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僕たちのコロナ・ワクチン接種体験記

今日は無料記事です。「100円」となっていますけど、最後まで無料で読めます。

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昨日、コロナウイルスのワクチンを打ってきました。

アメリカでは12月の半ばからワクチンの接種が始まっていましたが、なかなか順番が来ないのでヤキモキしていました。アメリカでは12月〜1月の感染者数と死亡者数の増加が本当に凄まじく、文字通り死活問題だったのです。

こちら、感染者数のトレンドです。左の単位は万人なので、年が明ける頃には1日30万人(!)とか感染していました。累計感染者数は2899万人です。

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こちらは死者の推移。ピークには連日4000人以上亡くなっていました。これまでの累計死亡者数は、日本の62倍に当たる52万6千人です。

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CDCのサイトより。

ここまで感染者が増えると、知り合いの中に普通に感染者が現れます。Facebookの投稿も「感染してしまった」「親がかかってしまった」なんてものが増えてきて、「マジかよ...」と暗澹とした気分になったものです。しかもみんな、「気をつけていたのに、いつどこで感染したのか見当もつかない」と異口同音なのです。

そんなわけで、怖すぎてどこにも出かけませんでした。毎日ビタミンC, Dを摂取しては運動に励み、免疫力を高めることに専念しました。必要なものは日用品から食料品に至るまで、ほぼ100%ネットで調達しました。

アマゾンフレッシュで食料品を調達。あまりに便利で仰天しました。

ワクチン接種の進捗

そんな中で12月中旬に始まったのが、待ちに待ったワクチンの接種です。まず最初は医療関係者からでした。そりゃ当然ですよね。隣に家に住む医療従事者の方が「ワクチンが済んだわ」と笑顔で報告してくれた時は、希望を感じるとともに、羨ましくも思ったものです。

1月になると、75歳以上の高齢者の接種が始まりました。そして2月は65歳以上。またこの時期に、警察官や消防隊員なども接種を受けたようです。

ワクチンの効果や副作用を疑う声はほとんど聞かれませんでしたが、警察官の中には、ワクチンの接種を拒否した者が4割に上ったという報道がありました。

トランプ・サポーターの中にはワクチンに懐疑的どころか、コロナウイルスそのものがでっち上げだと主張するものが少なくなかったのです。警察官はトランプ・サポーターが多いと言われていますが、民主党一色のシリコンバレーですら、警察コミュニティはトランプ・サポーターが多いようで、これにはいささか驚かされました。

ただ、警察官以外は特に拒否する人もいないようで、接種は粛々と進んでいるようです。まあ、自由の国アメリカですから受けない人は受けないと思いますが、遅くとも夏ぐらいまでには、希望者全員が行き渡るようです。

パンク状態の予約サイト

2月中旬になると、「3月から教育者とエッセンシャル・ワーカーの接種が始まる」とのアナウンスが流れてきました。僕は保育園経営をしているので、対象となりました。

2月の後半には予約サイトへの案内がメールで送られてきたのですが、アクセスする人があまりに多く、サイトはパンク状態だったのです。どうやら枠が開くたびに最初の10分で一気にスポットがなくなったようで、なかなか焦りました。

結局1週間ほど経つとアクセスがやや緩和して予約が取れたのですが、それでも待ち構えて朝一にアクセスしないと予約が取れませんでした。

この頃になると接種を受けた人が情報をSNSに上げ始めたのですが、これがどれも「会場で4時間待たされた」なんて感じで、なかなか壮絶なのです。

みんな自分の枠を奪われまいと会場に押し寄せたようで、聞くところによると、バーゲンセールの会場のような行列だったそうです。そんなわけで、僕らも当日は早起きして行くくらいの覚悟でいたのですね。ところが、だんだんシステムが整ったようで、僕らの前の週に受けた人の話だと、「15分前に行けば十分」とのことでした。また、政府からも新たに「15分以上前には来るな」との案内もあったので、あまり慌てて行くのはヤメにしました。

まずは妻の番

と言うわけで、いよいよ当日です。もしかすると副作用で次の日に寝込むんじゃないかなんて心配して、妻とは1日違いで受けることにしました。そして3月8日月曜日にまず妻が接種。会場に着いた妻から、早速こんな写真が送られてきました。

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そして接種が終わるなりLINEでやりとりしましたが、特になんともないようです。

帰ってくるなり色々と聞いてみましたが、特に痛くもないし気分も悪くないとのことでした。ただ、「私、緊張してたんだなあ〜」と、帰ってくるなり横になっていました。次の日の朝も「多少腕が痛いけど大したことない。気分も悪くない。」とのことで、なんとも言えずホッとしました。

いよいよ当日

そして昨日3月9日、いよいよ自分の番です。

必要な書類は、免許証と健康保険証、それから、予約確認メールと、僕が保育園のオーナーであることを証明するための書類です。実は、予約サイトよりもこちらの方がずっと混乱していて、この証明書をゲットするのに四苦八苦でした。こちらも登録用のWEBサイトがあったのですが、従業員が先に登録したところ、オーナーである僕らが登録できなくなるという意味のわからないことが起きたのです。サイトの指示も明確ではありませんでしたが、どうやらオーナーが登録し、従業員の名前を追加すればよかったようです。事務局と何度も電話でやりとりしてやっと解決しました。こういうこと、きっと日本でも起きるでしょうね。電話とメールに張り付いて解決してくれた妻に感謝感謝です。

