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【2/15開催】中央地区「市長選挙立候補予定者との懇談会」発言メモ

2月15日に大手公民館で開催された「市長選挙立候補予定者との懇談会」。仕事終わりに参加できたので、各候補者の発言メモをアップしておきたいと思う。書き起こしではなく、要約である点はご容赦願いたい。

当日の議題

中央地区から立候補予定者に対して、懇談項目が5つ提示された。発言時間は各項目につき、ひとり4分に設定されている(時間が過ぎたら強制終了)。

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①立候補の理由

臥雲義尚さん:松本駅前の新伊勢町の生まれ。松本城の周辺をとおって開智小学校に通っていた。松本駅から松本城までの賑わいが自分にとっての松本の原風景。
NHK時代の2014年に発表された地方消滅の本や消滅可能性都市リストがダメ押しだった。掛け声だけで東京一極集中が止まらない地方創生ではなく、地方衰退に歯止めをかけ、故郷の松本で新しいまちづくりを実現したい。そう思い、4年前挑戦した。時代の変化の中で、松本市が他の都市が羨む地域資源、自然環境を持っている。そういうものを最大限活かしながら、誰も置き去りにしない、どの地域も取り残されない松本を作っていきたい。
4年間かけてもう一度松本について見つめ直し、勉強し直した。松本市内の35地区それぞれが抱えている課題を肌で感じている。4年前とはまた違った覚悟で2度目の挑戦をしたい。

花村恵子さん:高校まで松本で暮らしていた。小さい頃は都会に出てみたいと思っていた。一度離れたからこそ、東京から帰ってくるたびに松本の良さを実感、再認識していた。そんな思いもあり、自分のふるさとをもっと元気にしたいと思い挑戦している。
テレ朝を辞めた後、介護の現場で働き、介護のこれからを大変危惧している。介護の現場で、一人でできることの限界を感じたことが立候補の理由のひとつ。
記者時代にも大切にしていた事は、弱い立場の人たちの声を聞くこと、届けていくことの重要さは欠かせない。ひとりひとりの声を聴いて、松本のまちづくりに活かしたい。松本は自然・文化・人の力が素晴らしいところ。点と点をつなぎ合わせ、可能性を広げていけば松本はもっと輝ける。まだまだ松本の可能性と力はある。これからの松本を考えるとたくさんの夢と希望がある。子供達の未来を子供達とともに作っていきたい。安心して地域で暮らし続けられるような松本を作っていきたい。

大月良則さん:すいか専業農家の長男。立候補の原点は地域の人たちに温かく育ててもらったこと。その地域の皆様に感謝したい、恩返ししたい。
県の健康福祉部長として働いてきた。インバウンド観光の促進も担当。地域づくり、まつもと空港の活性化も担当。台風19号の被災者支援も担当。自分の行政経験は大きな時代の転換期、400億円規模のハード整備と中核市への移行を控える松本で活かせるはず。
母親の介護を経験し、大変さとありがたさを実感している。産休が3ヶ月しか取れない時代で、必死に子育てをした経験もある。
いまの日本の社会を変えていきたい。人と人の絆が必要。引きこもりや虐待などが大きな問題になっている。地域コミュニティの再生が解決の鍵であり、暮らしやすく安心できる松本を実現し、松本から日本の社会を変えていきたい。

百瀬智之さん:環境先進都市・松本を市民と本気でつくりたい、というのが立候補の理由。新型コロナウィルスが流行っているが、気候変動による動植物の生息域が変わることが疫病の原因という話もある。そして昨年は台風も大変だった。
松本は環境非常時代宣言を出しているが、松本から時代をさきどる政策を実施していきたい。SDGsという流れがあり、松本市こそSDGsに先立って取り組んでいく必要がある。いまがターニングポイント。
経済活性化も重要であり、10項目中3項目で具体的政策を出している。女鳥羽川の河川整備による地域の賑わい創出、空き家・空き店舗の活用によるエリアの再生、県立美術館の別館誘致を行うことで都市づくりができる。自然と既存の建物を活用することによって、まちづくりを進め、環境先進都市・松本が実現できると考えている。

