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18 戴輪式

生後3カ月が過ぎたちょっとは、首と四肢が伸びて成犬の体型になっていた。散歩先の公園では築山を駆け上ったかと思うと一気に駆け下りて最後はジャンプして着地、そのまま縦横無尽に駆け回った。もはや子犬では無い。子犬が成犬になるのは嬉しい事ではあるが、飼い主としては少し寂しくもある。もうコロコロでヨチヨチのちょっとクンではない。
それは、人間社会で暮らして行くための諸手続きが必要である事を意味していた。まず混合ワクチンを接種した。

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予防接種証明書に貼り付けた写真を見ると、すっかりテリアの風貌だ。飼い主はネットと首っ引きでちょっとに似合う首輪を探した。大きなトゲ付きの強そうなのが良いと言う私の意見は、妻にあっけなく却下された。

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選んだ首輪は明るいスカイブルーのものだった。ちょっとの瞳に映る奄美大島の空の色だ。オプションで飼い主の電話番号とちょっとの名前が入ったタグを付けて貰った。

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首輪が届いたその日、わが家の玄関前で戴輪式をおこなった。飼い主は、これから飼い犬として生きて行くちょっとに飼い犬の心構えを説いた。人様に迷惑を掛けてはいけない。飼い主の手を噛んではいけない。むやみやたらに吠えない。人にあったら出来る限りの可愛らしさを振り撒く・・ちょっとは成犬になったのだった。

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