好きとは言い切れないけど悪くもない。南インド・バンガロール生活2年目の本音
夫の転勤で、ベトナム・ホーチミンからインド・バンガロールに移り住み、1年が経過しました。
バンガロールは、インドのシリコンバレーやIT都市と言われてはいるものの、キャッシュレスや一部のオンラインサービスが進んでいるだけで、まあまあ不便。いや、めちゃくちゃ不便。1年住んでみたけど、まだそんなに好きになれていない!というのが正直な感想。
足りないものをあげればきりがないけど、そんな中でも、今あるものを大切にしよう、環境に適応しよう頑張ってきたこの1年の変化を書き記しておこうと思う。
1. 食べたいものは、お金を払ったところで手に入らない
スーパー金持ちであれば話は別なんだろうと思うけど。今まで一切、料理をしてこなかった私が、料理をするようになったことが一番大きな変化で自分でも驚いている。
近所にインド料理屋もたくさんあるのだが、油やスパイスでお腹を壊しがちだし、デリバリーアプリを開けど、テンションが上がるものに出会えることは少ない。ちょっと奮発して、サーモン丼をデリバリーしたところ、鮭フレーク丼が届いた。(写真は本当にイメージだったのかもしれない)
「食べたいものは、お金を払ったところで手に入らない!!!!」
それ以降「自炊をしなければならない」から「自炊がしたい!」に変わった。
自分で作るコロッケとから揚げは最高!豚汁、炊き込みご飯、鶏ハンバーグ、豚の角煮など、食べたいものを作れるようになった。そしてうちのシェフ(夫)が犬のように食べている姿を見るのも、なかなか癒される。
食べたいものを作り、好きなお酒を好きなペースで飲み、懐かしのJ-POPをスピーカーで流しながらのホームパーティーもなかなか楽しい。そろそろBBQセットでも買ってしまおうか。
2. 飲酒量が減り、手に入れた健康的なライフスタイル
まずは、飲み会の量が圧倒的に減った。バンガロールは広く、渋滞もひどいので、外出も億劫になる。お酒もリカーショップに行かないと買えない。ビールを買うのですら大変。その結果、飲酒量が減った。
飲み会がないだけで、随分と時間のゆとりのある生活を送ることができる。そんな生活に慣れるまでは焦りもあったが、だいぶ受け入れられるようになってきた。比較対象も少ないから周りに左右されることもなく、緑いっぱいのお家のベランダで本を読んだり、お散歩をしたり、コーヒーを豆から挽いてオーツミルクのカフェラテをつくり。これがいわゆる丁寧な暮らしなのではないか!
夫は念願のキックボクシング、私はマシンピラティスと、とても健康的な生活を送っている。健康的にはなかなか良い。
3. 時間とこころのゆとりは必須
インドでの一番の悩みは家問題。インドの家は育てるものらしい。「前の住人が育てた家に住むこと」とインド経験者は口を揃えていう。基本的に家はすぐに壊れる。どうなってんの?って思うくらいすぐ壊れる。
我々の家は、築年数は古いものの、オーナー家族が大切に住んできた家なので、他の物件と比べると故障は少ないとは思う。
それでも、シャワーの水圧が悪くなったり、水漏れ、ベランダのドアが閉まらなくなる、キッチンの水が出ない、洗濯機から泥水が出る、突然Wi-Fiが切れるといったマイナートラブルは起こる。停電も頻繁に起こる。
その度に、業者を呼んで、修理に立ち会う。その他、数えきれないほどのトラブルもあるが「あー、そうだよね。仕方ないよね~」でいろんなものを受け流すことが出来るようになってきた。いちいち発狂してたら感情が追いつかないからね。このペースだと悟りを開ける日もそう遠くはないかもしれない。
4. 消えた物欲。しかし何故か貯まらないお金
食欲はあれど、物欲は消えた。欲しいと思えるものに出会えることがほぼないから、まずはモールに出向かなくなった。週末のモールは常にディズニーランド。恐るべし人口14億人の国。
家賃や生活費は思ったより高い。我々が住むバンガロールの中心部は、家賃が高い。築年数は古いのに、家賃はホーチミンよりも高く、東京23区と変わらない。
物価は、インドで生産されているものは安価に入手できるので、野菜は新鮮で安い。ただエアコンのあるカフェで、コーヒーとクロワッサンを頼むと750円程度。そこまで安いという訳ではない。
居酒屋では、ビール1杯約700円。ハイボール1杯約850円、餃子1皿720円。ちょっとペースを抑えながら飲んでも、夫婦で15,000円使ってしまう。日高屋だったら5,000円もしないくらいなのでは。生活費は思ったより安くはなかった。
5. 脱!日本製品。インド製品もモノによっては悪くはない
ここまで日本製品が手に入らない環境だから、諦めたというか、その土地で生活している人間が大勢いるんだから、まあ何とかなるだろうという考えに至った。
硬水のインドでは、現地調達したシャンプーを使用している。硬水と相性の良いとされる非イオン(ノニオン)界面活性剤が主成分のシャンプーを使うようになり、以前より髪質は改善し、シャンプ―代もかなり抑えられている。
虫除けも薬も、現地のモノが効くので現地調達。アーユルヴェーダ製品も安価で手に入り、なかなか良い!中でも、喉が痛いときに飲むシロップや、のど飴がめちゃくちゃ効く!
