見出し画像

「プロダクト進化を加速させるエンジニアリングマネジメント」のイベントで登壇してきました

こんにちは。mento CTOの松山です。
5/28(火)に「NEWT Tech Talk vol.8 プロダクト進化を加速させるエンジニアリングマネジメント」で登壇してきたので、その内容を紹介します。


登壇資料はこちらから↓


エンジニアリングマネジメントにおける目標設定とは

当たり前ですがマネジメントにおいて、目標設定ってめっちゃ大事です。とはいえ、エンジニア組織って目標設定難しくない?とも思っています。
売上に近いKPIを持つとしてもエンジニアだけではコントローラブルではないし、アウトプット量や品質目標も計測方法をどうするか、本当にこれが事業成長に直結する数値なのか?等々、様々な論点があると思います。

そんな中mentoでは、明確に「デリバリー目標」をおいています。
具体的な機能は隠していますが、実際のKRとして「XXXリリースの完遂」を2Qの目標としています。

コミットメントと「デリバリー目標」のトレードオフ

デリバリー目標をおく上でよく言われることが、「目標にコミットメントするときは、結果としてデリバリーを遅らせてしまう」話があると思います。

普通に開発すると4週間で開発できるものでも、それが目標でコミットメントを求められる場合はバッファをとって「5週間くらいでできる」と言うようになる。そうすると結果として人は5週間まるまる使って開発を進めるので、結果的に遅くなってしまうという構図です。

さらに納期に間に合わないこともあるので、普通に開発するよりもどんどん納期が遅れてしまう。そういうことが起こると、どんどん組織は防御的になって、バッファを入れた目標を立ててしまうと思います。
mentoではどういう目標を作っているかというと、目標にデリバリーをおきつつ普通の開発よりも早くリリースできるような形を目指しています。つまり、普通の開発よりも短く3週間の目標を立てて「3週間で作ろうと思って、間に合わなかったけど3.5週間で出せた」というような状態。そうやって納期を短くするような攻めのデリバリー目標を運用したいと思って実践しています。

「目標設定」はあくまでもツールなので、デリバリー目標を効果的に使うことで開発をブーストさせられると考えています。防御的になることのメリットがない状態、つまり心理的安全な攻めの目標を大事にしています。

攻めの「デリバリー目標」の設定で大事にしていること

攻めのデリバリー目標をおくときに大事にしていることを3つ紹介します。

1.目標はムーンショットである

mentoにおけるKRはムーンショットだと認識をそろえています。実現すれば大きなインパクトのある目標をおいて、6-7割の達成で成功と考える。
もちろん達成を目指してみんな頑張るけど、必達目標ではないという認知が大事です。

2.いい塩梅の設定

目標の高さとチームの状況はグラデーションがあると思います。まずありがちなのが、「まぁいけるやろ」くらいの難易度で目標をおくと、人はハードワークでカバーするんですね。定量で言い切れないですが、例えば現在比で1.3倍や1.4倍とか、頑張るだけでは達成できないラインに目標をおくと、「今の業務でここをダイナミックに削ろう」、「こういう人材リソースを借りよう」などクリエイティビティでカバーするようになります。これがいい塩梅の目標だと考えています。

ではどうやってそのいい塩梅を探すのかというと、今チームがどの状態になっているか適切にモニタリングすることが大事です。絶望状況だったら目標を変えたり、ハードワークで解決しようとしていたら目標を高く修正したり、目標をアジャイルに変えることが重要だと考えています。

登壇した時にも「いい感じの塩梅を見つけるコツ」を聞かれましたが、それは対話するしかないと思っています。目標をメンバーにあててみて、どう思うか聞いてみる。目標を立ててから運用し始めた後も対話する。一番手を動かす人のテンションをちゃんと検知することを意識しています。

3.ペナルティを作らない

最後に、目標を外した時の組織としての振る舞いやコミュニケーションが最も重要です。チーム内だけではなくチーム外でも同じで、例えば「営業チームは必達目標でやっているのに、エンジニアは必達目標じゃなくていいの?」と言われるような雰囲気だったり、構造を作らないようにソフト面もハード面をケアする必要があります。

もちろん目標を外した時には振り返りは徹底的にやるけれど、チームも個人も責められることはない形を作っています。ストレッチな目標に対してそれぞれどういうスタンスで取り組んだかについては評価しますが、目標を外したことに対しての評価や報酬は紐付けないようにします。

ムーンショットという高い目標に対して全力で取り組んだチームを称えて、学びを次に活かすというマインドで向き合うことが大事です。

まとめ

改めて伝えたいのは「目標設定」は自分たちの開発やプロダクトを進化させるためのツールだということ。一般的に悪とされやすいデリバリー目標も、心理的安全な攻めの目標を立てることでより速くリリースして開発をブーストさせられるんじゃないかと思っています。

終わりに


上記のテーマについてでも、コーチングの話、組織の話、他にも話したい方がいたらお気軽にカジュアル面談しましょう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?