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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-20【衛生】論点:職業病 / 安全衛生関係統計・災害事例

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-20【衛生】論点:職業病 / 安全衛生関係統計・災害事例

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第103回薬剤師国家試験|必須問題 / 問20

問103-20(論点:職業病 / 安全衛生関係統計・災害事例)を
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第103回薬剤師国家試験|必須問題 / 問20

Q. 業務上疾病のうち、疾病者数が最も多いのはどれか。
1. レイノー病
2. 胆管がん
3. 酸素欠乏症
4. 潜函病
5. 災害性腰痛
(論点:職業病 / 安全衛生関係統計・災害事例)

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滝沢 幸穂

PhD (Pharmacokinetics)
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-20【衛生】論点:職業病 / 安全衛生関係統計・災害事例

こんにちは!薬学生 の皆さん。BLNtです。解説します。
薬剤師国家試験 の必須問題(衛生)から職業病を論点とした問題です。
問103-20では、職業病(厚生労働省の正式な言い方では、業務上疾病といいます。)のうち、「発生状況等調査に関する安全衛生関係統計・災害事例」の最近の主な動向を理解しているかを問われました。

スライド1

業種別・疾病別にみた疾病者数および死亡数の動向について3つのテーマに分けて解説します。

※ワンポイント💡
スライドショーの操作方法|
スライド(画像)の上にカーソルをもっていくと、カーソルが拡大鏡マークになります。拡大鏡マークになったとき、画像をタップすると画像が拡大して、←□→で矢印をタップすると前後のスライドを見ることができます。

目次|
テーマ1. 業種別・疾病別 / 業務上疾病の疾病者数の動向|
テーマ2. 業務上疾病 / 職業性腰痛の最近の動向|
テーマ3. 業務上疾病 / その他の職業病について|

テーマ1. 業種別・疾病別 / 業務上疾病の疾病者数の動向|

Q. 業務上疾病のうち、疾病者数が最も多いのはどれか。
1. レイノー病
2. 胆管がん
3. 酸素欠乏症
4. 潜函病
5. 災害性腰痛

業務上疾病の疾病者数の動向について近年5年間(2014(平成26)年~2018(平成30)年)の厚生労働省の報告書を参考として、集計した結果に基づいて解説します。

設問で問われていることは、業種別・疾病別にみた疾病者数の順位です。

図1-1は、厚生労働省の直近5年間の統計(2014 - 2018)から作図した松廼屋オリジナルの論点解説グラフです。ご覧ください。

参考資料|

最新の詳細な情報としては、厚生労働省の

「安全衛生関係統計・災害事例について / 業務上疾病発生状況等調査 平成26年-平成28年 第1表 業務上疾病発生状況(業種別・疾病別)」に科学的かつ目的に合った情報が記載されていますので、一読することをお勧めします。

業務上疾病発生状況|
疾病別にみた疾病者数(2014 - 2018)|

画像1

図1-1 業務上疾病発生状況|疾病別にみた疾病者数(2014 - 2018)|厚生労働省

※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献1|
厚生労働省|安全衛生関係統計・災害事例について / 業務上疾病発生状況等調査 平成26年-平成28年 第1表 業務上疾病発生状況(業種別・疾病別) http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/toukei.html

図1-1に示したように、2014年から2018年にかけての業務上疾病の統計によれば、疾病者数では「負傷 / 災害性腰痛」が最も多く約6割を占めます。

その次に多い要因は「異常温度」であり、そのうち熱中症が業務上疾病の約8%を占めます。熱中症は、異常温度に起因する業務上疾病の大部分で、2018年、特に増加傾向を示した業務上疾病です。2018年の業務上疾病とされた熱中症の疾病者数は前年(2017年)の2.1倍であり、1399人でした。
その要因としては、夏の気温が年々、上昇しつつあること、および、野外業務の増加などが、候補として考えられます。

ここで、さらに理解を深めるために、同じ厚生労働省の統計から、業務上疾病の死亡数に着目してみましょう。

死亡数に関しては、疾病者数と傾向が異なり、業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等による死亡数が最も多く、次に多いのが「異常温度」に起因する死者、その中で大部分を占めるのは熱中症です。近年、熱中症による死亡数が業務上疾病において急激に増加していることは懸念されます。
その次には、業務に起因する強い心理的負荷による精神障害が続きます。