ただし、手に入らないものも多い。一時帰国の際、絶対買うのは料理酒と化粧水。あとは、インドでも手に入るけど、日本の2倍以上するものは調達するようにしている。キューピーのマヨネーズ、麵つゆ、だし系、日本のカレールー、UNIQLO製品、塩昆布、ゆかり、梅干しあたりだろうか。
もろちん日本製をたくさん買って帰りたいところではあるが、継続して入手できる訳でもないから、出来る限り現地調達にするようにしている。まあ、なんとかなる。
6. 何でも家にやって来る。インドア生活が加速
食材は、オンラインデリバリーサービスblinkidで10分ほどで届く。日本食材はMAIN DISH。食事を作るのが面倒な時は、zomatoでデリバリー。オンライン診療も充実している。
マッサージ、ペディキュア、水周りのディープクリーニング、ペストコントロール(防除)などもUrban companyのアプリから依頼し、担当の方が家にやってきて対応してくれる。マッサージは簡易ベットを、ペディキュアはフットバス持参でやって来る。値段もお手頃で腕も良い!もう家から出る必要ないじゃん!
また、Amazonは受取時にOTPが必要だが、配達日当日の朝「本日の夜10時までに配達します」というメッセージが届く。いや時間指定、長すぎるよ。インドのサービスは、誰かしらが自宅にいるという設定で設計されているんだと思う。
時代は徐々に変わりつつあるけど、既婚女性は家を守るといった文化や風習が強いように感じる。だから自宅で受けられるサービスが充実しているのかもしれない。知らんけど。女性経営者率の高いベトナムから来ているから尚更、違和感を感じる。
7. 友達がいないからこそ、充実していくおひとりさま時間
友達はいるが非常に少ない。36歳にして初めて「友達ってどうやってつくるんだっけ」という悩みを抱えている。これは完全に私の努力不足だ。
日本人が住んでいるエリアやアパートの繋がり、旦那さん同士の繋がりもなく、私自身インドの現地コミュニティーの中で働いている訳でもないから、自分から動かない限りは友達は出来ない。気付けば1年が経過していたというのが現状。
おかげさまで「書く」ということも楽しめていたり、おひとりさま時間が充実してゆく、、それはそれで悪くはない。そういう時間だってあっても良いじゃないか。でも2年目は友達作りを頑張りたいんだ。
足りないものをあげればきりがない。だからこそ、あるものを大切にしながら、工夫しながら生活が出来るようになりつつあるというのか、そうせざるを得ないというのか。
暮らしもシンプルになった。見栄とか欲とかもなくなった。随分と豊かな生活なんじゃないかな。バンガロール生活、まあまあ不便だけど、悪くはない。最高!ではないけど、嫌ではない。だからと言って好きという訳でもない。というのが、うまくまとまらないけど正直な感想。でも個人的には日本よりは生きやすいかな。のびのびやらせてもらってます。
インド人コミュニティーの中で働いていたらまた違う感想を持つだろうし、子育てや教育といった点では、すごく良い環境なんだろうなとは思う。
好きも嫌いも語れるようなフェーズではまだないので、2年目はもう少し外出して人とコミュニケーションを取ったり、インドの魅力をたくさん見つけたいと思う。
最後にバンガロールの良いところを少しだけ
バンガロールはインドの南に位置しているから、みなさんの想像されるインドと違って、とにかく気候が良い!基本、半袖で過ごすことが出来る。自宅ではエアコンをつけることがなく、ほぼ天井の扇風機を回すだけで快適に過ごすことが出来る。もう本当に涼しくて過ごしやすい。そして街に緑が多い!
あとマトンビリヤニがめちゃくちゃうまい。
バンガロールに、UNIQLOと日系の寿司屋と丸亀製麺、欲を言えば、資さんうどんがあれば余裕で暮らせる!あとは日本人の美容師さん。みなさまバンガロール進出をお待ちしております。
▼ バンガロール12日目に書いたフレッシュなビギナーズメモはこちら
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