上條邦樹さん:菅谷市政への批判が立候補した理由。4年前、多選を批判する垂れ幕を千歳橋のビルに掲げた。私事だが昨日はバレンタインデーでチョコはもらえなかったが、3人目の赤ちゃんが生まれた。
4人の立候補者が深志高校の出身でこのままでは深志のOB選挙になってしまう。他の高校の立候補者も出たほうが良いのでは、と思った部分もある。
菅谷市政の継承や一定の評価をしている立候補予定者ばかりだが、自分は一切評価していない。特に最後の4年間は、菅谷さんは何もしていない。健康寿命は松本が長野県最低となっている。一人くらいは菅谷市政をバッサリ断ち切る人が必要ではないか、と思っている。
松本の長所はポテンシャルが高い、宝がある。だが、宝の持ち腐れだと思っている。良い部分が日本や世界に広まっていない。
大名町で両親が喫茶店をやっている。(時間切れ)

②松本城南・西外堀復元事業について

花村恵子さん:堀を復元するために泣く泣く地域を離れたという話は本当に感じるところがある。この話を市民から聞く中で行政への不信感があると考えている。本来は水を湛えたお堀の復元をすべき。現状は平面整備となっている。住民が不安に思っているので、まずは説明が大事。寄付が集まれば復元することが可能なはず。したがって、寄付も含めてお堀の復元を検討していきたい。

大月良則さん:大勢の市民が城のお堀を復元するということなら仕方がない、ということで土地を手放している。土壌汚染の問題は叡智を集めて解決できるはず。古城会の人たち含め、世界遺産の活用に向けて動いている。浄財(寄付)を集めても、水を湛えたお堀を実現したいという思いは大切に、尊重したい。住民と対話しながら、世界遺産の復元に向けて松本城のお堀復元に向けて動いていきたい。

百瀬智之さん:先のふたりとほぼ同じ。経過を踏まえた対応をしたい。外堀の復元をしっかりとしていく。公金の支出に関して様々な問題があるので、民間資本と知恵を使って何とかしたい。復元も環境先進都市の一環として重要と考えている。

上條邦樹さん:菅谷市政の肝いり事業だった。自分はこの問題に詳しいので配布資料には回答をたくさん書いた。すぐに外堀を復元し、きれいな水を湛えた堀を実現する。堀の土地所有者は組合。土地の一部を松本市に売却したときに、土壌汚染をきれいにする契約になっている。契約書があるのだから、まずは地権者に土壌汚染の対策費用を請求する。
事業が頓挫したことの謝罪を一人ひとりにしたい。菅谷さんは頓挫したことを半年くらい謝らなかった。過去16年で誤ったのは一回だけ。内堀でヒ素が出ているから外堀でも調査すべきだった。クラウドファンディングやマスメディア等を活用してなんとか復元したい。

臥雲義尚さん:松本城や周辺を含め、世界水準の歴史観光エリアにするという目標を掲げたい。その第一歩として外堀の復元事業を可能な限り速く実現する。現行法では撤去費用を公金で賄えないため棚上げになった。土壌調査を早くやらなかったという瑕疵がある。
行政が身動き取れない状態。行政と政治は違う。行政は既存法の枠内で実行する。政治は既存法が現状とそぐわなければ、リーダーシップを発揮して合意形成を行う。前提として市長は政治家。この問題は政治家として市長がどのように向き合うか?という問いでもある。事業の必要性を全市民に向けて説明していく。
資金調達の方法はクラウドファンディングやふるさと納税など様々な方法がある。あらゆる方法を総動員して、10年前に打ち出された外堀復元事業は、世界水準の歴史観光エリアにするという観点からも直ちに推し進めたい。

③市役所新庁舎の現地再建について

大月良則さん:これまでに民主主義の一定のプロセスを踏みながら議論が積み重ねられてきた。これは尊重すべきと考える。特に市役所の建設は、道路や都市計画を同時に考えながら検討が進められるもの。だから、建物だけをポッと他に持っていくのは難しい。道路の問題もある。検討委員会で検討された4つの候補地を、都市計画との整合性を検討した上で現地建て替えになっている。
また、災害が常態化している中で、災害時に現在の市庁舎が持ちこたえられるのか。東日本大震災の時に多くの市庁舎が災害時に崩壊して対応できなかったという話がある。危機管理の観点から建て替えは現地建て替えを基本としつつ、市民の意見をしっかり聞く場は市長として設定したい。さらに分かりやすい説明は行っていきたい。特に市庁舎は松本市の発展や中心市街地の発展に重要。空洞化を避けるためにも現地建て替えがベスト。

百瀬智之さん:これまでのプロセス重視して、現地建て替えがベストと考えている。その上で環境先進モデルとなるような施設にしたい。エネルギーの自給・各フロアでの使用量検証、雨水の循環など。そういった建物が市の中心にあることが非常に重要。将来的には市役所だけではなく、周辺エリアを巻き込んでの環境循環モデルを実現したい。