業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等、精神障害は、全疾病者数のグラフ(図1-1)で明らかなように、疾病者として多くありません。しかし、結果として疾病者の致死率が大きいことから、労働安全衛生上、考慮すべき業務上疾病です(図1-2)。

業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等および精神障害による死亡は、過労死である可能性が高い業務上疾病ととらえることもできます。

なお、詳細には、2014年から2018年の5年間に死亡した業務上疾病者の合計は、業務に起因した脳血管疾患・心臓疾患等、異常温度に起因した熱中症、および、業務に起因した精神障害で、それぞれ、206人/5年間、105人/5年間、および、86人/5年間です。

業務上疾病による死亡者数の合計は5年間で578名ですから、業務に起因した脳血管疾患・心臓疾患等、および、精神障害で死亡した業務上疾病で過労死した可能性の高い人の割合は、業務上疾病の死亡数の69%に相当します。

ただし、この数値に関して、配慮しなければいけないことは、これは、業務上疾病として扱われている人数であって、業務上疾病として扱われていない過労死は、統計数に反映されていないことです。

以下に示す図1-2(業務上疾病発生状況|疾病別にみた死亡数)は、厚生労働省の上記統計データから作図した松廼屋オリジナルの論点解説グラフです。ご覧ください。

業務上疾病発生状況|
疾病別にみた死亡数(2014 - 2018)

画像2

図1-2 業務上疾病発生状況|疾病別にみた死亡数(2014 - 2018)|厚生労働省

※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献1|

次に、業種別の死亡数に関して解説します。業務上疾病による死亡数に関しては、2014年から5年間の上位3位までの業種は、それぞれ、業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等、異常温度による熱中症、業務に起因する精神障害でした。

図1-3は、厚生労働省の上記統計から作図した松廼屋オリジナルの論点解説グラフです。ご覧ください。

熱中症による業務上疾病としての疾病者数および死亡数が最も多いのは、建設業です。

建設業における熱中症予防が求められるところです。建設業における熱中症の業務上疾病者数は、2014年、2015年、2016年、2017年および2018年に、それぞれ144人、113人、113人、141人、239人と、5年間で延べ750人です。

業務上疾病発生状況|
疾病者数 / 熱中症(2014 - 2018)

画像3

死亡数 / 熱中症(2014 - 2018)

画像4

図1-3 業務上疾病発生状況|業種別疾病者数・死亡数/ 熱中症(2014 - 2018)|厚生労働省

※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献1|

図1-4および図1-5に、それぞれ、業務に起因する脳血管疾患・心臓疾患等、および、業務に起因する精神障害における業種別業務上疾病者数および死亡数を示します。

これらの死亡数は、過労死である可能性が高い業務上疾病であるといえます。以下のグラフから、脳血管・心臓疾患等による死亡は運輸交通業に多く、続いて、商業・金融・広告業で多くなっています。

一方、精神障害による死亡は商業・金融・広告業が最も多く、2014年、2015年、2016年、2017年および2018年に、4人、6人、1人、3人、3人と、5年間で17名の業務に起因した精神障害による死亡者を出しており、また、製造業の中では、一般・電気・輸送用機械工業の業種において2014年、2015年、2016年に、1人、1人、5人と、3年間で7名の精神障害による死亡者を出しています。

一方、精神障害による疾病者数の第2位は、保健衛生業です。保健衛生業は、業務上疾病としての精神障害による死亡数では6位ですが、業務上疾病とされた疾病者数は、2014年、2015年、2016年、2017年および2018年に、12人、9人、11人、10人、10人と、一定の割合で業務上疾病での精神障害とされており、5年間で52人です。保健衛生業の労働環境を反映した結果として、注目すべき統計結果です。

業務上疾病発生状況|
疾病者数 / 脳血管疾患・心臓疾患等(2014 - 2016)

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死亡数 / 脳血管疾患・心臓疾患等(2014 - 2016)

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図1-4 業務上疾病発生状況|業種別疾病者数・死亡数 / 脳血管疾患・心臓疾患等(2014 - 2018)|厚生労働省

※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献1|

業務上疾病発生状況|
疾病者数 / 精神障害(2014 - 2018)

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死亡数 / 精神障害(2014 - 2018)

