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「自由の国」と「世間様の国」、どちらの方が暮らしやすいか?

僕は「理系に進学しろ」「これからは英語くらい身に付けないとダメだ」となんて両親に言われながら育ってきました。

「文系や美術系に行ったら学費は出さない」と言われたこともあります。また、「人の上に立てる人間になれ」などなど。でも、僕は学級委員にも部活の部長にも選ばれたことがありません。小さい頃から「人望」なんてものはカケラほども持ち合わせていませんでした。なので、無理難題としか思えなかったものです。

このほか、朝は6時半からマラソンしろとか、だけど運動は程々にして勉強しろとか、まあ色々と言われたものです。箸の上げ下ろしから家事の手伝いに至るまで実に事細かに指図を受けながら育ちました。しかも、要領が悪いと、「このグズ、のろま!」などと日常的に罵らる生活だったのです。今ならさしずめ虐待でしょうが、我が家ではごく普通の風景でした。僕は今でも大抵のことを実に手際良くできますが、こうしたスキルが少年時代に培われたのはまず間違いありません。

正反対な国、アメリカ

ところが16歳の時から突如アメリカに住み始めると、誰も僕のダメ出しなどしないのです。逆に「大人になったら何になりたいの?」「何が食べたいの?」「どんな映画がみたい?」なんて僕の希望や夢をちょくちょく聞かれ、なんだか戸惑ってしまったものです。

最初の数年は自分のやりたいことが何なのかさっぱりわからず、マジで困りました。それまで、「自分が何をやりたいか?」なんてただの1ミリも考えたことがなかったからです。

日本で生まれ育つと、常に周囲の大人からお題を出され、人の気持ちや大人たちの意図を汲み取って「正解」を把握し、周囲に沿って動くことが期待されます。逆に、自分なりの考えを表現したり、自分でお題を設定することは重要視されていませんから、考えたことすらないのです。

しかし、いざ就職となると「個性的な人材が欲しい」とか「自分で考えられる人材を求める」なんて言われるのです。全く困ったものです。でも不思議なことに、一度就職を果たすと、今度は一転して新人教育で周囲を乱さないことを叩き込まれるのですから、なんだかよくわからない話です。

じゃあアメリカみたいに自由な国がいいのかというと、あれもまたあれで問題が多いのも事実です。自分を律したり、自分で課題設定できるような人には最高の国ですが、そうでない人にとっては、落ちぶれる自由も与えられる、実に危険な国なのです。

そんなわけで今日は、自由の国アメリカと、世間が規範となってくれる国日本のどちらの方がいいのか、考えてみることにしました。

※この文章は単品で100円ですが、1000円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月20本くらい読めるので1本50円です。このマガジンでは教育のこと、テクノロジーのこと、あるいは経営に関するなどなど、僕がシリコンバレー、フィリピン、日本の3拠点でビジネスをする中で得た気づきを書き綴っています。

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