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Study・「続きをやるんだ」って言っている義満がいたら、私は頑張って説得したい。

私たちは「足利義満」からそろそろ卒業する準備をしてもいいのではないか、と思います。
 
日本はすごく豊かな国です。

でも「もっともっと」という感覚は、世界全体を見ても、日本もそうですが、根強く残っています。

「もっと自分が。もっと自分を。もっと自分に。」  

 

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足利義満は、父である2代目将軍、足利義詮が若くして亡くなったため、11歳で将軍職につきました。

1368年のことです。

20歳のとき、京都に花の御所をつくります。

こちらは動画でも紹介しましたが、南北200メートル、東西100メートル、色とりどりの花が咲き乱れ豪華で華麗な建物だったといいます。時の土御門天皇の内裏の2倍の敷地面積を誇りました。

御所の真北、室町通に作られたそれにちなみ、室町幕府となっています。

その後、室町幕府の政治に影響を与える有力な守護大名の討伐を行ないました。

1390年に土岐康行
1391年に山名氏清
1399年に大内義弘

それぞれを討伐し、その勢力を弱めることに成功しました。すると、相対的に将軍の権威が上がり、義満の室町幕府としての権威は確固としたものとなります。

1392年には、天皇家の問題であった南北朝の内乱を、北朝側に一つにまとめあげます。

その上で、義満は1394年には幕府将軍の地位を息子に譲り、自分は朝廷内で太政大臣という、人臣としては最高の地位に。

幕府においても、朝廷においても、権威の上で義満の上位に位置するのは「天皇」だけでした。

1395年には出家し「道義」と号しました。世俗を捨て、社会のつくる権威、様々なカテゴリーから抜けることを意味し、ここで義満は次のステップへと進んでいきます(それがなんなのかはまた次回の動画でお伝えします)。
 

1397年に、北山に金閣(金閣寺)を建てました。
一階が寝殿造、二階が武家造り、三階が禅宗様という不思議なつくり。
 

現代で言えば、一回が和風建築、二階が西洋建築、三階がコンクリート打ちっ放しのような、各階層にコンセプトの違いを持ち込んだ奇妙な様相です。

そして屋根の上には「鳳凰」が降り立つ。

寝殿造には金箔はなく、二階と三階に金箔があるのですが、これをみて、朝廷勢力は何を思ったのでしょうか?

実は、寝殿造は、朝廷勢力を表象し、二階以降は義満を表しています。

1404年、日明貿易を行い、財力を固め、最終的に義満が目指すものが完成へと向かって——。

そんな中、1408年51歳で病により、この世を去りました。


もし義満があと十年でも長く生きていたなら歴史がどうなったのか、興味深いところです。

 

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修学旅行で京都を訪れたなら、ほぼ全員が目にする金閣寺ですが、あれは義満の権力を顕示するための建物です。

つくりが変だもんねー。

明らかに、メッセージが込められていて、ほのかに匂わす、という感じでもない。それが逆にちょっと微笑ましい感じもあるんですが。

「義満、ここまでやるんだ〜」と。笑

 

どうだ、俺はすごいだろう、という感じで、義満はどこまでもいく。 

 

よく言えば上昇志向。 

 

でも金閣への修学旅行で、何か学ぶ点で言えば、欲望に終わりはないよ、ってことかな、と個人的には思います。あと、欲望の方向性。

 

「どこまで行けば義満は満足だったんだろう?」
「死ぬ時に義満は何を思ったんだろう?」

そんな興味が湧きます。
 

 
「もう一回人生があるとして」と聞いてみたい。
「同じ人生歩みますか?」


「もちろん」って言うかも。
「続きをやるんだ」って。

 

  

欲望はすごい力を持つから、それを「自分」を満足させるために向けるのではなく、「他の誰か」を幸せにするために向けられたら、すごくいいなと思います。

義満が出家帰依した(はずの)お釈迦様の意にも合ってるし。

 

「あの義満のエネルギーとバイタリティ、世の中のために向けられたら、リアルにあの時代、日本に極楽を作れたんじゃないの?」 

なーんて思います。義満はすごい力があったから。

 

だから「続きをやるんだ」って言っている義満がもしいたら、私は頑張って説得したい。

その時のために、言葉に説得力が出るよう、私自身が努力していこうと思います。 

 

得ること失うこと、成功と失敗に囚われず、日々全力を尽くす。悪いことをしない。善いことを、一個でも多くする。

そんな努力です。
 

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Study&Nadi
松尾健史

 

 ガスクールカイラス 
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