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図1-5 業務上疾病発生状況|業種別疾病者数・死亡数 / 精神障害(2014 - 2018)|厚生労働省

※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献1|

過労死については、薬剤師の役割にかぎらず、現在注目されている「働き方改革」の職場における導入の方向性や、労働安全衛生からの対策、特にメンタルヘルスに関する年間計画策定と実行等への関心を持つべきです。

なお、人口対比ではないので、業種別の疾病者数は、各業種の占める人口割合にも依存することは、統計を見るうえで配慮すべき点です。
各業種における業務上疾病の傾向と対策を相対的に語るときは、人口対比の統計値による考察もまた必要とされます。

ポイント 1|

【A】疾病のうち、疾病者数が最も多い要因は、【B】であり、
近年(2014年 - 2018年)、【B】のうちの【C】が【A】疾病の【D】割を占める。
第2位は【E】に起因する【F】である。

A. 業務上
B. 負傷
C. 災害性腰痛
D. 6
E. 異常温度
F. 熱中症

テーマ2. 業務上疾病 / 職業性腰痛の最近の動向|

業務上疾病の約6割を占める「災害性腰痛」を含む「職業性腰痛」について解説します。

職業性腰痛に関する最新の詳細な情報としては、厚生労働省|職場における腰痛予防の取組を!職場における腰痛予防対策指針の改訂の概要等 平成25年6月 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/youtsuushishin.html に掲載されている厚生労働省|職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会報告書 平成25年6月 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034mu2_1.pdf  に科学的かつ目的に合った情報が記載されていますので、一読することをお勧めします。

職業性腰痛について|
厚生労働省 / 職場における腰痛予防対策指針から

スライド2

図2-1 職業性腰痛について|厚生労働省 / 職場における腰痛予防対策指針

※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献8

上記、報告書によれば、平成23年(2011年)の業種別腰痛発生状況は、運輸交通業 / 道路旅客・貨物運送業、商業 / 小売業、保健衛生業 / 社会福祉施設、医療保健業で発生が多く、近年の特徴としては、社会福祉施設における休業4日以上腰痛発生件数の推移を見ると、2002年の363 件から2011年の1002 件へと10年間で2.7倍に増加していることが挙げられます。

関連するイベントとしては2000年の介護保険制度導入以降の、介護労働者の増加(1.7倍)がありますが、この増加を上回って腰痛が発生していることがわかります。

職業性腰痛は、災害性腰痛(業務上の負傷に起因する疾病のうちの腰痛 / 労基則別表第1の2第1号)と非災害性腰痛(重量物を取り扱う業務、腰部に過度の負担を与える不自然な作業姿勢により行う業務その他腰部に過度の負担のかかる業務による腰痛 / 労基則別表第1の2第3号の2)に分類されます。

報告書の図表1(平成23年に発生した休業4日以上の腰痛)によれば、医療保健業および社会福祉施設 における腰痛の9割は災害性腰痛に分類されます。

本設問では業務上疾病のうち、疾病者数が多い疾病を問われましたが、併せて2000年の介護保険制度導入以降の介護労働者増加と時期を同じくする保健衛生業における職業性腰痛の著しい増加とそれに対する対策および指針を把握していることは、医療従事者の知識として求められているといえるかもしれません。

厚生労働省は、腰痛予防対策指針の普及のため、平成25年(2013年)度、都道府県労働局での周知・指導および社会福祉施設に対する労働災害防止対策支援事業を実施していくこととしました。

業務上疾病発生状況|
業種別疾病者数 / 災害性腰痛(2014 - 2018)

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図2-2 業務上疾病発生状況|業種別疾病者数 / 災害性腰痛(2014 - 2018)|厚生労働省

※集計と作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献1|

図2-2は、厚生労働省の上記統計から集計および作図した松廼屋オリジナルの論点解説グラフです。災害性腰痛は、業種として保健衛生業で疾病者数が最も多く、2014年、2015年、2016年、2017年および2018年に、それぞれ1348人、1361人、1423人、1593人、1533人と、5年間で延べ7258人が災害性腰痛によって業務上疾病者とされています。

これは、「職場における腰痛予防対策指針」が改訂された2013年の負傷に起因する腰痛(1328人)と比較して、各年毎に増加傾向を示している結果であり、当該指針( http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034pjn_1.pdf )の普及による現場での一層の対策が必要とされる現状が見て取れます。

