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マーケティング観察 #005 法人向け名刺管理サービス「Sansan」

こんにちは。matsumotoo(@matsumotoo988)です。

今回は日本でシェアNo.1の法人向け名刺管理サービス「Sansan」について、観察していきたいと思います。2007年に創業し「名刺を企業の資産に変える」をコンセプトに事業をしており、現在では7,000社以上に導入されています。

こちらの資料によると、法人向け名刺管理サービス市場は2018年→100億円、2022年→136億円規模になると見られており、その中でSansanは80%以上のシェアをしめている圧倒的優位なサービスになります。

またこちらの記事では、事業部長の方が海外含め導入企業を増やしていき、「2019年国内外を合わせて1万社にまで引き上げる」と目標を示しています。

3C分析

少し前のデータですが、統計局が出した企業数が約409万社(平成26年)だったので、日本国内法人向け名刺管理サービス市場としてはまだまだ規模が伸びる余地があると思いますので、Sansanとしては市場拡大&シェア拡大を進めていくと思われます。

また日本のみならず海外でも事業を行なっており、日本の成功モデルを海外展開しているのではないか?と推測されます。(こちらによると、英語/中国語など全10ヶ国語にも対応とのこと)

4P分析

こちらで特に気になったところはPromotionとPlaceの2つです。詳しくは以下になります。

Promotion:リード獲得経路について

仮説ベースですが、簡単に以下にまとめてみました。一般的なtoBの流れだと思うのですが、以下気になったところです。

(1)個人→法人へのサービスの普及があるのではないか?
Eight/Sansanはサービス対象は違いますが、Eightでクラウドで名刺管理する体験・文化の経験が担当者/社員があった場合、かなり導入ハードルが下がるのではないかでしょうか?(github/slackなどのようなインフラ系ツールに見られるパターン)

(2)オフラインセミナー経由での商談化がそれなりに大きな割合をしているのではないか?
toBマーケティングの王道ですが、Sansanの場合は、以下のような大規模イベントも実施しており、1回のイベントでも相当数の見込み顧客が発生していると予想されます。

Sansan Innovation Project 働き方2020@ザ・プリンスパークタワー東京
Inside Sales Conference 2018@虎ノ門ヒルズフォーラム

(3)なぜコストの高いCMをうち続けるのか?

「だからあ、そういうの…早くいってよぉ…」のCMですが、以下では決裁者(社長・役員クラス)への認知と信頼感の醸成のためと担当者がコメントしています。

上記ももちろんあると思いますが、「市場開拓を進め、サービスの成長曲線を上げたい」「知名度や実績が足りず、攻略できていない企業にアプローチしたい」などの課題があった可能性もあります(あくまで想像でしかありませんが...以下参考)


Place:ユーザー接点の最適化、別サービスとの連携

日本で初めてWindows8に対応するビジネスアプリを対応したのが、Sansanだそうです。ユーザーのことを考えると、アプリで最適化された環境を用意できるのが良いと思うのですが、この辺りのスピード感すごいと率直に感じました(予算確保などもあり、なかなか肌感としてできないことが多い印象です)

また以下のように他サービスとの連携やツール同士の連携がしやすいため、そのあたりも選ばれる一因になっている可能性もありそうです。

・帝国データバンク/日経WHOʼS WHO/日経会社プロフィルなどとの連携
・salesforce、MarketoなどのMAツールなど連携可能な外部サービスが多い
・法人/個人向けの両方にAPIを公開している

まとめ:観察して感じたこと

今回はSansanが市場のリーダーポジションであったので、「なぜそのようなポジションに至ったのか?」がとても気になりました。個人的には以下のような理由だと感じました。

(1)市場開拓期から事業推進をしており、企業課題を熟知している
業界の市場規模が以下のように相当小さい時期から事業を運営してきており、かつ相当数のクライアントにサービスを導入しているため、企業の課題を相当理解しているのでは?と思われます。

(2)Sansanの価値を届けるカスタマーサクセスへの注力

SansanはSaas型のサービスのため、営業・テクノロジー系の人材が多いと思うのですが、気になったところは以下になります(こちらより引用)

・2012年に国内で初めてカスタマーサクセス部を作る
・40名以上が在籍している(社員の10%)※社員数はGreen参考

日本の中でも、2007年にサブスクリプション型の収益モデルを採用していた背景もあると思いますが、カスタマーサクセスに全社員の10%を採用しているところなどに驚きました。また2012年4月にはユーザー会の開催、2016年8月にはコミュニティの設立なども行なっており、この分野に注力していることがわかります。

(3)超豊富かつ詳しい事例が存在している

こちらを見ていただければと思いますが、300近い導入企業の詳細な実例が公開されています。toB向けサービスでここまで導入事例があると、サービス検討している企業も安心感があると思います。また経産省も導入しており、サービス品質・評価が社会的にも認められていると思われます。

まとめると、以下がサービスの強みになっているのではと思いました。

(1)数多くの企業の課題の理解(=企業課題の抽出/発見ができる)
(2)サービスの価値を届ける組織づくり(=ユーザーニーズに答える組織)
(3)多くの事例(=新規顧客獲得のしやすさ)

今回のマーケティング観察はいかがでしたでしょうか...?
名刺の読み取りやレコメンド機能の話など機械学習系の話も書こうと思ったのですが、また次回とさせてください。

自分なりに解説して見ましたが、もし何かの参考になりましたら、幸いです!

お読みいただき、ありがとうございました。
今後もマーケティングなどを観察していきますので、よかったらフォローください!

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