見出し画像

荒野のストレンジャー

クリント・イーストウッド監督、第2作目(43才)

名アクション俳優がおなじみの西部劇に帰ってきた。
世界的な評価を受けた"名無しの男"を再び演じる。
今作では、灼熱の砂漠からミステリアスに現れた流れ者が、
犯罪が渦巻く荒れ果てた町、ラーゴに乗り込む。
【amazonプライムビデオの紹介文より】

 *  *  *  *  *  *  *

【ネタバレ】

不気味な音色とともに砂漠の陽炎から現れる、
名も無き流れ者(クリント・イーストウッド)。

ラーゴという町に辿り着いた不気味な流れ者は、
町に雇われている3人の用心棒を殺し、絡んできた女を犯す。
実は流れ者の正体は、
刑務所行きとなった3人組のならず者に殺された保安官の亡霊という設定。
か、もしくは保安官の霊魂が(ホテルのベッドで)流れ者に憑依したか。

回想シーン、
保安官は3人組のならず者にムチで打たれ、なぶりものにされる。
保安官は町の者達に助けを求めるがみんなはただ傍観するだけ。
いまわのきわに「みんな地獄へ行け」と言い残して絶命。

通報により、3人組のならず者は刑務所送りとなったが、
刑期を終えたので町に復讐にやって来るという。

流れ者に3人の用心棒を殺されたため、
町は新しい用心棒として流れ者を雇う。が、
流れ者は只で飲み食いするなどやりたい放題。
粛々と、たんたんと、言葉少なに、気ままにふるまう横暴な流れ者。
ホテルをダイナマイトで爆破し、町の全てをペンキで真っ赤に塗らせる。

流れ者の全ての行動原理は、保安官の怨念にあり、
自分を見殺しにした町の者達に復讐を果たし、町を焼き払い、
地獄と化した町に舞い戻った3人組のならず者をなぶり殺しにする。
そして不気味な音色とともに砂漠の陽炎に消えてゆく。
という物語。

滅茶滅茶なストーリーですが、1973年という時代はそんな時代でした。
映画でもドラマでも音楽でも漫画でも70年代は途方もなく滅茶滅茶。
何もかもが尖ってギラギラしていて、だけど細部はいい加減で大ざっぱ。
そこが良かった。細部がいい加減で大ざっぱなとこが。
今は作品のちょっとした事の揚げ足を取るなど、窮屈で五月蠅い。
そんな環境では傑作が生まれにくくなるからね。困ったものです。

 *  *  *  *  *  *  *

1973年 米国 西部劇映画
監督 : クリント・イーストウッド
脚本 : アーネスト・タイディマン / ディーン・レイスナー
出演 : クリント・イーストウッド / ヴァーナ・ブルーム /
   マリアンナ・ヒル

https://amzn.to/3hZ4CrJ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?