ポイント 2|

【A】での【B】・【C】は、2002年から2011年の10年間で【D】倍に増加しており、2000年の介護保険制度導入以降の、介護労働者の増加(【E】倍)を上回る増加を示している。
厚生労働省は、2013年に、【F】対策指針の普及のため、都道府県【G】による周知・指導および【A】に対する【H】支援事業を実施していくこととした。2013年から2016年の【B】の疾病者数は、毎年、緩やかな【I】傾向を示している。

A. 社会福祉施設
B. 災害性腰痛
C. 非災害性腰痛
D. 2.7
E. 1.7
F. 腰痛予防
G. 労働局
H. 労働災害防止対策
I. 増加

テーマ3. 業務上疾病 / その他の職業病について|

3-1. 職業病リスト|

設問の選択肢には、「災害性腰痛」以外にその他の職業病(業務上疾病 / 1. レイノー病 2. 胆管がん 3. 酸素欠乏症 4. 潜函病)がありました。これらの、その他の職業病について解説します。参考となるのは、厚生労働省|職業病リスト 労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号) 別表第一の二 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/syokugyoubyou/list.html が正式な資料の一つです。この資料(労働基準法施行規則 別表第一の二)から分類を説明します。

物理的因子|高圧・潜水業務 / 潜函病・潜水病
業務上の負傷|腰痛 / 災害性腰痛
過度の負担|腰部に過度の負担 / 非災害性腰痛
過度の負担|さく岩機、鋲打ち機、チェーンソー等の機械器具による振動 / 手指、前腕等 / 末梢循環障害・末梢神経障害・運動器障害(レイノー現象:蒼白発作)
化学物質等|酸素濃度の低い場所 / 酸素欠乏症
がん原性|1,2-ジクロロプロパン / 胆管がん
がん原性|ジクロロメタン / 胆管がん

スライド3

図3-1 厚生労働省|職業病リスト 労働基準法施行規則 別表第一の二 抜粋

※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献5|

3-2. 業務上疾病 / 胆管がん|

業務上疾病としての胆管がんについて解説します。

スライド4

図3-2 印刷事業場で発生した胆管がん|厚生労働省

※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献2|

業務上疾病としての胆管がん発生の経緯及び発生メカニズムについては、厚生労働省|「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会」の報告書及び今後の対応 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002x6at.html に詳細が掲載されています。印刷事業場で発生した胆管がんが労災認定された経緯、ジクロロメタン又は1,2-ジクロロプロパンに長期間、高濃度ばく露することにより発症し得ると医学的に推定できること、そして、事業場で発生した胆管がんは、1,2-ジクロロプロパンに長期間、高濃度ばく露したことが原因で発症した蓋然性が極めて高いこと、さらに、グルタチオン S-転移酵素(GST)経路の関与が胆管がん発生のメカニズムとして考えられることなどを、ホームページ上の情報と報告書(「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会」報告 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002x6at-att/2r9852000002x6zy.pdf )で確認しましょう。

職業病としての胆管がんは、第99回薬剤師国家試験 薬学実践問題 衛生 問242-問243(論点解説|問99-242、問99-243)においてもテーマとされました。この機会に合わせて解いておくと実力アップにつながります。チャレンジしてみましょう。

なお、胆管がんそのものの病態と治療に関しては、国立がん研究センター がん情報サービス|胆管がん 基礎知識 https://ganjoho.jp/public/cancer/bile_duct/index.html が科学的かつ最新の信頼しうる情報です。コンテンツや図表を確認しましょう。

3-3. 業務上疾病 / 振動障害|

業務上疾病としての振動障害について解説します。

スライド5

図3-3 振動障害|厚生労働省

職場のあんぜんサイト>安全衛生キーワード
※まとめと作図:松廼屋|論点解説(第103回薬剤師国家試験 必須問題 衛生 問20)より
出典:文献4|

レイノー病に関しては、厚生労働省 職場のあんぜんサイト|安全衛生キーワード>振動障害 http://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo97_1.html に詳細な情報があります。振動障害は、振動工具の使用により発生します。

振動障害は、3つの障害(末梢循環障害、末梢神経障害、運動器 (骨、関節系)障害)の総称です。
手指や腕にしびれ、冷え、こわばりが発生するレイノー現象(蒼白発作)を発症することがあります。

