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リアル 小説は奇なり

某国営放送の
『未解決事件』という番組で、
松本清張先生と帝銀事件の話を観た

松本清張先生は
ノンフィクションで書きたかったと
無実の人が死刑になる事を
曖昧をリアルに見せかける小説よりも
ノンフィクションで書きたかったと

しかし時代はまだそれを許さなかった

いや、
今も許さないのかも知れない
一握りの人間が
今もこの国を牛耳るのだから
今の時代も
闇に葬られる事件が事故扱いされるから


そんなこんなで
松本清張先生の作品を思い返した
どの作品も“限りなく黒に近い”のだ
小説は自由だ
想像を広げる事もできる

でも
松本清張先生はとにかく調べ上げた上で
本当は“黒の正体”を確信として書きたいが
寸での所で暈された
私はいつも不完全燃焼だった
ノンフィクション、読んでみたかった


そんな小説書きの中に、
横溝正史先生が居られた
子供の頃出会い
貪る様に小説を読み漁った

横溝正史先生は正統派小説書きである
松本清張先生の様に
緻密に事件を調べ上げる所があった
しかしそれをノンフィクションにせず、
小説に昇華させた
悍ましげな探偵小説に

帝銀事件も題材にしている
『悪魔が来たりて笛を吹く』は
完全にフィクション、小説だ

どの小説も、ほぼ、関係者は殺した
救いを持たせず、
困ったもんだの探偵をふらつかせた


近しい時代を生きた作家二人
何処に要点を置くか、
これに大きな違いがあり、
小説の色を変えた

松本清張先生の小説を
“限りなく黒に近い”とさせていただいた

横溝正史先生の小説は
“灰色に混じる妖艶な赤”かと思う
死がついて回るのに
色が濃い作品なのだ
色とは色情であり、怨情でもある

松本清張先生の作品にも色はあるが
男っぽい気がする
横溝正史先生の色は女のそれだ

この二先生のさらに上いく好き色は
江戸川乱歩先生だな
少年探偵団を書くのに
明智小五郎にしても
大人バージョンと少年探偵団バージョンで
読者層の幅を思いっきり広げた

『陰獣』
題名がそのものやん、色のそれ
そこにサスペンスの灰色や
艶っぽい赤や
限りなく黒まで入れ込んでた


えーっと、
好きな作家を上げる話ならば
もっといるのできりがない


今回はこの辺で
お後がよろしい様で


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