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「勉強しなさい!」と言われるといきなりやる気を失うのは何故なのだろうか?

子供の頃、親に「勉強しなさい!」と言われて、いきなりやる気がなくなったことはありませんか? 僕は基本的に毎日そうでした。あるいは「日が暮れるまでには帰ってきなさい」などと言われると、わざヘソ曲げて日没後に帰ったりしたものです。これって一体どういう心理状態なのでしょう? おかげで家に帰った瞬間にビンタされたこともありましたが、そうなるとわかり切っているのにわざわざ逆らうんですから考えてみればなかなか間抜けな話です。

人間というのは何かを強制されたり、選択の自由を制限されたと感じると、それを取り戻したいという心理が働きます。これ、心理的リアクタンス(psychological reactance)という名称で知られる心理状態です。ですから勉強することを強制されると「意地でもするもんか!」と反発するわけです。あるいは「日没までに帰ってこい」と言われると、自由を奪われたと感じて真反対のことをするわけですね。

なお、僕ら一般ピープルには「ロミジュリ効果」の言った方がわかりやすいかもですね。周囲から恋愛を反対されればされるほどますます燃え上がる、というわけです。人間の心理というのは全く面白いものです。

強制されると魅力が失せ、制限されると魅力が増す

そう言えば最近、都内の公立小学校で毎日60分の外遊びが義務化されたらしいのですね。「遊び係」なんていう当番まで作って、みんながちゃんと遊んでいるかどうか見張らせる学校もあるようです。僕なんかこのニュースを聞いただけで遊ぶ気がしぼんきたのですが、50歳過ぎのオヤジでさえ遊ぶ気が萎えるのですからにも、当の子供たちなんて本当に完全に遊ぶ気を失うでしょうね。

よく子供にゲームをヤメさせたかったら、スケジュールを組んで課題を課して毎日無理やりやらせろ、っていう話がありますが、あれもあながち間違っていないわけです。

一方、制限されると今度はなんでも必要以上に魅力的に感じるものです。例えば炭水化物を食べるなと言われれば言われるほどピザとかうどんとかカレーとか食べたくなりまう。タバコを吸うなと言われればますます吸ってみたくなるものです。バイクに乗るなと言われれば乗りたくなります。これらは全て、この「心理的リアクタンス」のなせる業です。

選べなかった過去が魅力的に見える

さて、ここからが本題です。僕は最近、学生時代には高価すぎて買えなかったスタジャンを夢中になって探しています。もう50歳すぎて今更スタジャンを着たってしょうがないわけですが、「かつて買えなかった」というだけで今でも魅力を感じ、時折探しているというわけです。何しろ過去には絶対に戻れませんから、これこそ究極の「心理的レジスタンス」というわけです。

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