ポイント 3|

【A】で発生した【B】が労災認定された経緯として、【B】は、【C】化学物質である【D】および【E】に長期間、【F】することにより発症し得ると【G】できることがある。
【H】は、振動工具の使用により発生し、3つの障害(【I】障害、【J】障害、【K】障害)の総称で、手指や腕に【L】が発生する【M】現象(【N】発作)を発症する。

A. 印刷事業場
B. 胆管がん
C. がん原性
D. 1,2-ジクロロプロパン
E. ジクロロメタン
F. 高濃度ばく露
G. 医学的に推定
H. 振動障害
I. 末梢循環
J. 末梢神経
K. 運動器 (骨、関節系)
L. しびれ、冷え、こわばり
M. レイノー
N. 蒼白

実力テスト|

では、問題を解いてみましょう!すっきり、はっきりわかったら、合格です。

第103回薬剤師国家試験|必須問題 / 問20

Q. 業務上疾病のうち、疾病者数が最も多いのはどれか。

1. レイノー病
2. 胆管がん
3. 酸素欠乏症
4. 潜函病
5. 災害性腰痛
(論点:職業病 / 安全衛生関係統計・災害事例)

以上の内容を、動画で論点解説しています。

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参考資料|

文献1|
厚生労働省|安全衛生関係統計・災害事例について / 業務上疾病発生状況等調査 平成26年-平成28年 第1表 業務上疾病発生状況(業種別・疾病別) http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/toukei.html

文献2|
厚生労働省|「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会」の報告書及び今後の対応について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002x6at.html

文献3|
国立がん研究センター がん情報サービス|胆管がん 基礎知識
https://ganjoho.jp/public/cancer/bile_duct/index.html

文献4|
厚生労働省 職場のあんぜんサイト|安全衛生キーワード>振動障害
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo97_1.html

文献5|
厚生労働省|職業病リスト 労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号) 別表第一の二
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/syokugyoubyou/list.html

文献6|
厚生労働省|業務上疾病発生状況等調査(平成28年)第1表 業務上疾病発生状況(業種別・疾病別)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/h28.html

文献7|
厚生労働省|職場における腰痛予防の取組を!職場における腰痛予防対策指針の改訂の概要等 平成25年6月
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/youtsuushishin.html

文献8|
厚生労働省|職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会報告書 平成25年6月
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034mu2_1.pdf

更新日:2020.01.10

楽しく!驚くほど効率的に。

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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問103-20【衛生】論点:職業病 1
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薬剤師国家試験の論点と最新の科学的根拠をリレーション

100以上の論点にフォーカス、各設問に対して、論点をまとめた視認性の高いオリジナル画像や動画解説、そして科学的根拠として300以上の信頼しうる参考資料へのリンクをご用意しました。各問に対して素早い理解と深い学びが滑らかにつながる!

必須問題、薬学理論問題、薬学実践問題の論点解説と関連する科学的根拠の原本のご紹介もさらに追加。松廼屋 Mats.theBASE BLOGに掲載されたコンテンツは、eラーニング教材の一部です。当店のeラーニング教材をご購入する可能性のあるお客様に提供する「商品の品質や内容を知っていただくことを目的とした情報開示およびサービス」として、BLOGへのリンクから、サクッとわかる!テキストコンテンツと、視認性を追求した美しいまとめの図、さらに論点解説動画を無料で体験していただくことができます。
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薬剤師国家試験対策ノートに関連する統計解析データの最新版を visual infographics を駆使して解説するサイトを matsunoya PROJECT > matsunoya STORY のサブページに解説しました。

matsunoya PROJECT > matsunoya STORY > P2
薬剤師国家試験対策ノート with visual infographics
https://sites.google.com/view/matsunoya-project/story/p2

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薬剤師国家試験の合格者数・合格率の大学別ランキングをはじめとした薬剤師国家試験の最新の結果、薬剤師国家試験対策ノートで解説している eラーニングコンテンツで用いた厚生労働統計の最新バージョンの解析など、visual infographics を駆使して詳細かつサクッと論点解説しています。
薬学生だけではなく、薬剤師の皆さん、医療従事者の皆さん、一般の企業にお勤めの方など、ご興味を持っていただける内容となっております。
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(2020.10.16 更新)

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