球春到来で思い出した ノムさんがTV控室で語ってくれた名言
球春到来。プロ野球開幕が迫ってきました。
プロ野球といえば、数年前、民放の朝のニュース番組を担当していた時、一度だけ野村さんとお会いしたことを思い出しました。
思い出しつつ書いてみます。
いきなりボヤく
「朝、弱いんだよ」
打ち合わせを始めて間もなく、野村さんがボソッとぼやきました。でも全くイヤな感じはしませんでした。「おお、生のボヤキを聞けた」うれしさの方が勝りました。
打ち合わせは淡々と穏やかに進んだ記憶があります。こちらの注文に対して、イヤだとは言われなかったです。僕と野村さんとではおじいちゃんと孫ほど年が違いますし、僕がそこまで野球に造詣が深くないことも感じたのでしょう。なんの問題もなく進みました。
単に眠たかっただけかもしれないけど(笑)
ダルビッシュ投手の話になりました
その当時は、ダルビッシュ投手がメジャーリーグにわたって1年目。いきなりの大活躍を見せていました。(2012年成績 16勝9敗)
打ち合わせは終わっていたので、僕は何気なく野村さんにこう聞きました。
「ダルビッシュみたいな投手をリードしてみたいですか?」
すると野村さんは、ちょっと考えた後でこう言いました。
「ダルビッシュのような一流のピッチャーをリードすることに
俺はあまり魅力を感じない」
そして続けてこう仰いました。
「俺が好きなのは、二流、三流のピッチャーを、
俺のリードで一流に輝かせることなんだ」
しびれました。
キャッチャーは時に「恋女房」と呼ばれます。いい女房は一歩引いて、夫をうまく立てます。野球に対して野村さんは厳しい人だったと聞きます。馬鹿には野球はできないと公言もしていました。
それでも自分の力量と役割をしっかり見極め、努力をする選手ならば野村さんは全身全霊で支える。
「生涯一捕手」を貫いた、野村克也の野球哲学と気概を感じさせる言葉でした。
去年2月、訃報に触れたときは、寂しかったなあ…
いまも雲の上で、先に逝った戦友たちとバッテリーを組んで、時々はぼやいているんだろうな、と思ったりします。
これでまた、栄養(本やマンガ)摂れます!