eスポーツ市場を拡大させるため、個人的にしていることの話。

長いことnote書いてなかったのですが、自身の仕事も大きくミッション変更したことで、なかなか投稿する機会を失ってしまっていました。
かなり久しぶりですが、自分なりに最近感じていることを書きたいと思います。
結論から言えば、「いかなる顧客に出会ってもすぐに提出できる資料は準備しておきましょう!」というごくごく当たり前の話です。

「日本のeスポーツ市場は拡大しているのか?」

いきなりその問題かと思うかもしれませんが、まずはここを知ることも重要かと思いまして、冒頭に記載しました。
間違いなく伸びてはいるように感じています。
顧客の種類も多岐にわたってきていますし、扱う絶対額が少しずつ大きくなってきているのも事実あります。おそらくeスポーツに興味があって、このnoteを見つけていただいた方からもある程度の同意を得られると思います。
よく見るeスポーツ市場調査を見るとですが、2026年度には500億円に市場が拡大していくであろうと予測がでています。
ちなみに2022年は100~120億円くらいでしょうか。
具体的な数値が出ている2023年度では180億円の市場予測となっているので、約2.5倍に伸びですね。
(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000035568.html
※2021年調査結果をもとにしてます。
※最新のものがあれば、教えてください。

同規模の国内市場を調べてみたのですが、100‐200億円の国内市場でいうと、
・焼き肉のたれ(198億円)/ソース(188億円)/ケチャップ(177億円)
・アダルトゲーム(185億円)
・お茶漬け(175億円)
・声優(149億円)
・ラノベ文庫(145億円)
・プロレス(135億円)
・お好み焼き/たこ焼き(130億円)
・サバゲ―(105億円)
・ボカロ(104億円)
・アイドルマスター(100億円)
らしいです。

2026年に到達するであろうと予測されている500億円の国内市場は、
・麻雀(480億円)
・スポーツくじ toto(469億円)
・ポテサラ(450億円)
・食玩(432億円)
ちなみに以下のサイトを参考にしているのですが、多少データが古いかもしれませんので、あくまでもご参考までに。
(参考:https://stat.visualizing.info/msm

ということで、500億円の市場にeスポーツが成長すると、より身近なエンタメコンテンツになっているということでしょうか。

間違いなくTVや新聞など様々なメディアでの報道、SNSに投稿される大会開催告知・開催報告、様々な企業がeスポーツへ参入、自治体がeスポーツに取り組んだり、様々なeスポーツ関連のサービスがリリースされるなど、eスポーツに関するニュースは見ない日はほとんどなくなってきている感じがします。
メジャーではないものの、少なくても日本でもマイナーカルチャーから少しずつ脱してきていることは間違いなさそうです。

【eスポーツの理解は進んでいない!?】

メディアやSNSの普及でeスポーツ自体、”認知”はされました。
eスポーツに真摯に取り組んでいる企業や団体に所属する皆さん、またeスポーツに興味関心を持っていただいていてSNSで拡散をいただいている皆さん一人ひとりのご協力や尽力によって獲得できたことだと思います。現在eスポーツ関連の業務についている身としては、これは本当に、本当にありがたい話です。

しかしeスポーツを”理解”したかどうかについては疑問です。
というのは、仕事の問い合わせを紐解くと、以下の2つの問い合わせにいきつきます。

①「eスポーツ」というのが流行っているので何かやってみたい
②「eスポーツ」を活用したマーケティング施策を行いたい

①も②も似たようなものかもしれませんが、大きく差があると個人的には感じてます。
①の質問をいただく方は、ほぼeスポーツを”理解”しておらず、あくまで”認知”しているレベルです。流行っているから何かやってみたい、上司からの指示で調査しているなどがほとんどです。
②の質問をいただく方は、ある程度のeスポーツに関する基礎知識(担当者ご自身がeスポーツが好きだったり、事前にかなり下調べをした方)があり、自社のサービスや製品の販売に寄与するマーケティング施策として活用したいという具体的なお話をいただきます。

どちらにせよ①も②の問い合わせも、eスポーツに興味を持ってもらえたことに非常に感謝しつつ、①の問い合わせと②の問い合わせで資料の使い分けをしているので、ご紹介させていただきます。

【①「eスポーツ」というのが流行っているので何かやってみたい顧客向け資料】

当たり前の話かもしれませんが、eスポーツを”認知”している程度の顧客にいきなりスポンサーメニューや企画案を当てたところで、なかなか理解はされないと思います。そのため、最近私は以下を丁寧に説明する資料を常に準備しています。
・eスポーツ世界市場と国内市場の予測
→まずはeスポーツとは何なのかを理解してもらう上で数字を見せるのが比較的分かりやすいので冒頭にお見せしてます。よくある営業資料と同じですね。eスポーツは今後期待の持てる産業であることをまずは理解してもらうことが冒頭で大事になるので、最新のデータを調べて入れるようにしています。が、なかなか出てこないデータもあるかもしれませんが、多少古くても1-2年前のデータであれば問題なく入れています。多少の差はあれど、凡そは変わらないので。