上條邦樹さん:現地の建て替えは白紙に。議会は通っているが、現地での再建しか決まっていないのが現状。現地建て替えが決まる際には、市民の声を聞いておらず、5人の検証委員で決めている。現地建て替えが決まった後に70回以上ワークショップをやっている。
議会に報告されているが、松本大学の教授が松本城は世界遺産になる訳ないから現地で良いのでは?と話している。
また、現地と他所での建設に際して建設費用の試算と比較を検証していない。議会で決まったことをそのままやるなら、市長はいらない。ひっくり返すために市長はいる。議会も騙されている。ICOMOS(国際記念物遺跡会議)に聞いていないにもかかわらず、松本城の世界遺産登録に市庁舎建て替えは支障がないと報告していた。だからこそ、住民投票も交えながら行うべき。

臥雲義尚さん:市役所の60年の歴史や周辺市民の想い入れがあるのは事実。これらは尊重すべきこと。未来を展望したときに松本城周辺がどうあるべきなのか、技術が進歩する中でどうあるべきなのかを考える必要がある。市役所の建て替えにかかる問題を市長選のテーマにしたい。
松本城はこれからインバウンド需要に応えていく存在。市民が憩う場所であり、富をもたらしてくれる場所にしていくべき。市役所は街のシンボルになってきた。これからは行政の手続きは住所に近い所で、あるいはオンラインでできる時代。市役所の仕事は、住民の近く、現場で働き市民の声を聞くこと。地域分散型の市役所を根本にすべき。現地建て替えは庁舎の問題だけではなく、市役所の仕組みや役割を根本から問い直す類の話。この観点に立てば、松本城の東隣に現在より4割以上も大きな建物を建てるべきではない。35ある地域づくりセンターに人員や予算を配置し直す。

花村恵子さん:市庁舎は現地建て替えが望ましい。昭和34年の建築であるため、耐用年数を越えている。災害時のリスクもある。可能な限り速やかに建て替えるべき。現在の場所になった経緯にも重い意味がある。現地建て替えは検討委員会と議会で決まったこと。この経過が不透明なら、見直しになる。同じ様な時間をかけるプロセスを再び繰り返すのか、という点が重要。
市役所は市民や観光客に開かれた魅力的な場になる必要がある。機能的にはスリム化していく方向性はある。しかし、もっと魅力的な市役所にしていく方向性もある。場所は松本城やアルプスが一望できる魅力的な場所。どんな場所にするかは検討の余地がある。攻めの市役所にしたい。

④旧開智学校校舎の国宝指定と松本城について

百瀬智之さん:人を呼び込むエリアをしっかりと作っていきたい。課題となるのは交通。周辺を回遊し歩いて楽しめる街をどのように実現していくかが重要。駐車場や歩道の整備をしていく。環境に配慮した交通系の技術開発は進んでいる。トラムの実現を責任を持って行いたい。駅前からの導線をしっかりしていく。車を気にせず誰もが、低料金で回遊できる手段を確保したい。

上條邦樹さん:松本城は世界遺産登録へのロードマップを細かくつくるべき。どれだけ時間がかかっても取り組む。松本城の観光客数のランキングは22位。軽井沢の10分の1、善光寺の8分の1。松本城は善光寺に劣っているとは思えない。PRが足りていない。
旧開智学校の観光客はランキング圏外。城周辺のグランドデザインを示して、整備していく。駐車場が点在していることや歩きづらさを解消し、遊歩道の整備なども行う。LRT(次世代型路面電車システム)を通したい。バスは分かりづらい。二の丸と三の丸も復元していきたい。司祭館もPRしていきたい。しっかりPRしていきたい。

臥雲義尚さん:繰り返しになるが、松本城周辺は世界水準の歴史観光エリアにする。松本市民が思っているほど、エリアの魅力を感じてもらえていないことはシビアに受け止めなければならない。観光客数は頭打ちになっている。リピートしたくなるような観光地になっていないのではないか。そういう声を聞いてきた。国宝が2つあるエリアというのは千載一遇のチャンス。
少なくとも太鼓門前にある本庁舎は開放すべき。市民のアイデアを取り入れながら最も相応しい使い方にしていく。市周辺は経済・金融エリアから脱却していくフェーズ。大きな視点で世界水準の歴史観光エリアにすべきだし、賑わいを生み出していくべき。車の流入制限、電柱・電線ゼロ、再生可能エネルギー活用にエリア全体で取り組む。観光・環境・文化を総結集するエリアとして整備していきたい。

