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よんだもの/みたもの

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#観劇

『no plan in duty』─ ここにいて、たたずむ

「no plan in duty」は、2015年に初演された「非劇」を原作とした展示パフォーマンスである。2022年5月12日から23日まで開催された。作は齋藤恵汰、補綴は岸井大輔、構成・演出は篠田千明。3人のパフォーマー(荒木知佳、矢野昌幸、稲継美保)と3人の展示アーティスト(いしいこうた、うしお鶏、大和田俊)による。会場は補綴・岸井が主催するPARAであり、本公演は拠点クロージング前の最終公演であった。  PARAは、一軒の古い民家である。砂利が敷かれた庭があり、そこ

かまどキッチン『海2』をみる

   HPに掲載の紹介文にあった『(きっと)児童向け冒険譚』という一文、が印象にのこっていた。  本作は三幕構成になっている。  一幕、の作品のてざわりは、毒のある児童文学(SF)のような......スパイスが効いたワッフルにみたことない鮮やかさのシロップがかかってる、そういう様子とかおりがした。かわいいんだけど、くっ、と喉にひっかかるところがある。このどきどきをむかし、感じたことがある。小学校のころ図書館でおそるおそるひらいた知らない本に、呑まれていくあのときだった。