『怪談刑事』青柳碧人著 ザッツ・エンターテイメント!
青柳碧人先生の単行本になります
こちらも柳家権之助師匠のXだったかなと思います、表紙でやられたー!と思いました
“怪談刑事(デカ)”爆誕です
前に書かせていただいた『怪談 青柳屋敷』で、ご自身も怪談をお持ちであると明かした先生ですが、だから面白いだろうなという前予想で購入しました
ご存知ない方ですと『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』の“赤ずきんちゃん”シリーズはその表紙絵(五月女ケイ子先生)が印象に残って、お話がこれまた笑って頷く内容で入りやすいかと思います
✳︎橋本環奈さん主演の映画、ありますよ
さて…今回はどこまで書こうか…悩みます
読書感想文には変わりないです
では、いつものから
【表帯】
警察庁「呪われ係」が、怪奇な未解決事件に迫る!
容疑者(ホシ)は…怨霊?!
古今無双のミステリ×怪談小説誕生。
【裏帯】
怪異を信じない刑事vs.怪異が大好物の怪談師
奇妙な未解決事件事件の真相はー
✳︎
警察庁の本庁地下4階に存在する「第二種未解決事件整理係」。怪奇現象めいた未解決事件を再調査する部署で、「呪われ係」とも呼ばれる。ここに突然配属されたベテラン刑事・只倉恵三は渋々調査を引き受けるが、愛娘の彼氏である怪談師が現れてー?!
もうこれだけでもワクワクする私でございます
先生の軽いフットワークが初めからどどーんと出てまして読み進められました
(ご愛嬌な所もありますがね)
第1話から第6話+エピローグから成り立ちます
単体でも短めですが、これは頭から順に読んでいただきたい作品です
根っからの所轄刑事の只倉は、妻と25歳独身の娘日向(ひなた)と3人暮らしをしていますが、怪談なんていう怪しいものが好きな日向が連れてきた怪しい彼氏ー関内炎月(芸名)はいつも和服姿でぐしゃぐしゃな髪でどうしても好きになれない…は、父親の世の常的な事ですが、ましてや現実派の刑事ですから、余計に怪しさが嫌い!という感じです
でもこの炎月さん、来る度にお客様からいただいたという銘酒をお土産に持参する…これは好きみたいです
帯書きを記しましたので、どう言うお仕事かはご理解…てか、そうなんだ、と思っていただけたかと思いますが、只倉はやはり「何で怪談なんだー?!」と思いながらも今までの経験を活かして現実の事件として処理(再調査を事件の所轄に振り戻す事)していきます
でもその度に何かしら…ある、というと事にも違和感を覚え始めます
でも頭を振り振りして邁進していくのです
いやー、清々しい方です
そして、イヤイヤしながらも、事件にいつも関わって、最後に「お義父さん、この話、僕にください!」とせがむ炎月さんとの絡みもお話を楽しくしています
怪談師ですからね、ネタは多い方が良いんですよね
その度に「お義父さん言うなー!」と怒鳴る只倉も可愛らしいおじさまです
私、これは頭から順に読んでいただきたい作品です、と先に書かせていただきましたが、謎を解く度に只倉が感じる違和感が鍵になっているからです
また、只倉だけでなく、読者にも違和感を与えています
勘の良い方ならば、先の方で謎が解けるかも知れません…が、答え合わせを確りしていただくためにも、楽しんでいただくためにも最後まで読んでいただきたいのです
ここまで書いてますが、私、中身を殆ど書いてませんよね
書いたらこの作品の面白さを打ち消してしまうからです
ザッツ・エンターテイメント
これを楽しんでいただきたいのです
でもね、こういう部署、本当にあってもおかしくないと思います
どうにも解決できない理由は様々ですし、またそういう理由にかこつけて処分された事件もある訳で、それは放置してはいけないんですよ
神隠し事件ー柳田國男先生が集められた『遠野物語』もその中に「山人」の話として挙げられていたり、他にもありますが、普通にミッシングは起こっているのです
✳︎柳田國男先生については、
後期それらを打ち消すかの言動も
ありますが、それは置いておきます
また最近漸く解決しそうな児童殺傷事件についてもいろいろ言われてしまう事もあったと思いますが、結論、人による事件だった訳で、未解決のままにするのは駄目なんです
少し話が逸れましたので、もとい
本格刑事ものの要素と、怪異が素晴らしく融合した傑作娯楽本です
是非シリーズ化して欲しいです
サクサクっと読めますので、
読んでみ
追記
このお話の中に怪談界隈で超人気の方々が名前を変えて出てきます
(名前を借りただけ?どうかな?)
その中に
Youtube『不思議大百科』で人気の
オカルトコレクター田中俊行さんと元火葬場職員(ミュージシャン)下駄華緒さんと明らかにわかる人物が出てきて笑かしてくれます
ちょっと変な関西弁でね
そういう所も(くすっ)と笑って読んでいただきたいですね