花村恵子さん:国宝がふたつ並び立つ場所、環境は貴重。立候補者全員が同じ思いである。松本への滞在時間は短い。インバウンド観光客も松本城だけを短時間見て帰っていく。周辺も含めて長時間滞在する仕組みが必要。
旧開智学校と松本城の間の歩道の整備がまずは重要。車椅子の方も通りにくい。ユニバーサルデザインが重要。開智学校の使い方は可能性がある。展示だけではなく生きた博物館に。明治時代の授業再現をもっとやってもよいのではないか。文化の薫る旧開智学校の使い方が重要。ふたつの国宝と新博物館、周りの店も含めて整備していくことで、エリアを活性化していきたい。

大月良則さん:人が歩くことで賑わいを創出する、ということがテーマになっていくだろう。国宝がふたつあるのは素晴らしいこと。ポイントは松本市内全体をどう回遊してもらうのかということ。まずは市内をどのようにデザインするかを考える必要がある。その上で無電柱化や歴史観光エリアの整備を検討していく必要がある。周辺エリアを歩きたいと思える環境整備をどうやっていくか。中心市街地のデザインをしっかりしていく。商店街・市民と一緒になってデザインしていく。例えば、無人運転の電気自動車の導入によって疲れたときにも回遊できる仕組みづくりを行っていきたい。

⑤少子高齢・人口減少社会への将来ビジョンについて

上條邦樹さん:子どもファーストの松本を掲げている。財源としては、私債を発行してでも子どもの優遇政策をしなければならない。待機児童がいる問題が松本でも起きている。潜在的待機児童含めると200人弱はいる。隠れ待機児童(既に200人くらい待機児童がいるなかで、書類をいっぱい書かないといけないと言われ、親が託児を諦めざるを得ない状態の児童)的な子たちもいるかもしれない。東京都北区の事例を踏まえると、隠れ待機児童は顕在化している待機児童の2倍程度。子供の4人にひとりが貧困層。特養の問題もある。400人待ち。これは解消しなければならない。

臥雲義尚さん:健康寿命延伸都市というブランドイメージがある。これは財産になる。内実に関しては、これからがスタート。地域包括ケアシステムについては、システムではなく関係者が自助努力で見守り事業など取り組んでいるのが現状。本来は医師・歯科医師・介護師などが同じテーブルについて仕組みを作っていかないといけない。必要なのは行政のコーディネート力。
分散型の市役所ということや地域づくりセンターの抜本的強化にも含まれている。子どもを生み育てるのに適した松本を実現するために、予算を大幅に増額すべき。校長の裁量で地域の実情を踏まえた特色ある学校づくりが必要。このためには、事業の棚卸しが必要。半年を目処に再点検したい。

花村恵子さん:人口減は予想より緩やかだが進んでいる。子どもをしっかり育てられる環境づくりが重要。様々な施策を打っているが不十分・できる施策がある。夜間保育の拡充、待機児童ゼロ、医療費無償化やインフルエンザ予防接種への助成。明石市のようなひとり親家庭に対する養育費の建て替えパイロット事業。市長コーディネートのもと、女性サポートチームの立ち上げを行いたい。男性が育休を取りやすくする環境づくりも行う。移住者が増えるようにPRをしていきたい。若者が出ていってしまうので、民間企業と協力して雇用確保に向けた地域活性化をしていきたい。

大月良則さん:果たして松本にも、東京発の地方消滅予測が到来するのか?と思っている。松本の未来は違うのではないか。人口増加社会を松本は実現できるはず。人口減を前提化した市政運営は違うのではないか。1年間に1000人の移住者を誘致したい。信大には学生の7割が県外から入ってくる。松本に若者が定住する施策を打つべき。

百瀬智之さん:自然資源の循環(エネルギー政策)・人の循環(交通政策)に加えて、ライフステージの循環を考えるべき。市外に進学した子どもが戻ってこないのが問題。そのためには中心市街地が極めて重要。これまでの都市政策の大きな反省点がある。商業地域・工業地域に設定されると夜に人がいなくなる。居住エリアは昼に人がいなくなる。昼も夜も人が滞留する地区を整備していきたい。民間の商店街のまちづくり支援を空き家空き店舗を活用しながらしっかりとやっていきたい。

以上。

この後、質問タイムがあったが、それはまたの機会にまとめる予定だ。要約であるため、聞き漏らしや聞き間違いがあるかもしれない点はご留意頂きたい。

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