・問い合わせしてきた顧客の身近な市場とeスポーツ市場の比較
→問い合わせしてきた顧客が主たる市場とeスポーツ市場との比較もだすこともしています。できる限り自身の業界と比較してどのくらい成長していく可能性があるかを見せるために毎回この部分は資料を作り直しています。ネットで調べればだいたいわかるので、作り直しにそんなに時間はかかりません。もちろん顧客によっては市場に雲泥の差(例えば自動車業界、電機業界など)がある場合は、あまり意味がないので出していません。顧客に応じて出す出さないかは個人で決めていただくのがよいかと。

・現在のeスポーツにおけるステイクホルダーの説明
→eスポーツに関するステークホルダーを簡単に説明する資料を入れています。これは顧客のユーザーと親和性があるか、または今後新規ユーザーとして取り込める可能性があるかどうか、また顧客の競合が参入しているかどうかなどを知ってもらうため入れています。
主だったところで言うと、eスポーツユーザー関連(大会参加者データ、配信視聴データ)、eスポーツ参入企業一覧(どんな企業が、どんな形で参加しているかをまとめた資料)ですね。常日頃からスプシなどで管理していると出したいところですぐに出せるので、意外と便利です。

・具体的な事例
→eスポーツに関わる具体的な事例をいれています。これもネットで調べればすぐに事例がたくさん出てくると思うので、業界を分けて事前に作成しておくとよいかと思います。Googleスライドなどでフォーマットを作って共有しておけば、同僚にも入力してもらえるので便利です。
また事例で一番良いのは顧客の競合の参入状況が最も良いかと思います。可能であれば、定量、定性のレポートが入っていると尚可ですが、なかなかすべてをウォッチしきれないと思うので、配信されていたのでれば現時点での視聴数値やSNSでの書き込み例などまとめるようにしています。

・eスポーツタイトルの詳細
→顧客が知っているeスポーツタイトルは、凡そJeSUの公式タイトルです。(参考:https://jesu.or.jp/contents/license_system/#license_ttl
もちろんJeSU公式タイトルの理解度も顧客それぞれで違うので、踏まえてeスポーツタイトルを説明する資料を作成しています。
実はこの資料がめちゃめちゃ重要と個人的には思っています。eスポーツを”認知”している程度の顧客は、eスポーツ大会を開催すればプレイヤーが勝手に来ると思っている節があります。
しかもかなり多くのプレイヤーが。。。親子連れが。。。コミュニティが。。。
ここが非常に問題で、採用するタイトルの重要性が理解されていません。そのため、前述した市場や事例の資料も重要ですが、ここをしっかり説明しなければ、後で後悔する可能性が高いです。
つまり、「eスポーツ大会は実施したけど、結果期待していたほど集客できなかった」=「eスポーツダメじゃん」=「継続しない」みたいな図式になることは避けなければなりません。そのため私は”タイトルの人気度”、”プレイヤー認知度”、”大会運営のしやすさ”、”集客力(プレイヤー、来場者)のありなし”を一覧化しています。そのうえで顧客がeスポーツを使用して何がしたいのかをきちんと整理して、どのタイトルが最適かを提案するようにしています。

eスポーツをまだ認知程度の顧客に対してのファーストステップとしてお渡しする資料としては、上記をまとめておけば理解を深めていただくことができると思います。もちろんこれだけで参画していただくわけではないので、あくまでもファーストステップの資料としてお考え下さい。

【②「eスポーツ」を活用したマーケティング施策を行いたい顧客向け】

【2「eスポーツ」を活用したマーケティング施策を行いたい顧客向け資料】

前述したようにこの問い合わせをいただいた顧客は、事前にeスポーツの基礎知識をある程度持っている場合が多く、具体的なプランや企画をいきなり当てやすいですね。その際、以下が重要と考えています。

・具体的な数値面の定時
→当然ながら、具体的にeスポーツを活用したいと考えている顧客は、どう自社サービスや商品にeスポーツが貢献してくれるかが重要と思っています。説得するための分かりやすい指標が数値です。当然ですね。大会にスポンサーしていただくのであれば、過去大会から現在における視聴数値や参加者数、配信ユニークユーザーなどを事前にまとめておけば分かりやすいかと思います。
また過去大会に参加したプレイヤーや視聴ユーザーからのアンケート結果によっていかに貢献できているかを顧客に伝えることも重要ですので、このあたりはしっかりと集めて、分析して、顧客に提示しましょう。説得力が全く違います。

・アレンジがしやすいかどうか
→ここも重要なポイントですね。パッケージプランを提案するのはベースとしてあって問題ないと思いますが、ただ顧客にとっては参考でしかありません。そこからいかに顧客の要望に沿ったプランにリプランできるかどうか、その自由度も非常に重要です。顧客の要望を満足させれば参画していただく可能性はぐっと上がります。ここは制作チームとの調整がかなり増えてくる部分かと思いますので、常日頃から制作チームと何ができて、何ができないかをきちんと把握するようにしておけば、顧客との会話の中で即レスできますし、印象もぐっと変わります。

個人的に①の資料は汎用ですので、一度作っておくと半年くらいはそのまま使えますし、会社案内に添付して渡すことも多いので、個人的には非常に便利でかなり使用しています。
②は各社で持っているコンテンツが違うため、それぞれの特色ある提案書があると思いますので、あくまでも参考までしていただける幸いです。

長々と書きましたが、最近感じていたことをまとめてみました。
もし何かのお役に立てれば幸いです。

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