会場に少し早めに着くと、思ったより空いていました。行列といってもほんの数人です。証明の書類を見せると別の書類を渡され、それに記入するよう指示されました。この書類は、すでに別のコロナ・ワクチンを受けていないかとか、過去に他のワクチンにアレルギー反応があったことがないかとか、妊娠していないか、授乳していないかなどといった質問が並んでいました。なお、この時に自分のワクチンの種類がわかるのですが、僕はジョンソン&ジョンソンでした。ちなみに、ジョンソン&ジョンソンのワクチンは、接種1回で済みます。

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これに記入して受付に行くと、職員が身分証明書、保険証、それからこの書類をスマホで1ページずつ撮影していました。すぐに画像が手元のパソコンに取り込まれるようで、撮影が終わると何やらパチパチとキーボードを叩いて、無事登録が完了しました。

そして床の矢印に向かって進むと、そこが接種会場でした。

会場

青がファイザー、緑がモルデナ、ピンクがジョンソン&ジョンソンと色分けされており、順番に案内されます。この写真には半分くらいしか写っていませんが、全部で30くらいのステーションが設置されていました。この辺りのシステマチックさがアメリカです。

接種は特に問題もなく、一瞬で終わりました。写真を撮っていいかどうか尋ねると「どうぞどうぞ。準備ができたら教えてね」と、こっちが恐縮するくらいにこやかです。

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イエーイ! 

僕がそう言うと、注射した職員も、"You are now invincible!"(「あなたはもう無敵よ!」)とか大袈裟なことを言って笑っていました。思わず釣り込まれて笑ってしまいました。

この部屋を出ると、別室に案内されます。そこは1.5mずつほど離した椅子が30脚ほど置いてあり、そこで15分経過を見るように言われました。そして15分過ぎると、帰り際にこんなバッジを渡されました。ちなみに写真に写っているのが、前にある椅子の足です。

バッジ

周囲には高齢者の方がたくさんいました。高齢者の方は、ファイザーのワクチンの2回目の接種の方が多かったようです。杖をついている方や、車椅子の方もチラホラいました。僕の後ろに並んでいた若い男性はスーパーマーケットに勤務と言っていました。エッセンシャル・ワーカーの方々が比較的早めに受けられるようで、本当によかったです。

副作用について

まず、現在日本で情報が錯綜中の副作用についてです。

これまで、従業員を含む7人が受けましたが、誰も何も副作用はありません。ただ、打った直後はかなり腕が痛く、持ち上げると思わず「イテテ」と声が漏れました。でも夜には痛みが半減で、今日はもう、さほどでもありません。

接種が終わるとなんとなくグッタリしましたが、これは副作用じゃなくて、ただ単に緊張が解けただけのようでした。帰宅して家に足を踏み入れた瞬間に、これまでの12ヶ月の緊張が緩むのがわかりました。何しろ、これでもうあまりコロナを恐れなくていいのです。スーパーやモールにビクビクせずに行ける。それだけでも嬉しいです。

今日も体調は普段と変わりません。まだ腕は痛いですが、昨日に比べるとずいぶんラクです。僕らよりも先に受けたうちの従業員は2日で取れたと言っていましたので、まあ多分明日には取れるでしょう。妻は二日目の方がダルかったそうですが、今日はもうすっかり元気です。他の従業員の話でも、一日体が重かったと言う人が多かったです。

接種後に思うこと

最後に雑感をいくつか。

接種すべきかどうかですが、よほどの健康上のリスクがない限り、受けておいた方がいいと思います。色々な噂が飛び交っていますが、あれ、ガセが99%でしょうね。現に、ヨロヨロしているような高齢者の方々が普通に2回目を受けに来ていました。CDCによると、アメリカの全人口の9.9%に当たる3千2百万人もの人がすでに摂取を終えており、1回だけ済んでいる人も含めると、実に18.8%の6千2百万人が接種しています。しかし、今のところ特に重大な副作用の話も聞きません。そして今、感染率も死亡率も、急速に下がりつつあります。

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意味不明なアメリカ

過去12ヶ月間、アメリカはカオス状態でした。コロナ対策の失敗、BLM運動を発端に全米に飛び火した騒乱、アジア人に対する憎悪感情、そして今年1月の議事堂占拠事件と、本当に信じられないようなことが起こり続けたのです。

でもその最中、民間初の有人宇宙飛行をやってのけたのも、たった1年でワクチン開発に漕ぎ着けたのも、そんなメチャクチャなアメリカです。そして今回の接種に至るまでのプロセスを体験してみて、改めてアメリカの底力を見せつけられたような気分でした。

多分この国は、これからも意味不明な混乱を引きずりながらも、次から次へとイノベーションを起こし続け、前に前にと進み続けるのでしょうね。そんなアメリカに、今はもう少し住み続けてみたいと思います。

以上「僕たちのコロナ・ワクチン接種体験記」をお送りしました。日本でも早くワクチン接種が始まるといいですね。それではまた明日!

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