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AIはどこまで進化するんだろう?

チェスのグランド・マスターが初めてコンピュータに敗れたのが1997年。でも、この時には、まだニューラル・ネットワークを用いたAIの勝利ではなく、膨大な量のコードを人間が手作業で入力して作り上げたプログラムの勝利だったのです。はっきり言って、人間対人間の勝負でした。

それから25年。いまやニューラル・ネットワークを用いたAIが一般的なものとなり、チェスはもちろんのこと、将棋も、囲碁も、AIの方が人間より遥かに強くなってしまいました。

ただ、チェスも将棋も囲碁も、全部、いわゆるPerfect-Information game なんですね。Perfect-Information gameというのは、 双方のプレイヤーが、相手の持ち駒をすべて知り得るゲームということです。将棋なんかでも、相手が今どの駒を持っているか全部わかりますよね。このため、相手が次に打つであろう手を予想しやすいのです。つまり、AIにとって解決しやすい問題と言っても良いでしょう。

Imperfect information game

では、ポーカーはどうでしょうか?

ポーカーは典型的な Imperfect-information gameです。ディーラーが自分と対戦相手に配るカードは運に左右されますし、相手の持つカードを知る術はありません。また、賭ける額はしばしば対戦相手への揺さぶり手段として使われますが、相手が次にいくら賭けて来るのかを前もって知る手段はありません。

AIは、ポーカーでも人間を破ることができるのでしょうか?

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