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#49 12月の風景

タイトル横の番号が50に近づくと年末が近いことを感じる。順調にいけば今年は51が最終だ。1月になればクリアーしてまた1から振り直す。正月とはそもそもその様に、1年の雑多な集積をクリアーして1から始める様なものであったのだろうか。
 
ブラックフライデーのセールで妻が購入した商品が、宅配便で次々と届いた。義母がリビングの隅に積まれた空き段ボールの山を見て「そんなんじゃ年越しが出来ないよ」と言う。やはり年越しには「クリアー」つまり「あらためる」という意識があるようだ。
 
この時期、家の周りでカラスが喧しい。周囲の庭先や畑で次々と実る柑橘類を狙って、仲間同士で「あそこのミカンがそろそろ食べ時だぞ」と知らせ合っている。観察していると、電線の上でカラス同士で会話している様子がよくわかる。路上にはカラスが上手に実だけを食べたミカンの皮が、転々と落ちてクルマに轢かれてペシャンコになっている。ブロック塀の上にも中身をくり抜かれたミカンの皮が置いてある。
 
早朝、まだ暗いうちに犬の散歩で外へ出ると、真っ正面にオリオンが見える。南島にもいつの間にか冬が来ていた。夜中にはどこかでネコが2匹で「はぅうぅ」「なぁおぅ」と唸り合う声が聞こえる。そんな季節でもある。

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