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リアル柔道部物語を味わった 北千住 足立学園での合宿

柔道部物語、ご存知ですか?

天才 漫画家・小林まことさんの代表作です。
中学・高校6年間、柔道部に所属していた僕は
貪るように読みました。

大げさでも何でもなく、
当時の日本全国の柔道部員全員のバイブルでした。

ストーリーの面白さもさることながら
高校柔道部の日常が、とてもリアルに描かれていました。

中でも面白かったのが強豪校との夏合宿です。
主人公の三五 十五(さんご じゅうご)が所属する岬商柔道部は
ストーリー序盤、さほど強い学校ではありません。

ある時、同じ地区の強豪校と夏合宿をすることになります。
練習のあまりのつらさについていけず、
こんな場面が描かれます。

▽練習後、我先に水を飲む岬商の部員たち
 一方、水を飲んだら引っぱたかれる強豪校の部員
▽練習試合で徹底的に負ける
 エースですら歯が立たない・・・
▽練習後のメシがのどを通らない
 (その横で強豪校の部員はモリモリ食べる)

僕もリアルで体験しました

今から30年前。
僕は千葉県立長狭(ながさ)高校の柔道部でした。

その年の夏は久しぶりに東京・北千住にある『足立学園』で
夏合宿が行われることになりました。

当時、東京には2つの強豪校がありました
ご存知、世田谷学園(※バルセロナ五輪 金メダル 古賀 稔彦ら輩出)
そして、国士舘高校(※北京五輪 金メダル 石井 慧ら輩出)

この全国トップの2強があるため
万年ナンバー3に甘んじていたのが、足立学園でした。

練習量が頭オカシイ

柔道の練習って普段は2時間ぐらいです。
全身運動なので、そのぐらいが限度なんです。

合宿になると多少は増えますが、それでも4時間ぐらい。
ところが足立学園ときたら・・・

午前中だけで4時間。
ランニング1時間やって、その後学校に戻ってきて
『寝技だけ3時間』です。もう気が狂ってます。

お昼を食べた後、
午後練がスタート。
今度は・・・『立ち技だけで3時間』です。
もう気がふれてます。

しかも足立学園って商店街沿いにあって
学校の周りはぐるっと他の建物で囲まれています。
そのため、道場の窓を全て開けても・・・

風がほとんど吹かねえ・・・

たまたま風が吹いた時の彼らの言葉が忘れられません。
軽く笑いながら、
「お、今日は珍しく風が入ってきたな」
こっちは笑う余裕なんか1ミリもねえ・・・!

そんな中、ひたすら自分よりはるかに強い選手たちと
寝技3時間、立ち技3時間、
終わる頃にはボロキレのようになっていました。

夕飯もいっぱい出してもらいましたが、
まあ、気持ち悪くて全く食べられない。
その横で、足立学園の部員たちはバクバク食べる。

うわあ・・・リアル柔道部物語や。

岬商の気持ちがよく分かりました。

僕の現住所は足立区

なんの因果か、僕はいま足立区に住んでいます。
ウーバー配達員の仕事をしていると
足立学園の前をよく通ります。

もうトラウマはないですが、
今でも、夏が近づくと思い出す、
『リアル柔道部物語』な思い出です。


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