44 なぜ愛犬チョットは港で釣り針を食べてしまったのか
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44 なぜ愛犬チョットは港で釣り針を食べてしまったのか

松尾 憲幸

名古屋近郊で暮らしていた頃、短い期間ではあるが『GAZOO』というコンシューマー向けの情報提供サービスをおこなうトヨタ系列のデジタルメディア制作会社で仕事をした事があった。トヨタには有名な「A3報告書」なるものがあり、A3の用紙1枚の中で問題解決への8つのステップを整理し、それを元に現場の改善を進めていく。中でも白眉は要因解析における「5つのなぜ」の実践だ。1つの問題に対して5回、なぜそうなのかを問い掛けて真の要因を炙り出す。実際には要因が抽出出来てしまえば5回にはこだわらない。「なぜ」を調べる際は机上の想像ではなく、現場を見ながら事実そのものを把握して行く。
 
さて、ここで問題だ。なぜ私の愛犬チョットは先週、港で釣り針を食べてしまったのだろう?「なぜ」を繰り返してみたい。幸いにも釣り針は唇の裏に引っ掛かってくれて飲み込まれてはおらず、大事には至らなかった。
まず1つ目の要因。「チョットは雑種だがテリア系の猟犬で探索癖があるから」これは事実でありこれ以上「なぜ」を繰り返しても仕方がない。
では2つ目の要因。「落ちているものを食べないよう、シツケが出来ていなかったから」なぜシツケが出来ていなかったのか。これまでも色々なモノを口に入れる事があったが、釣り針のような危険物を想定していなかったからだ。なぜ想定しなかったのか?犬による異物食い対策の重要性を認識していなかったからだ。「そんな大変な事とは知らなかった」とは飼い主としての無責任としか言いようがない。大事故が起きてから「知らなかった」は通用しないのだ。
3つ目。「お腹が空いていたから」なぜお腹が空いていたのか?これまで食事は朝と晩、散歩のあとに与えるのが習慣であったから、散歩の時は一番の空腹と考えられる。
4つ目。「落ちている釣り針を見つけられなかったから」なぜ見つけられなかったのか?港はコンクリートの岸壁で、同系色の釣り針と半透明の釣り糸を発見するのは困難だから。なぜ困難なのか?(1)「視力が悪かった」(2)「不注意だった」。ではなぜ不注意だったのか?「リスクを認識していなかった」これは2つ目の「シツケが出来ていなかったから」に通じる。
5つ目。「港に小魚が付いたままの釣り針が落ちていたから」なぜ落ちていたのか?(1)「釣り人のマナー不足」(2)「港の清掃がされていないから」なぜ釣り人はマナー不足なのか?「これまでも問題が無かったから」「それが悪いとは思っていないから」これらは外的な要因だ。なぜ港は清掃されていないのか?「必要性が無い」「担当者がいないから」

これまで見て来た中から対策を考えた。1つ目、チョットがテリア系なのは仕方がない事実だ。2つ目、シツケの有無。事故の後、道端の臭いを嗅ぎに行ったときは大きな声で「ダメ!」と言いリードを引っ張るようにした。これが習慣づけばリスクの軽減には繋がるはずだ。3つ目、空腹への対応は、散歩前に食事を与える事にした。4つ目、釣り針を見つけられなかった事に対しては、路上への注意を払うようにした。あとは2つ目のシツケで回避する。5つ目、「釣り人のマナー不足」「港の清掃がされていないから」に対しては、港を清掃する事でリスクを軽減する事が出来るかも知れないが、個人的に港を清掃するのは負担が大きすぎる。町内会に呼びかけて月に1回の清掃日を港に割り当てて貰うことは出来るかも知れない。今すぐ出来る対策として、港を散歩コースから外す事で回避する事にした。

以上、厳密ではないが「5つのなぜ」を実践して私は愛犬を誤飲リスクから守ることを始めた。

*今週の参考図書
・『できる人はなぜ、「A3」で考えるのか?』石井 住枝  2015年/SBクリエイティブ

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マジっすか。
松尾 憲幸
北海道生まれ。縁あって奄美大島で暮らしています。