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25 退院後

約2週間後、ちょっとが鹿児島の病院から飛行機に載せられて帰って来た。妻と空港へ迎えに行った。到着した飛行機を屋上から見守る。小さなプロペラ飛行機から貨物がカーゴ車に移され、空港の建物へと近づいて来る。他の貨物に挟まれた檻の中で動く影が見える。ちょっとだ。まだ遠いカーゴ車に向かって「ちょっちゃん!」と妻が呼んだ。飛行機の離発着を見物している人たちが、貨物に向かって手を振る妻を怪訝な顔で見ている。カーゴセンターに入るとちょうどちょっとの檻が運び込まれたところで、私たちの気配を感じたちょっとが大声でキャンキャンと叫んでいる。ちょっとは元気になった。

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治療の際、傷の部分だけ毛を剃った後が痛々しいので、ドッグサロンで毛を短くカットした。毛が抜けるので半・室内犬のちょっとがソファーに上がるのを嫌がっていた妻が、ソファーにちょっとを上げるようになった。スキンシップが多くなった。今回の事件を機に、明らかにちょっとと家族、いや、家族としてのちょっととの関係性が変化した。これまでもちょっとを家族であると思っていたけれど、もっと家族になったのだった。

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