なんて話で盛り上がりました。(シアトルとバンクーバーはバスで3時間ほどの距離なので、互いを行き来し旅行する人は多い。)
そのバリスタさんがしてくれたように、コーヒーを通じて、カフェと人をつなぐ。シアトルのカフェでは珍しくないのですが、ここハーキマーでも地元のアーティストの作品を店内に飾っています。
架け橋のような役割を担えたら、という思いがこもったお店のロゴ。モデルになった橋は、ニューヨークのハーキマー郡にあるトローリーブリッジ、お店の名前はもちろんそのハーキマーから取られました。ハーキマー郡は透明度の高いダイヤモンドで有名だそう。
コーヒーに対する信念も明瞭でクリア。
農薬を使用しないなど伝統的で、持続可能な栽培方法を実践するコーヒー農園から生豆を仕入れること。農園を定期的に直接訪問し、適正な価格で取引すること。その最高の豆を届けるために、焙煎やバリスタのトレーニングを行い、質を妥協しないこと。
(どこの農園と直接取り引きをしているのか、世界地図上の★マークで記しています。)
そう在りたいと、どんなコーヒーロースターも掲げるような理想を、まっすぐに実現しています。
ハーキマーコーヒーが、シアトルのコーヒーシーンの道をダイヤモンドのようにきらきらと照らす、これからもそんな存在であるように願っています。
Herkimer Coffee
Locations:
Phinney Ridge
Ravenna
Dexter
Broadcast Coffee
”Provide light and bright cafes to temper the Seattle rainy weather”
シアトルの雨の日々を和らげるために、晴れやかな明るいカフェを提供します。
木漏れ日がゆらゆらと水面のようにひかる、夏の夕暮れ。初めてブロードキャストコーヒーの店内に足を踏み入れた時のことを思い出します。
すっかりファンになった後、彼らのことをもっと知りたいと、ホームページで上に挙げた言葉を見つけた時、疑う余地もありませんでした。気持ちのよい明るい笑顔で私を迎え入れ、美味しいコーヒーを淹れてくれたバリスタさんがそれを体現していたのです。
創業者のBarryさんは、2008年にブロードキャストコーヒーをオープン。ラジオDJであった父への尊敬の念から、自身のコーヒーロースターにブロードキャストとつけたそう。
サードウェーブと言われる波に乗り、コーヒーへのこだわりが見え、パッケージや店内のインテリアからはモダン印象を受けるのですが、実際にお店でバリスタさんとコミュニケーションを取ったり、お客さんの様子を見ていると、アメリカの田舎にあるような、地元に深く馴染み、とても親しみやすい印象を受けるのです。
(シアトル・タコマ空港でもシアトルを代表するロースターとして紹介されている)
シアトルの人たちはローカルのものを愛し、誇りに思っています。Broadcast Coffeeはそんなシアトルのコーヒーカルチャーを、ラジオのように人々の生活には欠かせない存在、そして広く届けてくれる存在です。
Broadcast Coffee
Locations:
ROOSEVELT
CENTRAL DISTRICT1・2
BOISE(アイダホ州に1店舗ある)
《おまけ》
私が訪れたCentral Districtの近くにあるスターバックス。
音符とサックスのネオンに誘われるように店内へ入ると、ジャズプレイヤーの写真や絵画が飾られていました。じっくり見て、もしくは店員さんに聞いて、ジャズと何か関係があるのか聞きたかったのだけれど、時間が足りず…この謎が解ける日が早く訪れますように。
今回紹介したコーヒーショップをGoogle Mapsのリストにまとめました。ご自身のマップに追加して、シアトル旅行の際に活用していただけたら嬉しいです。
| | | ☔ | | |
「雨の日を待ちわびて。コーヒーを心ゆくまで楽しむ、アメリカ・シアトルの旅」マガジン、今後の更新予定はこちら。
1. はじめてのシアトル。行っておきたい、街を代表するコーヒーショップ
2. 注目のローカルコーヒーロースター(今記事)
3. シアトルさんぽ中に寄りたい、気軽なコーヒースタンド
4. 絶対オーダーしたい、こだわりスイーツが美味しいカフェ
5. 隠れ家的本格派コーヒーショップ
6. これであなたもシアトライツ?少し足を伸ばしてカークランド、レドモンドへ。
7. カルチャーと結びついた、ふた味もおいしいカフェ
8. シアトルのコーヒーライフを支えてきた老舗
9. おしゃれして訪れたい、カメラマンごころもくすぐるコーヒーショップ
10. コーヒーショップめぐりモデルコース①
11. コーヒーショップめぐりモデルコース②