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アメリカの暴動の背景と、今後の予想について

現在、アメリカの各都市で凄まじい暴動が起きています。ことの発端はご存知の通り、5月25日にとある警察官が丸腰の黒人男性、George Floydさんの首に膝を乗せて全体重をかけ続け、死に至らしめた件です。(なお、今日貼ってある動画はどれも強烈なので、暴力が苦手な人は再生しないでください)

この警察官と、それを傍観していた警察官4名は直ちに懲戒免職となりましたが、れっきとした殺人の証拠が映像で残っているのに逮捕すらされない状況に、黒人たちの怒りに火がつき、まずはミネアポリスでデモが始まりました。そしてデモは瞬く間に暴徒化し、まずは警察署が3つ燃やされたのです。

暴徒化した群衆は次にTARGETという全米展開する百貨店チェーンを襲い、略奪を始めました。この百貨店、これまでミネアポリスの警察に寄付をしていたことや、催涙弾で痛む目を洗い流そうと牛乳を買い求めにきた人たちに販売を拒否した結果、標的とされたようです。

勢い余った群衆はそのまま周辺の商店街にも雪崩れ込み、あちらこちらに火がつけ、ミネアポリスはあっという間に戦場のような有様となってしまったのです。

さらにこの頃、現場を取材していたCNNの有色人種の記者が逮捕される様子が全米に生中継される中という、ちょっとありえない出来事が起きました。

さて、ここまできてようやく事態の深刻さを理解した警察側は George Floydさんを殺害した警察官を逮捕しましたが、傍観していたその他3名の警察官は相変わらず逮捕されないままです。それがさらに怒りを掻き立て、デモは一気に全米20以上もの都市に飛び火しました。僕が住んでいるところから20分足らずのサンノゼ市のダウンタウンでもデモが起きていますし、車で1時間ほどのサンフランシスコ市に至ってはものすごい状況です。

中でもニューヨークのブルックリンは特に凄まじく、まるでバットマンに出てくるゴッサムシティのようです。

こちらはロサンゼルス。もう映画の中の出来事としか思えません。

さて、ここまで読んだだけだと暴徒化した人々が一方的に悪いような気がするかもしれませんが、一概にそうとも言えないのです。警官の側も相当なもので、これじゃ事態は収まるどころか、さらにエスカレートしていく予感しかしません。

そこで今日の記事では、いったいなぜこのような大規模な暴動が起きたのか? そしてこれは今後、どのような経過を辿ることが予想されるのかを考えてみました。

※この文章は単品で100円ですが、1000円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月20本くらい読めるので1本50円です。このマガジンでは教育のこと、テクノロジーのこと、あるいは経営に関するなどなど、僕がシリコンバレー、フィリピン、日本の3拠点でビジネスをする中で得た気づきを書き綴っています。

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